“冬季うつ”って病気があるって本当?真相を心身医療内科専門医に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「冬季うつ」について、牧野クリニック心身医療内科専門医の牧野真理子先生に質問。冬になると「イライラする」「なんだか気持ちが落ち込む」など情緒不安定な状態になる人がいますが、これは“冬季うつ”という病気だというのは本当? さっそく牧野先生に真相を直撃してみました。
Q:冬季うつって病気があるって本当?
冬になると「イライラする」「なんだか気持ちが落ち込む」など情緒不安定な状態になる人がいます。そして、これは“冬季うつ”という病気だという話を耳にします。そんな病気が本当にあるのでしょうか? 牧野クリニック心身医療内科専門医の牧野真理子先生に聞いてみました! 牧野先生のお答えは……?
A:本当です!
「“冬季うつ”は病気です」(牧野真理子先生・以下「」内同)
冬季うつの症状は?
「冬だけでなく、環境の変化や新しい人間関係に適応が認められるような時期には季節を問わず自律神経は乱れます。
冬は寒暖差が大きく、期末の多忙さなどによる仕事のストレス、学生であれば受験など、心理的ストレスによって自律神経が乱れやすい時期です。特に冬季にうつになる状態(まれに夏にうつになることも含む)を季節性うつ病(seasnal affective disorder:SAD)といいます。
冬になると決まって眠くて、だるくてたまらない、理由もなくなぜか気分が落ち込み、寝ても寝ても寝足りない。そして炭水化物を食べたくてしかたない。ところが春になるとウソのように元気になる。そんな症状がある人は“冬季うつ”かもしれません。
一般的なうつ病と季節性うつ病(冬季うつ病)は症状が異なります。落ち込みという状態は共通していますが、うつ病は身体症状としての不眠、食欲低下が特徴です」
季節性うつ(冬季うつ)の予防法は?
「体を冷やさないことや日光を浴びることが有効です。私は“冬季うつ”の研究もしており、光療法をラット(ネズミ)に施行して脳内のモノアミンの動きを見てみました。すると光を当てるとラットはセロトニンやドーパミンが増えて元気になりました。このことからも、日光を浴びることが大切なのがわかります。
ビタミンB12を積極的に摂るのもおすすめです。ビタミンB12は光の感受性を高めることがわかってきています。食品では、のり、牡蠣、シジミなどの貝類、いくら、サンマなどの魚類、牛、豚、鶏レバーなどに含まれています。卵、牛乳もよいでしょう」
文/野邑みえ(all the way)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
牧野クリニック 心療内科 診療部長。医学博士。心身医療内科専門医。優秀臨床専門医。北里大学医学部、メルボルン大学医学部大学院卒業。働く女性たちのメンタルヘルス事情に通じ、摂食障害やうつ病の治療に取り組む。患者自身が悩みの解決法を見つけられるよう、親身なカウンセリングでサポートしている。
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