健康・ヘルスケア
2021.9.27

塩分を摂り過ぎると太るってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「ダイエット」について。塩分を摂り過ぎると太るってホント? 「食べるダイエット」を基本とし、食事コンサルティングも行っているパーソナル管理栄養士の三城円さんにお話を伺いました。

Q:塩分を摂り過ぎると太るってホント?

ダイエット中、味付けを塩だけにしたりしてカロリーコントロールする人も多いようです。しかし、この塩も、太る原因になるのだとか…本当でしょうか。三城さんに聞いてみました。

A:ホント

「塩分を摂り過ぎると、痩せにくい体になっていきます」(三城円さん・以下「」内同)

塩分を摂り過ぎるとなぜ太る?

「体には、細胞の内側と外側の塩分濃度を一定に保つという機能があります。細胞の内側が水分で満たされていれば、肌のうるおいやハリなど良い状態としてあらわれます。しかし、体内の塩分濃度が濃くなると、薄めようとして水分を送り込みます。そのため、血流量が増え、血管外の組織に水分を溜め込むようになります。そうすると、さらに細胞の中と外の水分バランスが乱れてしまいます。その結果、細胞と細胞の間(細胞間質)に水が溜まってしまい、いつまでも外に排出されない状態が“むくみ”といわれています。むくんでいる状態というのは、余分な水分が排出されないため、結果として体重も増えるということにもつながります。

水分の排泄は、主に尿で行われます。尿は血液から作られますので、むくみの原因となっている水分をリンパ管より吸収して血管内に戻さないと、むくみは改善されず、水分代謝もうまくいかず、痩せにくい体になっていきます。そのため、それを放置していると太る、という負のスパイラルに。

実際に塩分摂取量が増える食習慣の場合、カロリー過多の場合も多く、過体重または肥満になるリスクも高まると言われています」

そのほかの塩分過多によるダイエットのデメリット

「味が濃いものは、噛まずに飲み込んでしまいやすい、という傾向があります。味が濃いものや油が多いものは、口に入れた瞬間においしいと感じやすいため、舌で奥に流し込んでしまうのです。そうすると、咀嚼の観点からも良くないですし、噛み砕かれない状態で胃や腸に届くため、消化器官にも負担をかけてしまうことになります。

噛まずに早く飲み込んでしまうということは、早食いにもなり、気づかぬうちに結構な量を食べてしまいます。そして、結果的に塩分も摂り過ぎる、ということになりがちです」

  • 味が濃いものは、あまり噛まずに飲み込み込んでしまう傾向あり
  • 噛まずに食べると消化器官にも負担がかかる
  • 早食いになると、食べ過ぎることで塩分も摂り過ぎる

塩分の摂り過ぎってどのくらい?

「日本人の食事摂取基準2020年版によると、塩分は女性で6.5g未満、男性だと7.5g未満とされています。ラーメンであれば、スープまで飲み干してしまったら、あっさりオーバーしてしまいます。味噌汁でも、味噌の量が多い場合、1杯で1g程度の塩分が入っています。そのため、ほかの主食やおかずと合わせて食べると、1食でも少なくとも23g程度の塩分摂取量になります。それを考えると、主食はそもそも塩分がほとんど含まれていないお米系を選ぶ、などといった工夫をするのがおすすめです。おかずも具材の旨味を活かしたものを選んだり、ドレッシングなど、あとからプラスする調味料の量も気をつけるようにしましょう。味噌汁も具をたくさん入れて、旨味を引き出す、出汁をしっかりきかせることで自然と味噌の量を減らすことができ、少しの量で満足いく味に仕上がりますよ!
最初は薄味かも?と思う程度で、あとから旨味を感じられるような塩味の使い方が、ダイエットにも効果的です」

パーソナル管理栄養士
一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会 代表理事
食の相談窓口 San-CuBic 代表
HER-SELF女性の健康プロジェクト 理事

三城円先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事