ストレスは下痢や頭痛など体の不調も引き起こすってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ストレス”について。ストレスは心の不調だけでなく、下痢や頭痛など体の不調も引き起こすって…ウソ? ホント? ともクリニック浜松町の院長・福永伴子医師にお答えいただきます。
Q:ストレスは下痢や頭痛など体の不調も引き起こすってホント?
ストレスの蓄積はメンタル面のダメージだけでなく、体にも悪い影響をもたらすのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を福永医師にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ホント
「一般的にストレスがたまると、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなる、うつ症状が見られるなどのメンタル面の不調をきたします。と同時に、下痢や頭痛、肩こりといった身体的不調も起こりやすくなります」(福永医師・以下「」内同)
ストレスとは?
「本来は、“物体に圧力を加えたときのひずみ”を指します。そして、加える圧力(刺激)のことをストレッサーといいます。そこから拡がり、現在では、どちらの意味のこともストレスと表現されることが多いです」
ストレスによって引き起こる心の不調
「不眠や不安、うつ症状、イライラ、マイナス思考、情緒不安定、無気力などが引き起こされることがあります。
しかし、このような症状が起こったからといって、すぐにストレスが原因だと気付くのは難しいでしょう。とくに女性は、生理前のホルモンバランスの変動もあり、心の不調がストレスからくるものであっても、生理前だから仕方がないと考えてしまうことも多いのです。心の不調が2週間以上続く、生理が終わっても改善が見られないという場合には、ストレス性の不調と考えられるので、専門医に相談することも視野に入れてみてください。
心療内科や精神科などのメンタルクリニックというと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、不調があるならば我慢せずに、すぐに相談してみてくださいね。病気か病気じゃないかを判断するためにも、私たちがいるのですから」
- 不眠
- 不安
- うつ症状
- イライラ
- マイナス思考
- 情緒不安定
- 無気力
ストレスによって引き起こる体の不調
「よくあるのは、胃が痛い、胸やけ、吐き気といった胃腸症状です。動悸や息苦しさ、さらに女性の場合は、頭痛や目眩を訴える人も多いですね。また、長い間ストレスが続くと、交感神経が優位な状態になり、自律神経の乱れも引き起こしやすくなります。
最初は体の不調を感じて内科へかかるも異常が見当たらず、メンタルクリニックを受診される人も多いです」
- 胃が痛い
- 胸やけ
- 吐き気
- 動悸
- 息苦しさ
- 頭痛
- 目眩
心と体に起こるストレスの違い
「心と体、どちらに不調が起こるのかと考えたときに、ストレスを脳で理解すると、どうしても心に不調が起こるようになってしまう。反対に、脳の理解を抑えようとすると、体に不調が起こるようになってしまいます。
たとえば、子どもが朝になるとお腹が痛い、頭が痛いと訴えたりすることがあるとします。これは決してウソではなくて、なぜ学校に行きたくないのかを言語化できずに抑えているため、体に症状が現れたりするのです」
ストレスによって引き起こる行動面の不調
「脳の行動が抑制されてしまうため、ミスが増えたり、忘れっぽくなる、判断ができないといった行動面の不調も起こります」
ストレスと上手に付き合うには?
「まず、何が自分のストレスなのか?を洗い出し、分析することが大切です。仕事の量なのか、内容なのか、人間関係なのか…。そのどこが嫌なのか、それは自分で解決できることかを考えてみましょう。
たとえば人間関係の場合、相手を変えるというのは無理な話ですよね。それならば、自分が受け止め方を変えてみる。こっちのほうがずっとコスパもいい! そして、最終的に、“これは自分がいくら悩んだところで問題は解決できない”となったら、手を離せばいいのです。自分でどうにもならないことは、考えすぎない。これだけでも心が楽になるはずですよ」
Point
◆何が自分のストレスなのか?を洗い出し、分析する
◆それは自分で解決できることか考える
◆人間関係の悩みの場合、相手を変えるのは難しい。自分の受け止め方を変えるほうが早い!
◆自分でどうにもならないことは、考えすぎない
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
順天堂大学医学部卒業後、同大学精神科、複数のメンタルクリニックに勤務し、2011年、浜松町に『ともクリニック浜松町』を開業。女性患者さんが多く、日々診療にあたる。