おりもののニオイが急に強くなると細菌性膣炎の可能性があるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“デリケートゾーン”について。おりもののニオイが急に強くなると細菌性膣炎の可能性があるって…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニックの福山千代子先生にお答えいただきます。
Q:おりもののニオイが急に強くなると細菌性膣炎の可能性があるってホント?
普段はサラッとしているおりものが排卵日近くになると、粘り気のある形状になったり…おりものを体のサインや健康のバロメーターとしてチェックするという人も多いですよね。このおりものですが、急にニオイが強くなると、細菌性膣炎の可能性があるのだとか。本当なのでしょうか。
さっそく、この疑問を福山先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ホント
「おりものは、通常は透明または乳白色で、膣の中の乳酸菌によって酸っぱいニオイがするのが通常です。しかし、魚が腐ったような生臭いニオイなど、明らかにいつもとは違う場合は、細菌性膣炎の可能性があります」(福山先生・以下「」内同)
- ・正常なおりものは、透明または乳白色
- ・膣の中の乳酸菌によって酸っぱいニオイがする
- ・魚が腐ったような生臭いニオイがする場合は、“細菌性膣炎”の可能性がある
細菌性膣炎とは?
「睡眠不足や疲れ、デリケートゾーンの洗いすぎなどによって免疫力が弱まってしまうと、普段から膣内にいる細菌のバランスが崩れてしまいます。その結果、膣炎を起こす細菌が増殖し“細菌性膣炎”を引き起こすことがあります。細菌性膣炎の場合、ニオイのあるおりもののほかに、量が増える場合もあります」
細菌性膣炎は、自己判断できる?診断方法は?
「細菌性膣炎は、自己判断することは難しいです。正確な診断方法は、膣分泌物培養検査を行います」
治療法は?
「クリニックによってさまざまですが、当院では膣内を洗浄し、薬は抗生剤の膣錠を1週間程度挿入します。性交経験がなく膣錠の挿入が難しい場合は、内服薬が処方されることもあります。症状が改善していれば治療は終了です」
Point
・細菌性膣炎の治療法は、膣の洗浄と、抗生剤の膣錠を1週間程度膣に挿入する・性交経験がなく、膣錠の挿入が難しい場合は、内服薬を服用する
・症状が改善していれば治療は終了となる
STDは自己判断できる?診断は?
「STD(性感染症)は、細菌性膣炎同様に自己判断することは難しいでしょう。正確な診断方法はSTDの場合、病気ひとつひとつに対して検査を行います」
感染者が多いSTDとは?
「日本でいちばん感染者が多いSTDは、性器クラミジア症といわれています。性器クラミジア症は、感染しても約80%の人が無症状のため、多くの人に自覚症状ありません。そのため、感染していても気がつかず、知らないうちに感染を広げてしまう、パートナーとの間でピンポン感染を繰り返すというケースもあります。
性器クラミジア症の怖いところは、進行するにつれ、症状が進んでしまうこと。子宮頸管から卵管までを経由し、子宮付属器炎や骨盤腹膜炎、さらには卵管性不妊や子宮外妊娠の原因になることもあるのです。
STDは、病原菌を含んだ精液や膣分泌液が口や粘膜、皮膚に触れることで感染します。性器クラミジア症を含め、STDを予防するには、コンドームを使用して、精液や膣分泌液、血液が、口や粘膜に触れるのを防ぎましょう。また、症状があるからクリニックへ行くのではなく、定期検診を受ける習慣をつけることが大切です」
- ・日本でいちばん感染者が多いSTDは、性器クラミジア症
- ・性器クラミジア症は、感染しても約80%の人が無症状のため、多くの人に自覚症状がない
- ・進行して症状が進むと、子宮付属器炎や骨盤腹膜炎、さらには卵管性不妊や子宮外妊娠の原因になることもある
- ・性器クラミジア症を含めたSTDは、病原菌を含んだ精液や膣分泌液が口や粘膜、皮膚に触れることで感染する
- ・STDを予防するには、コンドームを使用して精液や膣分泌液、血液が、口や粘膜に触れるのを防ぐこと
- ・定期検診を受ける習慣をつけることが大切
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本産科産婦人科学会専門医。金沢医科大学卒業。クリニックは、医師をはじめ全て女性スタッフで構成されており、更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS) などの治療も積極的に行っている。女性ホルモンに影響され様々な不調や悩みを抱える女性の生き生きとした生活を応援しています。
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