【スキンケアの基本】そもそも「保湿」って何? なんで保湿しなくちゃいけないの? スキンケアに関する素朴な疑問にプロが回答!
これからの季節、乾燥を防ぐために必須なのが「保湿」。でも、そもそも保湿って何か知っていますか? 保湿のメカニズムから肌を潤わせる目的まで、スキンケアのプロたちに詳しく解説していただきました。
成分に詳しくなると、コスメ選びが楽しくなる
美白やシワ改善など魅力的なスキンケアはたくさんありますが、 「肌にとっても最も大切で絶対に欠かせないのが、バリア機能をサポートする保湿ケアです」 と、スキンケアコスメの開発を長年手掛けるカラーズの岡野利彦さんとNuzzleの近藤和裕さんは口をそろえます。
「 角層細胞が水分で満たされていて、細胞の隙間を埋める材料も充分にあると、肌は健康で老けにくく美しい状態を保つことができます。 水を毎日たっぷり飲むことが健康な体作りに大切なのと同じです」(岡野さん)
子供の肌は特に保湿ケアをしなくても潤っているのに、大人には保湿ケアをしなくてはいけないのはなぜ?
「メイクをすると洗浄力の強いクレンジング料で落とさないとならず、その洗浄成分が肌のバリア機能に多少影響を与えます。また、 年を重ねるごとに肌の代謝が衰え、ストレスで代謝が乱れたりもします。すると細胞の状態が悪くなり、潤いを抱え込むバリア機能が弱くなってしまうのです 」(近藤さん)
美しく老けにくい肌の要・バリア機能を守るための保湿ケア 、しっかり学んで実践しましょう! まずは保湿コスメの基本の働きを教わります。肌を潤わせる方法は、このふたつに分かれます
化粧水を何度もつけてしっとりさせても、時間がたつと乾いてしまうのはなぜ? ここを読むとその理由がわかります。
補水 =水分を与えて細胞をふっくらさせること
乾燥した肌表面の角層に水分を補って、肌を柔らかくし、細胞に水を届けること。主に化粧水の役割です。
「元々人の体の約60%は水分なので、水分を守る必要はあっても与える必要はない、というのは事実です。ただ、角層に不足した水分や水溶性の美容成分を肌に届けるという点で、化粧水を使うことには意味があります」(岡野さん)
【補水をかなえるアイテム】
主に化粧水や化粧液
【補水する成分】
水/ローズウォーターなどの植物蒸留水/幹細胞培養液/発酵代謝液/樹液 など
保湿 =水分が肌から蒸発しないように守ること
\こっちが大切/
「肌の角層には本来、水分が逃げないよう抱え込んで守る働きがあります。これが“バリア機能”で、同時に外敵から肌を守る役目も果たします。ただし年齢や環境、ストレスなどによってバリア機能は低下しがち。それを補助するのが保湿ケアというわけです。程度の差はあれど、塗るスキンケア全般に保湿効果があります」(近藤さん)
【保湿をかなえるアイテム】
スキンケア化粧品全般
【保湿する成分】
スクワラン、ワセリン、ミネラルオイル、シア脂、馬油、グリセリン など
『美的』2021年11月号掲載
撮影/松本拓也(背景) イラスト/浅生ハルミン 監修/岡野利彦(カラーズ)、近藤和裕(Nuzzle) 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
スキンケアを中心とした化粧品の研究開発に約20年携わる。成分・処方の高い専門性をもち、サイエンスと植物の可能性を追究。