そもそも乳液ってなに?効用は? どうやって使うの?|美容家の小林ひろ美さんが徹底解説
最近の読者調査から、「実は、乳液って、もってるけどあんまり使わない…」人が多いという、驚きの事実が!乳液には、化粧水とも美容液ともクリームとも違う、特別な力があるんです。今すぐ取り入れてほしい、その仕組み、効能、魅力を深掘りします!
\ミルクの女王 小林ひろ美がガイド/ 魅惑の「乳液」ワールド
ようこそ、ミルクの王国へ。豊潤な美肌、味わえばきっと虜になりますよ
皆様ご機嫌よう、小林ひろ美です。私が乳液を初めて使ったのは3歳のとき。コーセーの「オーリック」という銘柄でした。ミルク瓶のような白いボトルを母が使っているのを見て、興味が抑えられず。使ってみたら、肌がふんわりと柔らかくなり、幼心にうっとりしたことを鮮明に覚えています。そこからミルク王国へ迷わず入国。以来、50年以上、乳液を使い続けています。
私にとって、乳液は肌の主食。スキンケアをシリーズで使い始めても、いつもいちばん先に乳液を使い切ってしまう程。家のあちこちに乳液が置いてあります。
乳液の最大の魅力は、水分と油分がバランス良く混じり合っていること。この“バランスが良い”というのがキモで、油分が多いクリームよりも、油分100%のオイルよりも、断然使い勝手がいいんです。もう少し詳しく説明すると、私たちの肌を包む天然の保湿ヴェール“皮脂膜”は、だいたい水分7:油分3のバランスが理想だといわれています。乳液はいわば肌に元々ある潤いの“そっくりさん”。だから違和感なくなじんでくれるんですね。たっぷり塗ってもベタベタしないし、肌を柔らかくほぐしてくれる。肌にとことん寄り添う“内助の功”が得意なアイテムなんです。
もし、あなたが乳液の魅力をまだ味わっていないのならば、ひとつだけアドバイスがあります。それは、プチプラ価格のもので良いので、何本か試してみてほしいということ。乾燥肌、オイリー気味…と肌に個性があるように、乳液にもこっくりしたものからみずみずしいものまでバリエーションがあります。「私の肌にはこのくらいの感触のものが合う」という理想の相性を知ってほしいと思います。これからのアイテム選びが的確になりますし、何よりも相性の良い乳液は、肌への含みがバツグン!乳液でしか作れない、柔らかくてジューシーな優しい感じのふっくら肌をぜひ体験してみてください。“運命の1本”と出合えたなら、あなたの一生の味方となってくれるはずですよ。
私が長年の間に編み出した、乳液の使いこなしテクニックを紹介します。朝の洗顔に始まり、メイク直しから夜のクレンジング、スペシャルケアまで…乳液って、本当にマルチな美容効果をもった素晴らしいアイテムなんです!
「乳液」Q&A
そもそも乳液って?
水と油がバランス良く混じったミルク状の保湿剤。肌の組成に近いから、一体化するようになじみます
私たちの肌の表面は、汗(水分)と皮脂(油分)が混じった「皮脂膜」で覆われています。個人差はありますが、水分7:油分3の比率が、理想的な皮脂バランスとされています。乳液は、コスメの中で最もこの比率に近い状態で水分と油分が混じり合った(乳化=ミルク状に白濁している)もの。だから、肌への親和性が高く、一体化するようになじみます。
乳液の効用って?
マルチな美肌機能。これを使わないなんてもったいない!
1.柔らかくほぐす
水分と油分をバランス良く与えて潤すことで、乾いて固くなりがちな角層を柔らかくほぐします。これは化粧水や美容液ではなかなか得られない、乳液ならではの効果。
2.ベタつきなくしっとりさせる
肌によくなじみ、のびも良いのでベタベタしにくいのが特徴。それでいて油分を程よく含んでいるので、なじんだ後はしっとりと潤います。
3.潤いのフタとなる
クリーム程ではありませんが、乳液も油分を含んでいるので、肌の上に潤いのヴェールを形成。軽やかな使い心地で、保湿効果が持続します。
4.汚れを優しく取り除く
肌が乾燥すると、本来剥がれ落ちるべき古い角層が肌の上に張りついた状態に。乳液で柔らかくほぐすことで、不要な角質をそっと浮かし落とすソフトピーリング効果が。毛穴も詰まりにくくなります。
5.次に使うアイテムのなじみを高める
肌を柔らかく整えることで、次に使うコスメのなじみが良くなり、美容成分の浸透もUPするブースター効果が(特に、洗顔後すぐに乳液を使う「先行型乳液」でこの性質が発揮されます)。
6.ふっくらとハリを出す
乳液をなじませた後の肌は、潤いで満タンに膨らんでいる状態。ふっくらもちもちとして、弾力やハリも高まります。
どうやって使うの?
化粧水→美容液の後、クリームの前に手でなじませるのが基本です
アイテムによって使う順番や使用量が異なることがありますが、まずは基本の使い方をマスターしましょう。朝晩のお手入れで、化粧水や美容液など“水”っぽいものを使った後、乳液を重ねます。クリームやアイクリームなどの“油”系はその後に。
【基本の使い方】
量は十円玉大
基本は1回このくらい。ただ、乳液はアイテムによってリッチ度合いがかなり異なるので、重いと感じる場合は量を減らして。
手のひら全体で内から外へ
両手を擦り合わせて手のひら全体に広げてから、顔の内から外へとなでるようになじませます。その後、目の周りなど細かい部分に。
ミルクの美肌女王 小林ひろ美さん
美容家。美・ファイン研究所代表。トレードマークでもある白くもちっとした柔肌は、毎日の乳液を使ったお手入れのたまもの。
『美的』2022年5月号掲載
撮影/青柳理都子(人物)、河野 望(静物) ヘア&メイク/相馬久美子 モデル/そのこ イラスト/藤原千晶 構成/もりたじゅんこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。