健康・ヘルスケア
2020.5.15

浣腸や便秘薬にダイエットの効果がないってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

A:ホント

「下痢による一時的な脱水症状によって体重が落ちて痩せたように思えるだけで、体脂肪が落ちているわけではありません。おそらくダイエット目的の人の多くは即効性を求めて刺激系の浣腸や便秘薬を使用されているのだと思いますが、刺激系のものを長期に渡って使用すると腸が自力で動かなくなり、いずれ自然に排便できなくなる=頑固な便秘になる可能性が。お腹が張って苦しいなど身体に不調をきたすほどの人なら、まずはセンナ入りの便秘薬や漢方薬、便をやわらかくするマグネシウム系など、刺激系ではないマイルドなタイプで様子を見るのが良いと思います」(小林先生・以下「」内同)

 

浣腸や便秘薬の長期使用で太りやすい体質に…

「日常的に浣腸や便秘薬など強制的な排便に頼ると、身体にとって必要な栄養が吸収される前に排出されてしまうため、慢性的な栄養不足、肌荒れ、吹き出物、基礎代謝の低下などあらゆる不調が出現します。

さらに腸内に有害物質や悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなって老廃物が排出されず、下痢による脱水症状を緩和しようと水分を溜め込みやすい=むくみやすくなるので、食べてないのに太る・水を飲んでるだけで太るという悪循環な体質に…。
便秘外来でも、食事内容や運動には気を遣っているにも関わらず、便秘薬を常用しているせいで便秘がち&太りやすくなってしまっている方がよくいらっしゃいます。

便秘に悩んでいて体重増加を気にしているならば、まずは浣腸や便秘薬を中止して。そして納豆や味噌、ヨーグルト、キムチといった発酵食品(乳酸菌)のほか、可能ならば根菜類や豆類、めかぶやオクラといった食物繊維も積極的に摂って腸内環境を整えましょう! 腸内に善玉菌が増えてきちんと腸が動くようになれば栄養が吸収されるようになり、基礎代謝がアップすることにもつながります」

 

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小林メディカルクリニック東京
院長

医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京で理事長・院長。内科や皮膚科、アレルギー科を始め、便秘外来や人間ドッグなど全身の不調に対応した診療をおこなう。女性に多い便秘に対して医学的観点だけでなく食事や運動といった生活習慣からの指導により、便秘を健康的かつ根本的な改善へ導く”健美腸ドクター”としても名高い。著書に『医者が教える最高の美肌術」(アスコム)、女性の自律神経の乱れは腸で整える』(PHP研究所)など。 ■ 小林メディカルクリニック東京

取材・文/井上ハナエ

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