【基本】化粧水と乳液の違いは?役割や使う順番・効果的な使い方を解説
スキンケアの代表的アイテムである、化粧水と乳液。毎日当たり前に使っていても、それぞれの役割を知らずになんとなくケアしている人もいるのではないでしょうか?今回は、化粧水と乳液の違い、種類と役割、使う順番、効果的な使い方などをまるっとまとめました。
化粧水と乳液の「違い」
化粧水は「水分を与える」、乳液は「油分を与えて水分蒸散を防ぐ」
化粧水とは…
化粧水はなんでもいいと、おろそかにする声を聞いたりしますが、化粧水の役割は「水分を与える」「皮脂の分泌を整える」「美容成分を届ける」「美容液やクリームの浸透を助ける」など、多岐に渡ります。それだけメーカーさんの企業努力によって化粧水にできることが増えているのです。クレンジングや洗顔の後で一番に使用するのが化粧水になりますが、それは失われた水分を少しでも早く補うためです。また、肌のphバランスを整えるのも働きのひとつです。人間の体内は弱アルカリ性で、皮膚表面だけが弱酸性という性質を持っておりますが、ウイルスや雑菌は弱アルカリ性の中で活性化し、弱酸性のなかだと弱まります。洗顔後は弱アルカリ性に傾くこともあるので、理想的なphバランスに整えてあげましょう。
乳液とは…
すごく化粧水が万能のもののように書きましたが、もちろん万能ではありません。化粧水は水分を与えて、留めることはできても、保持した水分を蒸発しないようにすることは難しいのです。そこで、乳液などの油分を含んだアイテムで膜を作り、水分の蒸発を防ぐのです。化粧水だけで終わらせてしまうともったいないので、乳液やクリームできちんと蓋をするようにしましょう。
化粧水の「種類」と「役割」
【1】保湿化粧水
- 補水=水分を与えて細胞をふっくらさせること
乾燥した肌表面の角層に水分を補って、肌を柔らかくし、細胞に水を届けること。主に化粧水の役割です。
「元々人の体の約60%は水分なので、水分を守る必要はあっても与える必要はない、というのは事実です。ただ、角層に不足した水分や水溶性の美容成分を肌に届けるという点で、化粧水を使うことには意味があります」(岡野さん)
【2】拭き取り化粧水
花粉やホコリ、急な暖かさによるベタつきが気になる時期は、保湿の前に一度拭き取り化粧水でさっぱりさせるとくすみ抜き効果が。古い角質も取れ、毛穴詰まりが防げます。コットンにたっぷりとり、優しく拭き取るのがコツ。
【3】収れん化粧水
毛穴がだらりと開いたり、キメが乱れていたり… そんな肌をキュッと引き締め整えるのが収れん化粧水の役割。使う目的に合うものを選んで。
乳液の「種類」と「役割」
【1】保湿乳液
- 保湿=水分が肌から蒸発しないように守ること
「肌の角層には本来、水分が逃げないよう抱え込んで守る働きがあります。これが“バリア機能”で、同時に外敵から肌を守る役目も果たします。ただし年齢や環境、ストレスなどによってバリア機能は低下しがち。それを補助するのが保湿ケアというわけです。程度の差はあれど、塗るスキンケア全般に保湿効果があります」(近藤さん)
\乳液にはマルチな機能が!/
- 柔らかくほぐす
水分と油分をバランス良く与えて潤すことで、乾いて固くなりがちな角層を柔らかくほぐします。これは化粧水や美容液ではなかなか得られない、乳液ならではの効果。 - ベタつきなくしっとりさせる
肌によくなじみ、のびも良いのでベタベタしにくいのが特徴。それでいて油分を程よく含んでいるので、なじんだ後はしっとりと潤います。 - 潤いのフタとなる
クリーム程ではありませんが、乳液も油分を含んでいるので、肌の上に潤いのヴェールを形成。軽やかな使い心地で、保湿効果が持続します。 - 汚れを優しく取り除く
肌が乾燥すると、本来剥がれ落ちるべき古い角層が肌の上に張りついた状態に。乳液で柔らかくほぐすことで、不要な角質をそっと浮かし落とすソフトピーリング効果が。毛穴も詰まりにくくなります。 - 次に使うアイテムのなじみを高める
肌を柔らかく整えることで、次に使うコスメのなじみが良くなり、美容成分の浸透もUPするブースター効果が(特に、洗顔後すぐに乳液を使う「先行型乳液」でこの性質が発揮されます)。 - ふっくらとハリを出す
乳液をなじませた後の肌は、潤いで満タンに膨らんでいる状態。ふっくらもちもちとして、弾力やハリも高まります。
【2】先行型乳液
洗顔後すぐの先行型ミルク。先行型ミルクは、油の粒子が細かく分散されていて、次に使う化粧水がよりなじむブースター効果に優れているのが特徴。コットンで拭き取ることで、肌表面の不要な角質をオフするマイルドピーリング効果も。
【3】UV乳液
紫外線から肌を守りつつ保湿&肌を補正。
【基本】化粧水と乳液の使う「順番」
- 化粧水→美容液→乳液→クリーム
アイテムによって使う順番や使用量が異なることがありますが、まずは基本の使い方をマスターしましょう。朝晩のお手入れで、化粧水や美容液など“水”っぽいものを使った後、乳液を重ねます。クリームやアイクリームなどの“油”系はその後に。
\先行型乳液の場合は洗顔後すぐに!/
洗顔後の乾いた肌に、コットンに含ませた乳液で内→外へ優しく滑らせて。
【化粧水】効果的な使い方4つ
【1】潤いで満たす化粧水の付け方
美容家
石井 美保さん
トータルビューティーサロンRiche代表 麻布十番にまつげサロンを10年経営し、アイリストの育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と底なしのコスメの知識を持ち、幅広く活躍中。プライベートでは中学生の娘を持つ母親でもある。
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肌は水分と油分のバランスがとれて始めて、潤いや透明感、キメ細かさといった美肌の要素が育まれます。化粧水は、そのうちの水分を肌にチャージする大切なアイテム。石井さんご自身も、500円玉大の量を朝晩、最低10回ずつ入れ込んでいます。
「肌が“もう入らない!”と限界に達するまで、化粧水を与えてください。時間がないときは3分間コットンパックでフォロー」(石井さん)
【HOW TO】
【全体】500円玉大を目安に顔全体へプレス塗り
500円玉大の量の化粧水を両手のひら全体へなじませたら、顔の中心からハンドプレス。徐々に手の平を外側へ移動させ、顔全体になじませる。肌表面がぬるっとするまで、同じ方法で化粧水を繰り返しつけて。
【目元】ギリギリまで攻め込み、目元の小ジワを予防!
目元周りは皮膚が薄くてデリケートな上、小ジワができやすい部分。力が入りにくい薬指を使って優しくプレスし、化粧水をきちんとなじませる。
【鼻の下】鼻の下を伸ばしながら薬指でなじませる
鼻の下は年齢を重ねると小ジワが横に入ったり、伸びたりしやすい部分。今のうちから潤す習慣をつけて。薬指でプレスしてなじませるのがコツ。
【鼻周り】鼻筋の両わきへオン。テカりも軽減するはず
鼻周りは、薬指全体を鼻筋のわきに沿わせて押してなじませる。Tゾーンがベタつきがちな人は特に必須。潤ってテカりにくくなるはず。
【2】コットンを使う場合は“引かずに押す”
エディター
大塚 真里さん
NY生まれ、東京で育つ。出版社のオレンジページで美容雑誌の編集を務めた後、化粧品メーカーのクリエイティブ担当を経て独立。『美的グラン』『美的』『Oggi』などの雑誌や書籍の編集、広告制作を手がける。著書は『キッチンには3本のオイルがあればいい』、『石けんオフメイクシリーズ』(ともに文藝春秋)。
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コットンを使う場合は摩擦の刺激が起きないように、化粧水をたっぷり使うことが重要。裏まで湿るようにコットン全体にとり、力を入れずに押すようにして肌に入れ込んで。
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【3】拭き取り化粧水は“そっとなでるように”
「繊維の摩擦をできるだけ減らすために、表も裏もたっぷり濡らして、そっと拭き取ればOK。肌にかかる指の圧を減らすために、コットンを2枚重ねにするのもおすすめ」(石井さん)
\コットンは2枚重ねで使うとべター/
\たっぷりの化粧水でそっと拭き取り/
【4】毛穴や乾燥悩みは“コットンパック”で潤い集中チャージ
\毛穴ケアに/
美容コーディネーター
弓気田 みずほさん
元・伊勢丹新宿店化粧品バイヤー。在職時に百貨店初のブランドの枠を超えたカウンセリングサービス「ボーテ・コンシェルジュ」を立ち上げる。大手化粧品メーカーや商業施設へのコンサルティング・人材育成・講演等を手がける。美容誌や女性誌等のメディアでは、正しい化粧品選びの指南役として幅広く活動中。
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トータルビューティアドバイザー
水井 真理子さん
肌を見るだけで、その人の生活習慣を見抜く程の経験値で、カウンセリングや美容アドバイスを展開。美容誌や講演など幅広く活躍中。
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乾燥やたるみで頬の毛穴が気になるときは、コットンに化粧水を含ませてパックすると、キメがふっくらとして毛穴が目立たなくなる効果が。
\肌あれケアに/
\教えてくれたのは…ヘア&メイクアップアーティスト 広瀬あつこさん/
誰でも簡単にキレイになれる技を教えてくれると定評あり。大物女優から美容家まで多くのファンをもつ。
主婦、保険会社勤務
小口 紗欧里さん
美容、ファッション、旅行が大好きな会社員兼主婦です。 『美的』の他にもファッション誌やママ雑誌などで読者モデルをさせて頂いています。 元気に走り回る3歳と1歳の息子がいる為、時短で美しくをモットーに自分に合う美容を研究しています。 美容もファッションもハイブランドかプチプラかにはこだわらず、本当に良いものを見付けて皆様にも御紹介していきたいと思います。
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Q.産後、シミやソバカスが目立ってきました。乾燥による肌あれも気になる…
A.肌あれ改善効果のある化粧水を集中補給しましょう(広瀬さん/以下「」内同)
「キメの整った透明肌が瞬時に取り戻せます。朝のメイク前が特におすすめ」
【HOW TO】
- ローションを浸したコットンで5分間パック。
【乳液】効果的な使い方4つ
【1】正しい乳液の付け方
【HOW TO】
(1)量は十円玉大
基本は1回このくらい。ただ、乳液はアイテムによってリッチ度合いがかなり異なるので、重いと感じる場合は量を減らして。
(2)手のひら全体で内から外へ
両手を擦り合わせて手のひら全体に広げてから、顔の内から外へとなでるようになじませます。その後、目の周りなど細かい部分に。
【2】くすみやむくみをケアする“肌アイロン”
美容家
石井 美保さん
トータルビューティーサロンRiche代表 麻布十番にまつげサロンを10年経営し、アイリストの育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と底なしのコスメの知識を持ち、幅広く活躍中。プライベートでは中学生の娘を持つ母親でもある。
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くすみやむくみの原因となる不要な水分や老廃物の排出を狙えるのが、肌アイロン。とはいえ、やりすぎは禁物。1日1回、朝がおすすめ。
【HOW TO】
(1)右手を左側のこめかみに当て法令線を引き上げる
両手のひらに500円玉大の乳液をなじませたら、右手を左側のこめかみに当て、左側の法令線が薄くなるくらいまで引き上げてキープ。
(2)法令線からこめかみまで指をスライドしてすくい上げる
左手の薬指と小指を左の法令線~あごに当てたら、こめかみまでスライドさせる。最後に引き上げた頬の肉を右手で押さえ直す。これを左右10回ずつ繰り返す。滑りが悪くなったら、途中で乳液を追加。
(3)デコルテにも肌アイロンで若々しさをキープ!
500円玉大の乳液を両手のひらへ再度広げる。あごを上げて首を伸ばしたら左手のひらであご下の肉を包み込み、下へ軽く押し流す。左右3回ずつ行う。
(4)首のシワが薄くなるまで手を滑らせる
両手のひらで首を包み込み、少し圧をかけながら左右の手を交互に上から下へ繰り返し滑らせ、首のシワを伸ばす。右耳から左耳の下まで抜かりなく。
(5)リンパの流れに沿って老廃物を流して完了
耳の下から鎖骨へつながる太い筋肉に沿って指で押し流し、最後に鎖骨のくぼみをプッシュ。反対側も同様に。終わったら、クリームをハンドプレスで重ねる。
\クリームを塗った5分後にティッシュで押さえ、余分な量をオフしてからメイクを/
【3】肌をふやかして汚れを落とす“乳液ピーリング”
週に2~3回のスペシャルケア。洗顔後の、汚れを落とした状態で行います。たっぷりの乳液で肌をふやかし、要らない汚れだけを浮かし落とします。
【HOW TO】
(1)乾いた肌に、顔が真っ白になる程たっぷりと乳液を塗る。次に、タオルをかぶり肌にスチームを当てる。スチーマーがなくても、洗面器にお湯を張るor湯船につかって蒸気を顔に当てればOK。
(2)熱めのお湯を含ませて絞ったタオルを顔に乗せ、30秒位そのままに。
(3)タオルを指に巻きつけ、小鼻やあごの毛穴から浮き上がった汚れをそっと拭き取る。
【4】スペシャル保湿ケアに“乳液仮面返し”
『美的』でも何度か紹介され、読者に大人気のスペシャル保湿ワザ。1回で肌がプルプル&透き通るような透明感。ながらケアできるから手軽です。
【HOW TO】
(1)シートマスクをしながら、マスク全体にまんべんなく乳液を含ませる。
\シートが乳液を吸うので、たっぷりと使用して/
(2)シートをひっくり返し、乳液を含ませた面を顔につけ、再びパック。
\そのまま約10分間/
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
SMA所属。日本化粧品検定1級、化粧品会社での勤務経験を経てお笑い芸人に。YouTube『プチプラスキンケア研究所』にて最新の美容情報や季節ごとの気になるテーマやなどを配信中。『めざめるパワー』というコンビで漫才しています。