健康・ヘルスケア
2021.5.5

気になるお口のニオイの原因とは? 中高年男性よりも若い女性の方が口臭がキツいって本当!?【女医に訊く#156】

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マスクの中に漂う自分の口のニオイが気になったことはありませんか? 日本人女性の口臭について、女性のための口臭専門クリニック「東京ブレスクリニック」院長の上田恵子先生に教えていただきました。

中高年男性よりも若い女性の方が口臭がキツい!?

みなさんは自分の口のニオイに自信はありますか? 2015年、米国と欧州出身の在日外国人100名を対象に実施した『オーラルケアの実態に関する意識調査』によると、「日本人の口臭にガッカリした経験がある」と回答した人は約7割(オーラルプロテクトコンソーシアム調査)! 実に多くの在日外国人が、公共交通機関の中や勤務先などで、日本人の口臭にガッカリした経験があるのです。

「日本人の口は臭いです。会社や学校で、きれいな息のつくり方は習わないですよね? 歯を磨いておけばいいのではないか…というレベルの認識なんです」と話すのは、女性のための口臭専門クリニック「東京ブレスクリニック」で院長を務める日本口臭学会認定医の上田恵子先生。

「とはいえ、口臭がキツいのは中高年男性でしょ?」と思ったら大間違い。『口臭白書2019』調査によると、口臭測定スコアにおいて基準値(口臭測定スコア50)をオーバーした人の割合は、男性8.3%に対し、女性は17.9%と、女性の方が2倍以上の割合に! しかも、性年代別に見ると「中高齢層(40~69歳)の男性」9.3%に対し、「若年層(20~39歳)の女性」は11.5%で、中高年の男性より若い女性の方が、口が臭うことがわかったのです。

口臭の主な原因は虫歯や歯周病ではない!?

「ただし、口臭測定器で測れるのは、あくまで息を吐いた瞬間のガスのニオイ。一日中同じガスを出すわけではありません」と上田先生。

上田先生によると、口臭には大きく分けると、病気によって起こる「病的口臭」と、健康な人でも起こる「生理的口臭」の2種類があり、「病的口臭」は虫歯や歯周病など歯科的なもの、耳鼻咽喉科領域のもの、内科的(全身的)なものに分かれるとのこと。

一方、「生理的口臭」には、起床時口臭、空腹時口臭、疲労時口臭、緊張時口臭、飲食・喫煙による口臭、嗜好物・飲食物・薬物による口臭、ホルモンの変調などに起因する口臭、加齢による口臭、体調不全時の口臭があり、生活のリズムや習慣、精神的状態に応じて口のニオイが発生し、一日の中であったりなかったりするそう。

「口臭=病気と思われがちですが、実際には、口臭の治療を受診される患者様のほとんどが、歯を磨き倒しているため虫歯や歯周病などはまったくなく、生理的口臭が強く出ている方が多いのが現状です。みなさん“口臭を気にしている”というのが症状なのです」(上田先生)

女性の口臭が男性よりもキツくなりやすいのはなぜ?

では、なぜ女性は男性よりも口臭がキツくなりやすいのでしょう? 上田先生によると「女性の方が男性よりも生涯ストレスが多い」ことが起因しているようです。

「女性の場合、思春期から生理が始まりますし、その後も妊娠や出産、更年期など、一生を通じてホルモンの変調をきたします。それに加え、結婚したり妊娠したり出産したり育児したり介護をしたり、さらに、お仕事などもしたら、これはもう24時間勤務状態! いろいろなところに目を配らせておかなければなりませんし、慢性的なストレスを抱えやすく、口臭が起こりやすいと思います」(上田先生)

口臭は生活習慣やストレス、飲食物など、さまざまな原因で引き起こされます。正しいケア方法を身につけて、口臭を防ぎましょう。

日本口臭学会認定

上田恵子先生

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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