健康・ヘルスケア
2022.1.13

眠れないときは寝なくてもいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「睡眠」について。眠れないときは寝なくてもいいってホント? Emma Sleep Japan カントリーマネージャーの小原さんにお話を伺いました。

Q:眠れないときは寝なくてもいいってホント?

睡眠の悩みを抱えている人が多い日本。「睡眠不足」や、「スッキリ起きられない」、「寝ても疲れが取れない」などさまざまな悩みがある中、「夜なかなか眠れない」という悩みも多いようです。では、眠れないときは無理に眠る必要はないのでしょうか。さっそく、この疑問を小原さんに聞いてみました。

A:ウソ

「睡眠不足で良いことはひとつもありません。眠くならないのは睡眠サイクルが乱れていたり、不安があったり、ということが原因として考えられます」(小原拓郎さん・以下「」内同)

眠くならない原因は…

「眠くならないというのは、夜ふかしが習慣化していたり、週末の寝だめなどによって睡眠サイクルが乱れているということが考えられます。規則正しく寝ても、慢性的に眠くならないという症状が続く場合は、不眠症の可能性もあるので、専門家に相談してみるのもいいかもしれません。

ほかにも、メンタル面の影響で眠れないということも考えられます。過度のストレスや不安があることでも、寝付きは悪くなります。心理的ストレスは交感神経を活発化し、副交感神経を抑制することで睡眠を妨害してしまいます。不安があるときは、そのことに意識が集中してしまい、眠れないということになります。

そして、飲酒も眠くならない原因となる可能性もあります」

睡眠不足のデメリット

「眠くならないからといって、眠らないと、寝不足になってしまいます。睡眠不足によるデメリットは心や体に広く影響するものです。日中の集中力の低下や、常にイライラした心理状態になるなどの精神面への悪影響もあります。そして、身体的な面でのデメリットは疲労感や倦怠感、生活習慣病のリスクが増大すること、太りやすくなるなどという問題もあります」

寝付きを良くする方法は?

「なかなか眠れない、寝付きが悪いという人に試していただきたい、寝付きが良くなる習慣がいくつかあるので、試してみてください」

◆睡眠中は照明を消して、真っ暗にする
「まずは照明について。寝る直前まで蛍光灯などの明るい光のもとにいると、眠くなりにくいです。そのため、寝る2時間前くらいから照明を暖色系の少し暗めなものにすることで、リラックスして、眠りにつきやすい状態になります。
そして、眠るときは部屋の照明を消して、真っ暗にするのが理想です。部屋が暗いことで、睡眠ホルモンと言われているメラトニンが分泌され、スムーズに入眠することができます。真っ暗が不安という人は、直接視界に入らない位置に間接照明を置くという方法でも良いと思います。月灯くらいであれば問題ないので、薄いカーテンのみで、外の光が入るようにするという方法でも大丈夫です。ただ、街頭の光が入ってくる場合はシャットアウトしたほうが良いでしょう」

◆食事は寝る3時間前までにとる
「寝ている間も胃腸は活動を続けています。そのため、就寝直前などに何かしら食べてしまうと、胃腸の中に食べ物が残り、消化活動をしながら眠ることになります。そうすると、熟睡できず、睡眠の質が低下する恐れもあります。
どうしても夕食を食べる時間が遅くなった場合は、消化の良い汁物や野菜を食べ、胃腸の活動を抑えた状態で眠りにつけるようにするのがおすすめです。
睡眠中は汗をかくので、寝る前に水分補給をするというのはOKです。しかし、そのせいで夜中や朝方に目が覚めてしまうという人は、控えるようにしましょう。個人差はありますが、寝る前の水分補給は多くてもコップ1杯程度に留めるようにしましょう。逆に朝起きて、尿の色が濃い人は脱水症状の可能性もあるので、水分補給をしてから眠るのも良いかもしれません。水分といってもアルコールやカフェインなどの利尿作用が高まるものや、覚醒作用があるものは控えるようにしましょう」

◆シャワーだけですませず、しっかり湯船に浸かる
「お風呂はシャワーだけですませる、という人もいるかと思いますが、入浴は快眠にとってとても大切な役割があります。スムーズに入眠するためには、睡眠時に深部体温が下がるということがポイントになります。効率良く深部体温を下げるには、就寝の12時間前に湯船に浸かって、深部体温を上げておくと、質の良い眠りにつくことができます。
湯船に浸かる時間がない場合でも、寝る30分から1時間までには入浴をすませるようにしましょう」

◆寝る前に軽い運動をする
「寝る30分くらい前に、軽いストレッチやヨガなどをして深部体温を上げると、眠る頃にちょうど深部体温が下がりはじめます。人の体は深部体温が下がるにつれ、眠くなるので、スムーズに入眠できることが期待できます。
ただ、激しい運動をしてしまうと深部体温が下がるまでに時間がかかり、入眠の妨げになるので、避けるようにしましょう」

◆朝起きたらまず太陽の光を浴びる
「朝起きてすぐに太陽の光を浴びることで、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制され、覚醒ホルモンのセロトニンの分泌が増大します。メラトニンが再分泌されるのは、朝日を浴びた約14時間後と言われているので、就寝時間から逆算して朝日を浴びることで、夜は寝付きやすくなります。
日光を浴びることで、体内時計も整い、正しい睡眠習慣が身につきます」

Point

・睡眠中は照明を消して、真っ暗にする

・食事は寝る3時間前までにとる

・シャワーだけで済ませず、しっかり湯船に浸かる」

・寝る前の軽い運動

・朝起きたらまず太陽の光を浴びる

年を取ると睡眠時間が減るって言うけど…?

「“年を取ると睡眠時間が短くなる”なんて話も聞きますが、アメリカのNational Sleep Foundationのデータによると、70代でもそこまで急激に睡眠時間は減っていません。さらに7時間は睡眠時間が必要と言われていますので、大人に必要な睡眠時間は年を取ったからと言って、あまり変わらないようです」

Emma Sleep Japan カントリーマネージャー

小原拓郎

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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