健康・ヘルスケア
2019.10.2

肩こり・首こりで病院へ行ってもいいの?【女医に訊く#77】

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「肩こりで病院を受診するのは、なんとなく気が引ける……」と受診をためらってはいませんか? 肩こりの程度や症状によっては、病院で検査を受けた方がいい場合や治療を受けた方がいい場合もあります。整形外科医の小橋大恵先生にお話をうかがいました。

整形外科ではどんな治療を行うの?

「整形外科の良いところは、薬を処方してもらえたり、レントゲン、MRIなどの検査をしてもらえたりするところ。温めたり、運動したり、寝てみたり、湿布を貼ってみたり、マッサージをしてみても肩こり・首こりが治らないという場合は、一度、整形外科を受診してみてもいいと思います」と語るのは、整形外科医の小橋大恵先生。

肩こり・首こり患者に出される主な内服薬は、炎症を抑えて痛みを軽減させる消炎鎮痛剤と、筋肉の緊張を緩めて血流を改善する筋弛緩剤など。消炎鎮痛剤は市販もされていますが、筋弛緩剤は整形外科から処方されるものしかありません。

「湿布や塗り薬も安全性が比較的高くていいとは思いますが、どちらも薬を肌から吸収させるため、局所に作用するのは、ごく少量の薬なんですよね。一方、飲み薬は腸から吸収されるため、効き目も早い。全身的に効くのが内服薬で、局所に効くのが湿布なんです」(小橋先生)

すぐに効果が出るのは“注射”

肩こり、首こりがひどくなって、頭痛まで出てしまうような場合には、注射による治療も有効です。

「注射には、『筋肉注射』とよばれる筋肉へ注射するタイプと、『ブロック注射』とよばれる神経へ注射するタイプがあり、一般的に整形外科では、筋肉注射による治療が行われます。筋肉注射の主な薬剤は鎮痛剤やビタミン、局所麻酔剤の3つ。筋肉は血行が良いので、薬剤が消化されて腸から吸収されてから全身を巡る飲み薬よりも注射の方が効き目は早いです」(小橋先生)

一方、頑固で強い痛みやしびれなどがある場合は、ブロック注射を行うこともあります。これは、 痛みがある場所の神経や神経の周辺に局所麻酔薬やステロイドを注射することで、一時的に「痛みの情報」をブロックする治療法。患部の痛みを軽減させるだけではなく、血管の収縮や筋肉の緊張を抑えて二次的な痛みも取り除きます。

四十肩って何? 肩こりとどう違う?

四十肩とは、加齢により肩関節周辺の組織に変性が起こり、生じた炎症によって痛みが起こる「肩関節周囲炎」のこと。五十肩と言うこともあります。ある日突然、腕を動かしたときに肩に鋭い痛みが発生することが多く、ほとんどが片側の肩のみに症状があらわれます。

「肩こりは痛くても普通に肩は動きますが、四十肩になると痛くて肩が上がらないんです。40代の方で腕が90度より上がらないとか、後ろにいかないようなら、四十肩かもしれません」と小橋先生。

「四十肩は放っておいても1〜2年で治りますが、早く治したいという方は整形外科へ行くと、四十肩用の痛み止めの注射を打ってもらえたり、体操を教えてもらえたりできるのでおすすめです。体操は自分でできるものなので、通わなくても治すこともできます。なかには一度病院に来られて注射を打っただけで、半年後にはすっかり治ってしまう人もいました」(小橋先生)

痛みを我慢しすぎると、吐き気や頭痛を引き起こすことも。悪化する前にしっかり対処しましょう。

 

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整形外科専門医
小橋大恵先生
チームメディカルクリニック理事長。群馬大学医学部出身。「医師になるなら若いうちに救命救急を経験しておきたい」という思いから、大学卒業後は医局に入らず、全国の総合病院で救急の現場を経験。 筋・骨・靭帯・神経などの運動器と呼ばれる器官の外傷や病気の診察のほか、スマホの長時間使用等による、現代ならではの肩・首の不調に対する診察・アドバイスを行っている。チームメディカルクリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(小学館)

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