健康・ヘルスケア
2021.1.3

新型コロナウイルスのワクチン、どう判断すべき?|「ワクチン」のメリットとデメリットを再確認!

今年猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症。ワクチン開発についてのニュースが連日のように流れていますが、どのように判断すれば良いのか、難しいところですよね。北里大学大村智記念研究所特任教授である中山哲夫先生に教えていただきました。

日本でも来年の春からワクチン実用化とか?どう判断すべき?

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新型コロナウイルスのワクチンに世界中が注目!

今世界中の関心を集めているのが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発。一般にワクチンの開発には10年単位の時間がかかるとされ、まだ日本で薬機承認されたワクチンはありません。一方、英米で開発中のワクチンは既に最終試験の段階。開発に成功したワクチンは日本へも供給予定で、早ければ来年の春には実用化という情報も!

実用化したら、美的世代もすぐ打つべき?

有効性や持続性がはっきりするまで待つべき!
「体内にできる抗体の中には、質のいいものと悪いものがあります。いい抗体はウイルスを中和するけれど、悪い抗体はマクロ ファージ(白血球の一種)にくっついてウイルスを取り込み、悪化することも。新型コロナのワクチンでできる抗体の質、持続性、感染防御の有効性などがわかるのは、実用化から数年先でしょう。ワクチン接種はそういった評価が固まるまで待つほうが良いというのが私の考えです」(中山先生)

インフルエンザワクチンを接種したら、新型コロナウイルスも抑えられる?

新型コロナの予防効果はナシ!重複感染のリスクは回避できる
「インフルエンザワクチンで新型コロナウイルスの感染や発症を防ぐことはもちろんできませんが、重複感染の予防や重症化リスクの軽減には役立ちます。また、インフルエンザの初期症状は新型コロナと似ているので、不安に駆られた患者が病院に押し寄せる可能性が考えられます。インフルエンザの予防接種を受けておくことで、万一、症状が出てしまった場合でも、診断をより迅速・正確にできます」

結局のところ、どのワクチンも接種しないとダメ? 接種しなくても大丈夫?ワクチン接種のメリットとデメリットを再確認!!

メリットとデメリットをしっかり比較検討し、「自分の体を自分で守る」ためにどう行動べきか正しい判断を!

Benefit メリット

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□ 感染症の発症リスクを軽減できる
病原体の病原性を弱めたワクチンを健康な体にあらかじめ打っておくと、そこで作られた免疫によって実際に病原体が侵入してきても体が守られ、感染しにくくなります。

□ 感染した場合の重症化を防げる
ウイルスや細菌に感染したとしても、免疫の力で重症化を抑えられます。インフルエンザワクチンや開発中の新型コロナウイルスはこのタイプ。

□ 他人に感染させるリスクを防げる
予防接種を受けて免疫を獲得していると、自分だけではなく、周りの人を感染から守ることになります。集団感染を防ぐことができ、地域社会全体を安定させます。

 

Demerit デメリット

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□ 副反応はゼロではない
ワクチンの接種後に熱が出たり、腫れたり、気分が悪くなったり…といった副反応が出ることがあります。ほとんどは生体反応である一時的な症状。重篤な副反応が起こるのは稀です。

□ 任意接種は費用負担が大きい
美的世代のワクチン接種は任意接種がほとんどで、費用は自己負担。インフルエンザで1回¥3,000〜5,000程度。妊婦のワクチン接種には助成が出る自治体も。

□ 接種したからといって絶対にかからないわけではない
インフルエンザワクチンを接種したのにかかったという人がいるように、ワクチンによる発症予防率は100%ではありません。

 

北里大学 大村智記念研究所 特任教授

中山哲夫先生

 

『美的』2021年1月号掲載
イラスト/どいまき 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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