健康・ヘルスケア
2019.2.13

正月明けに太るのは年末年始に食べ過ぎたせいで胃が大きくなったから?|女医に訊く#49

49

毎日たくさん食べ過ぎたせいで胃が大きくなったという話や、ダイエットで胃が小さくなったという話を聞いたことはありませんか? 私たちの胃は、食生活によって、物理的に大きくなったり小さくなったり、サイズが変わったりするのでしょうか? 消化器内科医の古川真依子先生にうかがいました。

食べすぎで胃が大きくなることは……ない!

 胃は食道から入ってきた食べ物を消化液と混ぜ合わせ、少しずつ十二指腸から小腸へと送る役目を担う臓器です。空腹時は細長くしぼんでいますが、満腹時には大きく膨らんで食べ物や飲み物を貯め込み、排出が終わるとまた元の状態に戻ります。

 「胃は伸びたり縮んだりしますが、食べ過ぎで胃のサイズ自体が大きくなることはありません。食べられる量を制しているのは、胃の大きさではなく、脳の満腹中枢です。腹10分目12分目まで食べる習慣がつけば、満腹中枢がその状態の胃に慣れてしまい、そこまで食べないと満足しにくくなります。そのため、胃が大きくなったと感じるのです」と話すのは消化器内科医の古川真依子先生。

 古川先生によると、年末年始は運動量が減るうえ、空腹の時間がないくらい食べ続けることも多いため、満腹中枢の働きが鈍くなりやすいそう。

 「お正月などに食べ過ぎて太ってしまった……というときには、まずはお腹が空いたら食べるという、規則正しい食生活習慣に戻していくことが大事。その後、腹8分目を心がければ、満腹中枢もその状態に慣れてきますよ」(古川先生)

満腹感を得るには、よく噛んでゆっくり食べるのがコツ

 年末年始で乱れた食生活で働きが鈍くなった満腹中枢を正常に戻すには、規則正しい食生活を送るほか、どのようなことに気をつけたらよいのでしょう?

 「1食のなかでいえば、野菜など糖質・脂質の少ないものを先に食べるか、炭酸水を先に飲んで、とにかく胃を膨らますのも手。あとは、とにかくよく噛んでゆっくり食べる! 早食いは満腹感を得られる間もなく、結局いっぱい食べてしまうので避けましょう」(古川先生)

痩せたいときこそ手軽に食べられるものは避ける

 古川先生によると、そもそもパッと早く食べられる物は、カロリーが高かったり栄養価が低かったりするので、ダイエットには不向きとのこと。では、食後に満腹感が得られず、もう少しだけ食べたいと思ったときはどうしたらよいのでしょう?

 「5分くらい待つと血糖値が上がってきて、その食欲は治まってきます。夜でしたら、歯磨きしたりお風呂に入ったりするのもいいですね。

 また、ダイエット中は間食は控えたいところですが、血糖値が下がりすぎると、頭がボーッとして仕事にも支障をきたす可能性があります。そんなときは、ノンシュガーの飴をちょっと舐めたり、チョコレートを少し食べたりすると、血糖値がパッと上がって動けるようになりますよ」(古川先生)

ダイエット成功の秘訣は3 日サイクルでの調整

 ダイエット中の食事制限でストレスが溜まったり、外食しても楽しくなくなったりして、挫折した経験はありませんか? ストイック過ぎるダイエットは長続きしません。古川先生によると、ダイエット成功の秘訣は「1日で一喜一憂しないこと」。生活サイクルを3日で設定して、その中で食べる量を調整していくと、ストレスになりにくいそう。

 「外食やお付き合いは楽しんで、それで食べ過ぎたなと思ったら、次の日は粗食気味にしてカロリーを制限するなど、生活習慣や献立を3日周期にしておくと、息抜きもできるし、締めるところは締めることもできるのでおすすめです」(古川先生)

 

消化器内科医
古川真依子先生
2003年東京女子医科大学卒業。東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向、2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女性ならではの食事や胃のトラブル、腸内環境の悩みに応えている。 ■東京ミッドタウンクリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter google+ Pocket

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事