健康・ヘルスケア
2019.12.25

大掃除の天敵「カビ」や「細菌」…うようよと繁殖する菌はどうやって増える?

その除菌方法、合ってる!? 菌の増え方を学んでおけばもう怖くない! ウイルスや菌に詳しい細菌学教授の金子幸弘先生から菌の繁殖方法を教えてもらいました。

菌はどうやって増える?

湿度65%以上、温度25~30℃でエサ(栄養)があればうようよと繁殖

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冬でも環境が整えば、カビや細菌の温床に!
「カビや細菌は細胞分裂を繰り返し、2倍、4倍、8倍…と同じ細胞を作っていくことで、数を増やます。その細胞分裂を支える環境に必要なのが栄養、水、適切な。カビや細菌は常におなかをすかしているので、水アカ、食べカス、皮脂に含まれるたんぱく源やホコリなど、なんでもエサにします。水は、比較的乾燥状態を好むカビ(好乾性カビ)でも相対湿度65%程度は必要。増殖に最適な温度は25~30℃です。もちろん、それらの条件がそろう梅雨こそカビや細菌繁殖のピーク期。ただし、冬でも浴室や暖房を入れて加湿しリビングなどは、菌好みの環境になります。冬でもクロカビが発生するのは、そのためです」(金子先生)

 

カビや細菌が増殖しやすい環境

カビや菌の細胞はたんぱく質や糖質、脂質などの集合体。その合成には材料となる栄養と酵素が必要で、酵素は水を利用。酵素がうまく働くには、適した温度とpH環境も必要。

【エサ(栄養)】
カビや細菌にとっては家の中のあらゆる物質がエサ。特に人のアカ、食べカス、ホコリなどの汚れや、水に溶けるものが好物。

【温度】
一般的なカビや細菌は0~40℃で生育。最適条件は、カビで25~30℃、細菌は36~38℃。細菌性食中毒が夏に多いのはそのため。

【水】
一般的なカビは湿度80%以上、細菌は90%以上が必須条件。酸素の有無に関わらず、ある程度生きられる種類のカビや細菌でも65%以上は必要。

※pH
一般的なカビや細菌は、pH2~8.5が生育可能な範囲。pH4~6が最適で酸性寄り。細菌はpH5~9が生育可能で、pH6~8が最適値。

※酸素
カビの生育には酸素が必須。一方、細菌には酸素を必要としないものや、酸素があると逆に生きられない嫌気性の種類がある。

酸素を嫌うウェルシュ菌は煮込み料理の鍋底で増加!

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肉や魚介についたウェルシュ菌は大鍋で煮込んだ料理の鍋底付近など酸素濃度の低い所で増殖。加熱しても死滅しない。残った煮込み料理は迅速に10℃以下で保存し、温めるときはよく混ぜて空気をしっかり通すように。

 

 

ウイルスや菌について教えてくれたのは…
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大阪市立大学大学院 医学研究科細菌学教授 金子幸弘先生
かねこゆきひろ/長崎大学医学部卒。医学博士。同大学附属病院に勤務後、研究員として米国ワシントン大学、国立感染症研究所に所属。2014年から現職へ。自ら考案の「バイキンズカード」が話題。

 

『美的』2020年1月号掲載
イラスト/すぎうらゆう 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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