健康・ヘルスケア
2018.9.12

女医に訊く#28|目が乾くだけじゃない!「ドライアイ」のサインとは?

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あなたは今、スマホやパソコンの画面をどのような角度で見ていますか? 目の乾きやかすみ、疲れを感じてはいませんか? 「ドライアイ」の専門家でもある井上佐智子先生に、症状や予防法について、詳しく教えていただきました。

目の乾き・かすみ・疲れを感じたら「ドライアイ」を疑って

わたしたちの目の表面は、脂と涙で覆われており、ホコリや雑菌、乾燥などの刺激から守られています。ところが、スマホやパソコン、コンタクトレンズ、エアコンなどを長時間使用すると、涙が蒸発しやすくなり、涙の質が不安定に。目の表面に傷が生じる病気「ドライアイ」になってしまいます。

「脂や涙は、瞬きをすることで出やすくなります。なので、目にとって瞬きの質や回数は重要です。ところが、スマホやパソコンを見ていると、瞬きの回数が減ってしまいます。また、コンタクトの装用者には、瞬きをしていても、まぶたが下までちゃんと到達していない人も多いのです」(井上先生)

ドライアイの症状は目が乾くだけではありません。物がかすんで見える、目が疲れやすい、目がゴロゴロする、何となく不快感があるなどの症状も、ドライアイのサインとなります。最近では「スマホ老眼」などという言葉もあるように、スマホから発せられるブルーライトにより、年齢関係なく視力に影響が出ています。

「先日も、物がはっきり見えないという方にドライアイの治療をしたら、すごくクリアに見えるようなったとおっしゃっていて。目の表面に涙がきちんと乗っていると、目の奥にあるフィルムの役割をする網膜にきれいに被写体を投影できるのですが、涙が不安定だと、ちょっと焦点がボケたりするんです」(井上先生)

視力は問題ないのに、視界がボヤッとする、物が見えづらいという人は、ドライアイの可能性もあります。一度、眼科医に相談してみましょう。

運動&リラックスを心がけて、自分の涙をきちんと出そう

目の乾きを感じるたびに、市販の目薬を点眼してはいませんか? ドライアイは生活習慣や病気などにより、涙の量や質が変わってしまうことで起こる病気です。そのため、専用の治療薬を点眼する必要があり、市販の目薬や水道水による洗眼は、かえって病状を悪化させてしまうこともあります。

「目薬もさしすぎると自分の涙が流れてしまうため、点眼には上限があります。目薬だけに頼るのではなく、自分の涙をきちんと出すことが大事なのです」と井上先生。先生によると、身体的・精神的ストレスとドライアイには関係があり、緊張状態があまり続かない人、リラックスをする時間がある人の方が、涙が出やすいそう。

「また、ドライアイで近年問題になっているのが『痛み』。診察上ではまったく問題ない状態であっても、『痛みが残る』と訴える方が多く見受けられます」と井上先生。このようなことからもドライアイの問題は、乾くということだけに留まらないのです。

「人は自律神経のうち、リラックスしているときは副交感神経という神経が優位になります。実際に瞑想するときに腹式呼吸をした人たちと、しなかった人たちの群では、涙の分泌に差が出たという報告があります。また、運動していることや歩くことで涙の分泌が多くなるという報告もあります」(井上先生)

ほかにも、スマホやパソコンを見るときは、ブルーライトカットのメガネやフィルターを使うように心がけて。上を向くと、まぶたが開く面積が広がって目が乾いてしまうため、画面は目線よりも下方に置きましょう。エアコンが効いている部屋は、加湿器などで保湿をするのも忘れずに!

カラコンも眼科医の検査・処方が必要です!

黒目が大きく見えるコンタクトやカラーコンタクトレンズでおしゃれを楽しみたいからと、量販店などで安いレンズを購入していませんか? ドライアイの要因のひとつでもあるコンタクトレンズは、高度管理医療機器に指定されている視力矯正用具です。コンタクトレンズの間違った選択や使用は、眼の疾病を招く危険があります。

「例えば、ドラッグストアで売っている点眼薬を持ってこられて、『どうなんでしょうか?』と聞かれても、自分たちの世界のものではないので医師は説明ができないんですね。それと一緒で、コンタクトレンズもわたしたちの手から離れてしまったものをどうかと聞かれても『さあ?』なんです。どういう製造元でつくられていて、どういう管理をされているかもわからないから、いいも悪いもわからないし、保証はできない。安全かと聞かれたら、安全ではないといった方が無難かもしれないです」(井上先生)

では、カラーコンタクトレンズを装着したい場合は、どうしたらよいのでしょう?

「カラコンを扱っている眼科を探すといいと思いますよ。当院もわたしがカラコン好きなので、置いています(笑)。ただし、『目にとっては透明なレンズの方がいいですよ』というお話は、きちんとさせていただきます」(井上先生)

自覚症状がなくても、目の病気が進行することもあります。コンタクトレンズを購入するときはもちろんのこと、調子よく使っていても定期的な眼科検査をきちんと受けて、安全に目のおしゃれを楽しみましょう!

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眼科医
井上佐智子先生
羽根木の森アイクリニック 院長。慶應義塾大学病院 非常勤助教。日本眼科学会専門医。日本抗加齢医学会専門医。藤田保健衛生大学医学部卒業後、 慶應義塾大学病院など複数の臨床病院勤務を経て、2014年、東京・世田谷区にサロンのような癒し空間を演出した羽根木の森アイクリニックを開業。眼科を専門としつつもエイジング外来に力を入れている。
■羽根木の森アイクリニック http://hanegi-eye.com/

文/清瀧流美 撮影/田中麻衣(本誌)

 

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