健康・ヘルスケア
2024.1.7

「老化防止」に効果的な食べ物とは?原因から栄養素まで

老化を防ぐおすすめの食べ物とは?まずが老化が起こる原因からチェック。老化を防止する栄養素、おすすめ&NG食材、調理法をご紹介します。体の中から老化を防ぎましょう!

老化が起こる「原因」

管理栄養士

釜野 菜帆さん

「活性酸素は、“ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素”のこと。呼吸による酸素摂取のうち、約2%が活性酸素になるといわれています。活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしていますが、増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃してしまいます。これを酸化といいます。体には、活性酸素から身を守るため、抗酸化酵素などによる防御システムが備わっていますが、年齢を重ねるにしたがって、日々の習慣やストレスで防御力が弱まり、反対に活性酸素のはたらきが強まって、体の各所に害(酸化)が起こってきます。これが老化を進める原因に。そのため、アンチエイジングを食で考える際には、抗酸化作用のある食べ物や飲み物がおすすめ、というわけです」(釜野さん・以下「」内同)

老化を防止する「栄養素」

「抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑えるさまざまな抗酸化成分の作用のことです。これには、細胞の酸化(老化)を防ぐ働きがあります。そして、一般に抗酸化作用がある栄養素として知られるものには以下の5つあります」

【1】「ビタミンC」

コラーゲンの生成を促す・抗酸化作用・メラニン色素の生成を防ぐ効果がある

【2】「ビタミンE」

肌を紫外線から守る働きがあるほか、肌荒れの改善や細胞の新陳代謝を促す効果がある

【3】「ポリフェノール」

老化の原因となる活性酸素を抑えてくれる

【4】「ミネラル」

抗酸化酵素の生成や活性を行う

【5】「カロテノイド」

色素の一種。抗酸化力が期待できる

老化を早める「NG」食べ物

\教えてくれたのは…久留米大学医学部教授 山岸晶一先生/
糖化研究の第一人者

「基本的にAGEは、食品に含まれる糖とたんぱく質の分子同士がくっつくことでできやすくなります。焼く、炒める、揚げるなどの高温調理では、分子と分子が頻繁にぶつかるためAGEが増加。電子レンジも同様です。また、果物を多くとる人にAGEがたまりやすいのは、同じ糖質でもブドウ糖より果糖のほうが10倍もたんぱく質とくっつきやすいから。こんな風に、糖の性質、分子と分子の距離や接触の頻度、こういったものがAGE化に大きく関わります」(山岸先生・以下「」内同)

【AGEと糖化とは】
糖化とは、糖とたんぱく質(アミノ基)が熱によって結合する化学反応のこと。糖化が進行すると体内でAGE(終末糖化産物)と呼ばれる“老化たんぱく質”が作られて、老化を早めます。体に活性酸素が過剰に発生して悪さをする酸化と並び、2大老化要因のひとつです。

アンチエイジングのためには“アンチAGE”を意識する
先日行われた村上農園主催のセミナー糖化のメカニズムと抗糖化のヒントでは、糖化研究の第一人者、久留米大学医学部教授の山岸晶一先生がレクチャー。

「糖化を抑える“抗糖化”は、アンチエイジングの重要なカギ。最近の研究では、AGEは活性酸素以上に体や肌を老けさせるのではないか、と考えられています。

AGEが体にたまると、将来的に糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞、がんなどの深刻な疾病につながる可能性が高まるだけでなく、身近なところでは、シミ・しわ・たるみ、薄毛など、美容面でもさまざまなトラブルを引き起こすというデータも多くあります」

老化を防止する「食べ物」

管理栄養士

釜野 菜帆さん

【1】「野菜」

  • パプリカ
  • ブロッコリー
  • 青菜類
  • トマト

「野菜の中でも緑黄色野菜には、コラーゲンの生成を促す・抗酸化作用・メラニン色素の生成を防ぐなどの効果があるビタミンCが含まれています。種類で言うと、パプリカ・ブロッコリー・青菜類・トマトなど。中でもパプリカは、カロテノイドと呼ばれる色素が多く含まれており、抗酸化力が期待できます。

カロテノイドは、カロテンとキサントフィルの2つのグループに分けることができ、老化を遅らせるには、キサントフィルのほうがより有効だと言われています。赤パプリカには、そのキサントフィルがたくさん含まれています。(ニンジンの約50倍、トマトの約100倍)また、ビタミンC量は野菜の中でも断トツで、ビタミンA(β-カロテン)やビタミンEも豊富に含まれる美肌食材です。(β-カロテンは体内でビタミンAに変わる栄養素)

また、トマトのリコピンは、優れた抗酸化作用をもつカロテノイド色素です。紫外線を浴びるとシミやそばかすができやすくなりますが、トマトに含まれるリコピンには、メラニン色素の生成を促進する活性酸素を抑える働きがあるといわれています。リコピンのほかにもビタミンA(β-カロテン)とビタミンCもしっかり含まれているのが特徴です。

そのほかにも、緑黄色野菜のアボカドに含まれるビタミンEには、肌荒れの改善や細胞の新陳代謝を促す効果があるため、若々しい肌を維持し、肌に潤いをもたらします。またビタミンEは、ビタミンAやCと一緒にとることで、その作用がさらに高まるというのも特徴です。また、上記に紹介しているビタミンCも含まれているため、さらにエイジングケア効果が高い食材といえます。ビタミンCには疲労回復や美白効果もあるので、美容にぴったりです」(釜野さん・以下「」内同))

【2】「フルーツ」

  • キウイ
  • イチゴ
  • 柑橘類
  • リンゴ
  • プルーン
  • ブドウ
  • レモン

フルーツの中でも、抗酸化作用のある栄養素を多く含む、柿・キウイ・イチゴ・柑橘類・リンゴ・プルーン・ブドウ・レモンなどがおすすめです。例えば、レモンに多く含まれるビタミンCの抗酸化作用は、老化予防に役立ちます。また、ビタミンCにはコラーゲンの合成を助ける働きもあるため、シワやたるみを防ぐ効果が期待でき、さらにメラニン色素の沈着を防ぐ働きもあるので、シミ予防にも効果的です。また、プルーン・リンゴ・ブドウには老化の原因となる活性酸素を抑えてくれるポリフェノールも含まれています」

【3】「肉・卵・大豆製品」

「肉・卵・大豆製品などには、たんぱく質が豊富。たんぱく質にはコラーゲンの材料となるアミノ酸が含まれるので、こちらもアンチエイジングにおすすめの食材です

【4】「海藻類・魚介類」

海藻類や魚介類には、抗酸化作用のあるミネラルが豊富です。魚にはタンパク質も多く含まれています」

老化を防止する食べ物を使ったおすすめ「調理法」

「食材によっては、加熱でビタミンが少なくなってしまうものがあります。ビタミンA・D・K・Eが含まれる食材は比較的熱に強いのですが、ビタミンCに関しては熱に弱いです。また、油も酸化してしまうので、加熱はおすすめしません。

紹介したビタミンCを含む食材としては、パプリカ・柿・レモン・キウイなどがあり、油の場合は、魚油・アマニ油・えごま油などがあります。基本的にはフルーツを食べる、または、生野菜サラダなどで、普段の食事で取り入れるのがおすすめです。肉・魚・卵などは、どのように調理しても大丈夫です

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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