日照時間が短いと“冬季うつ”になりやすいって本当? 心身医療内科専門医を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「冬季うつ」について牧野クリニック心身医療内科専門医の牧野真理子先生に質問。日照時間短いと“冬季うつ”になりやすいって本当? さっそく牧野先生に真相を直撃してみました。
Q:日照時間が短いと“冬季うつ”になりやすいって本当?
最近よく耳にする “冬季うつ”。日照時間と深く関係していて、日照時間短いと“冬季うつ”になりやすいとも聞きます。それって本当? 牧野クリニック心身医療内科専門医の牧野真理子先生に聞いてみました! 牧野先生のお答えは……?
A:本当です!
「太陽の光を浴びる機会が少ないと自律神経が乱れやすくなるので、カナダ、北欧などでは “冬季うつ”の患者さんが多いといわれています。 “冬季うつ”は、私のイメージでは冬眠に似ているのかな、と思います。たくさん食べてよく眠って春に備える熊のような状態ですね。病気ということではありますが、生体の防衛反応かもしれませんね」(牧野真理子先生・以下「」内同)
ライトを浴びたりすれば予防できる?
そうはいっても冬は日照時間が短いですし、地域によっても日が暮れるのが早かったりします。日光の光ではなく、ライトなどの照明を代用してもよいのでしょうか。
「そうですね、“冬季うつ”の治療は大量の光を浴びることによって治っていきます。ですから、予防のために量販店で光療法用のライトを購入し、タイマーを合わせて起きる30分前くらいから光を浴びるようにすると、“冬季うつ”の予防になりますよ」
“うつ”と“冬季うつ”の治療は違うの?
「 “うつ”の治療に処方する抗うつ薬は“冬季うつ”にも有効です。“うつ”にも光療法は効果があるのですが、“冬季うつ”はビタミンB12などの成分を含んだ食事療法も必要なので、この点が違いますのね」
夏でも“冬季うつ”はある?
「あります。まれですが、夏も体温調節などが困難なため発症する人もいらっしゃいます。ですが、症状は同様でもこちらの病名は“夏季うつ”になります」
仕事に行きたくないのは “冬季うつ”の予兆?
「たとえば仕事が行かなくてはいけないのに、単純に気が乗らない、サボりたいという場合、遊びの予定や楽しいと思えることであれば起き上がれるはずなんです。一方で本当に起き上がれなくなってしまう場合は、体と心がSOSを発している可能性があります。一度クリニックなどへ相談に行くとよいでしょう」
“冬季うつ”って病気があるって本当? 心身医療内科専門医を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】[btk_sh_reated_article_sub url="https://www.biteki.com/life-style/wellness/720974"]記事を読む[/btk_sh_reated_article_sub]
文/野邑みえ(all the way)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
牧野クリニック 心療内科 診療部長。医学博士。心身医療内科専門医。優秀臨床専門医。北里大学医学部、メルボルン大学医学部大学院卒業。働く女性たちのメンタルヘルス事情に通じ、摂食障害やうつ病の治療に取り組む。患者自身が悩みの解決法を見つけられるよう、親身なカウンセリングでサポートしている。
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