健康・ヘルスケア
2021.3.3

どうして予防接種を受けると感染症にかかりにくくなるの?ワクチンでどんな病気が防げる?【女医に訊く#148】

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2月17日から医療従事者等への新型コロナウイルスワクチンの接種がはじまりました。4月ごろには、高齢者や基礎疾患を有する方等への接種も行われる見込みです。予防接種とはどういうもので、どんな種類があるのでしょうか? 予防接種およびワクチンについて、日本感染症学会感染症専門医の源河いくみ先生にうかがいました。

どうして予防接種を受けると感染症にかかりにくくなるの?

百日せき、はしか、インフルエンザ、新型コロナウイルス……感染症のなかには、命に関わるものや後遺症を残す恐れのあるものがたくさんあります。予防接種はこうした感染症にかかりにくくするもの。感染症から自分や自分の大切な人たちの命を守るための、効果の高い手段のひとつです。

「予防接種が感染症を予防する機序についてわかりやすく言うと、毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素をあらかじめ投与しておくことにより、その病気に対する免疫をつけるものです」と語るのは、日本感染症学会感染症専門医の源河いくみ先生。

免疫とは、体内に病原菌や毒素その他の異物が侵入しても、それに抵抗して打ちかつ能力のこと。予防接種は、「免疫をつくる種(たね)=ワクチン」を注射したり皮膚に付けたりして、その病気に対する免疫力をつくるのです

予防接種にはどんなものがある?

「ワクチンは病気に合わせてつくりますが、大まかに分けて生ワクチンと不活化ワクチン、およびトキソイドの3種があります」と源河先生。

生ワクチンは、ウイルスや細菌など、生きた病原体がもっている力を極めて弱くしたもの。代表的な生ワクチンは、麻しん(はしか)、風しん、MR(麻しん風しん混合)、おたふくかぜ、水痘(みずほうそう)、BCG(結核)、黄熱病などのワクチンがあります。予防接種することで、その病気に自然にかかった状態とほぼ同じ免疫力をつけることができます。

「軽くかかった状態というと怖く感じるかもしれませんが、症状が出ないくらい、かつ免疫ができるくらいまで病原性を極力落としています。免疫に働きかけて治る力をつくるのがワクチンですから、ワクチンでその病気が発症することについては、治療などで免疫が低下している状態でない限りは、ほとんど心配しなくていいと思います。副作用の可能性については、改めてお話します」(源河先生)

同じ感染症に対して数回に分けて接種するのはなぜ?

不活化ワクチンはウイルスや細菌から病原性を無くし、免疫を作るための必要な成分だけを製剤にしたもの。DPT-IPV四種混合(D:ジフテリア・P:百日せき・T:破傷風・IPV:不活化ポリオ)、DT二種混合(D:ジフテリア・T:破傷風)、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、肺炎球菌などのワクチンがあります。

一方、トキソイドは細菌がつくる毒素を取り出し、免疫がつくれるくらいの働きだけにしたもの。不活化ワクチンとして分類されることもあります。

「破傷風やジフテリアのワクチンはトキソイドです。不活化ワクチンもトキソイドも、生ワクチンに比べて免疫力がつきにくいので、2回〜5回に分けて接種します」(源河先生)

予防接種には何回かにわたって受けなければいけないものあります。接種の機会を逃さないよう、それぞれの予防接種の目的や摂取回数、注意事項などを正しく理解して受けましょう。

 

日本感染症学会感染症専門医

源河いくみ先生

東京ミッドタウンクリニック勤務。医学博士。日本内科学会総合内科専門医。日本感染症学会感染症専門医。日本大学医学部卒業後、国立国際医療研究センターの感染症科勤務を経て2007年より現職。
文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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