『ホワイトホワイト』恵比寿本店の院長であり、口もと美容スペシャリストとしても活躍。女性歯科医師ならではの、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクについてのアドバイスに定評が。著書『美しい口もと(ワニブックス出版)』では簡単にできる口もとエクササイズやオーラルケアを紹介している。 ■ オフィシャルブログ
ホワイトニングや研磨剤入りの歯磨きで歯が削れてしまうってホント? 真相を歯科医に直撃!【美容の常識ウソ? ホント?】
A:ウソ
「歯の白さを損なう主な原因は、飲み物や食べ物の色が歯の表面についた着色汚れです。歯を白くする研磨剤入りの歯磨き粉は研磨剤の粒子が着色汚れを落としてくれる作用がありますが、その刺激により歯が削れてしまうことはありません。
ただ、研磨剤はパワフルに汚れを落とせる分、歯の表面に小さな傷を作ってしまう可能性が。小さな傷がついた歯は今まで以上に着色汚れがつきやすくなるので、研磨剤入りの歯磨き粉を毎日使うのはオススメしません。研磨剤入りの歯磨き粉を使用するのはどうしても着色汚れが気になるときのみ、力をかけずにやさしくブラッシングするのが良いでしょう。
なお着色汚れが蓄積、加齢、喫煙習慣などによって歯が黄ばんだり茶色っぽく変色してしまうと、研磨剤入りの歯磨き粉で汚れを落とすことは難くなります。その場合はホワイトニングによって歯を白くするのがオススメです。
ホワイトニングは歯の漂白、というイメージから歯そのものまで溶かしてしまうと思われがちですが、歯科で使用しているホワイトニング用の薬はもともと歯周病の消毒薬として使われていたものと同じ成分から作られています。歯をきれいにするための治療として安全性が確立されていますし、歯を溶かすなどの作用はないのでご安心を」(石井先生・以下「」内同)
研磨剤入りの歯磨き粉が、歯のお手入れ不足を招く?
「歯ブラシを歯と歯茎の隙間に当てて小刻みに動かし、細部の汚れまで落とすのが正しい歯磨き方法ですが、研磨剤入りの歯磨き粉を使うことですみずみまで磨けてない方が多くいらっしゃいます。
その理由は、研磨剤の粒子が大きいため。歯の隙間に届きにくく実際は歯と歯茎の隙間汚れが取れていないということもありますし、人によっては研磨剤のザラつきで歯茎に痛みを感じて歯を磨く時間が短くなってしまうからです。研磨剤のパワフル磨き心地により“歯をきれいにした“と達成感を得られるかもしれませんが、歯の細かい部分まで磨けていなければ意味がありませんよね。
夜だけでもいいので、歯磨きは最低でも10分は時間をかけていただきたいです。歯ブラシで磨いた後、歯間ブラシやデンタルフロスといったツールを使って歯ブラシでは磨ききれなかった部分まできれいに磨き、その日のうちに汚れを落とすように心がけましょう」

取材・文/井上ハナエ
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