健康・ヘルスケア
2022.6.10

【HPVワクチンQ&A】『美的』世代は自費?どれを選ぶべき?医師に相談できる?|ニッチな疑問を女医が回答

今話題のHPVワクチン。控えられていた12~16歳女子への積極的勧奨が4月に再開されましたね。ぜひ詳しく知りましょう。

Q. 美的世代は自費でHPVワクチンを接種するしかないの?

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A. 17〜25歳女性はキャッチアップで無料接種が可能に

「HPVワクチンの無料定期接種の対象は12〜16歳女子ですが、積極的勧奨の差し控えで接種を逃した人をフォローするキャッチアップ接種(追加接種)が実施されます。’22年4月からの3年間は、’97〜’05年生まれの女性も無料接種でき、対象者には自治体から案内が届きます」と増田さん。また、勧奨差し控え中に定期接種の対象年齢を過ぎ、自費で接種した人には費用が払い戻しされるケースもあるので、まず自治体に確認を。

Q. HPVワクチンは3種類あるけれどどれを選ぶべき?

A. 無料接種の対象なら4価を。自費なら効果や価格で検討して

無料定期接種で選べるのは2価と4価。9価は全員が自己負担です。
「無料定期接種の対象年齢なら性感染症の尖圭コンジローマもカバーできる4価がおすすめ。9価は高い予防効果がありますが価格も2価・4価の約2倍。HPVワクチンは同じ種類を合計3回接種するのが基本ですから、自費だと負担も大きくなるので、効果と予算を考慮して検討しましょう」(柴田先生)

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Q. 過去にHPVワクチンを接種したけれど9価も追加接種した方がいいの?

A. 接種済みなら追加の必要なし!

「確かに9価は子宮頸がんの約90%を予防しますが、2価か4価を接種済みなら9価を追加する必要はありません。追加接種で効果が少し高くなるよりも、2年に1回の子宮頸がん検診を併用する方が正しい予防につながります」(柴田先生)

Q. 接種前に医師に相談することはできる?

A. クリニックで事前に相談も可能

「接種に不安がある人は事前に医師に相談しましょう。『NPO法人女性医療ネットワーク』では、相談可能な医療機関を検索できます」と増田さん。また、接種後の痛みや運動障害を専門で診る医療機関もあるので、不調が続く場合は相談を。

・NPO法人女性医療ネットワーク http://cnet.gr.jp

Q. 新型コロナワクチンと同時期に接種しても問題ない?

A. 前後の2週間を空けるスケジュールで予約して

「新型コロナワクチンとほかのワクチンは同日に接種はできず、2週間空けることがルールです。例えば4月1日に新型コロナワクチンを接種したら、HPVワクチンを接種できるのは4月15日以降
です」と柴田先生。下図はHPVワクチンの一般的な接種スケジュール。新型コロナワクチンを同時期に接種する場合は、それぞれのワクチン接種日が2週間以上空くように予定を組みましょう。

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Q. 子宮内膜症など婦人科疾患があるけれど接種できる?

A. 婦人科疾患があっても問題なし。妊娠したら医師に相談を

「子宮内膜症などの婦人科疾患があっても、HPVワクチンの接種には問題ありません。ただし、接種当日に体調が悪い場合は日を改めましょう。また、20〜30代は妊活や妊娠をする女性も多い年代ですが、妊娠中は接種を延期することが多いです。HPVワクチンは妊活や赤ちゃんに悪影響はありませんが、接種の途中で妊娠がわかったら医師に相談してください」(柴田先生)

淀川キリスト教病院 産婦人科医

柴田綾子先生

女性医療ジャーナリスト

増田美加先生

『美的』2022年6月号掲載
イラスト/本田佳世 構成/青山貴子、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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