産後ダイエットは産後すぐにはじめないとダメってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「産後ダイエット」について。産後ダイエットは早めにはじめないとダメってホント? 骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんにお話を伺いました。
Q:産後ダイエットは産後すぐにはじめないとダメってホント?
産後の女性を悩ませる、産後体型の悩み。「早く妊娠前のスタイルに戻したい」と思う一方、育児や家事に追われ、なかなかダイエットができないという人も少なくありません。産後半年から1年くらいのダイエットが産後ダイエットと言われていて、半年以内でなくても1年以内であれば効果はあるとか。でも、この期間でないと元の体型に戻るのは難しいというウワサも。本当なのでしょうか? 骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんに聞いてみました。
A:ウソ
「“産後ダイエット”と言われる期間は出産から半年〜1年くらいまでのダイエットを意味するので、その点で言えばホント、となりますが、出産後に産前の体型に戻す、という意味だとするなら、いつからでも効果は期待でますので、ウソ、となります」(Naokoさん・以下「」内同)
産後ダイエットはいつからはじめればいい?
「一般的な健康な出産をした人であれば、骨盤からの回復を促すマッサージやストレッチは3週間〜1か月後くらいにはじめて良いと思います。ただし、子宮に重力をかけないように、寝ている状態からスタートしましょう。帝王切開で出産した人の場合は、さらに回復に時間がかかるので、ドクターと相談した上ではじめるようにしましょう。
出産や回復の具合、筋力にも個人差があるため、いつからはじめて良いという明確な時期はありません」
何からはじめれば良い?
「まずは呼吸法からはじめて、インナーマッスルを鍛えていきます。そのあとに自分でできるマッサージ、ストレッチという流れで進めていきます。
産後ダイエットは時期に合わせた適正な強度のケアをしていくことが大事です。産後は股関節が緩んだ状態なので、いきなりランニングなど激しい運動をすると、逆に腰を痛めたりしてしまうこともあるので、強度の低いものからはじめるようにしましょう。無理なく、気持ちいい範囲でやるというのがポイントです」
インナーマッスルとは
「産後ダイエットや下腹ぽっこりのお悩みを解消するために重要になってくるのが、胴体部分の深層部にある筋肉(インナーマッスル)へのアプローチです。インナーマッスルは具体的に“腸腰筋”“腹横筋”“多裂筋”“横隔膜”“骨盤底筋群”です。これらを鍛えると姿勢が安定して、同時に表層部分の筋肉も鍛えられるというメリットがあります。
深い呼吸は横隔膜や骨盤底筋群などの日常の動作では鍛えにくい部分を強化できます。そのため、まずはきほんの呼吸法を覚えましょう」
インナーマッスルを鍛える呼吸法
「私のメソッドの中にもある、壁呼吸と呼んでいる、基本の呼吸法がおすすめです。産後は、はじめは子宮に負担をかけないためにも、寝たまま行うようにしましょう。
- 1. 背中を壁につけて、両足を一歩前へ出す
- 2. 右手は下腹部、左手はみぞおちにそれぞれ当て、肋骨を開くように4秒かけて息を吸う
- 3. 骨盤をゆるませるように、8秒かけて細く、ゆっくり息を吐く
寝ながらバージョンはこちら↓
- 1. 腰が浮かないように床に背中をつけて寝転ぶ。膝を立て、肩幅より少し広めに足を開く
- 2. 骨盤は動かさないように、お腹をグッと締めるようにへこませる
- 3. 胸式呼吸で肋骨を開くように大きく息を吸う
- 4. お腹はへこませたまま、強めに深く息を吐く
息を吸うときは肩を上げずに、肋骨を開くようにしてみぞおちを膨らませます。下腹部はへこませたままにします。吐くときは頭を引き上げる意識を忘れないようにしながら、みぞおちをへこませて、お腹で壁を押すようなイメージで」
寝ながらできるトレーニングおすすめ3選
「脚やせ・お腹やせには寝ながら足を上げ、開いたり閉じたりするトレーニングがおすすめです。
- 1. 腰が浮かないように仰向けに寝転がり、両腕を広げる
- 2. 膝が直角になるように脚を上げ、両足の踵をつける
- 3. 踵を支点に膝を開け閉じする。これを10回繰り返す
くびれとお腹やせにはひねりを加えたトレーニングを。
- 1. 腰が浮かないように仰向けに寝転がり、手は顔の横に置く
- 2. 膝が直角になるように脚を上げる。足首に力は入れずリラックス
- 3. 膝が床に着く直前まで脚を左右に倒し、顔は脚と逆に向ける。左右10回行う
股関節を整えるワークもおすすめです。
- 1. 腰が浮かないように仰向けに寝転がり、両腕は体の横に
- 2. 左右の踵をつけ、そのまま膝を開く
- 3. 膝を開いた状態のまま、力を抜いて骨盤を左右にゆらゆら揺らす。肩の力も抜いて、脚の重さで揺らすのがポイント
寝る前など寝転がるタイミングでやると習慣にしやすいかもしれません。どれか1つでもできればOKです」
産後ダイエットの必要性
「実は、産後はダイエットは意識をせずともできる体の構造になっています。
特に、母乳育児をしている人は早く戻りやすいものです。ですので、無理にダイエットをする必要がないという人もいます。しかし、肩を丸めた授乳姿勢やストレスから体型が戻らないという人も多く、さらには骨盤の歪みから不調をきたすこともよくあります。
私自身も1人目の出産後は骨盤がゆるんでしまったことで、O脚や肩こりに腰痛、そこからくる吐き気などにも悩まされました。でも、それをきっかけにボディメンテナンスの分野に興味を持ち、2人目のときは1人目のときにはやらなかったケアをしたことで、短期間で体型を戻すこともでき、不調知らずの体を手に入れることができました。
出産は女性の人生の中でも体質が良くも悪くも変化するタイミングなので、産後ダイエットも意識されると効果も早くでます。後からでも効果はあるので、気になっている人はその時が吉日です。はじめていきましょう」
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
20代の頃より、肥満をはじめ、肩こり、腰痛、外反母趾など多くの不調に悩まされ、ボディメンテナンスの分野に深く興味を持つようになる。出産を機に本格的に体作りの勉強を始め、ヨガ、ピラティス、整体、エステ手技などを学び、あらゆる知識と実践を組み合わせて独自のメソッドを開発。このメソッドにより自身も12kgの減量に成功し、不調知らずの体を手に入れる。現在は3人の子どもの育児を行いながら、1万2千人以上のボディメイクやメンタルケアを行う。ほかにも、後進の指導や育成、企業とのタイアップ商品の開発など、精力的に活動している。著書は「体が固くてもラクにできる!1分おしり筋を伸ばすだけで劇的くびれ・美脚!」(学研プラス)「下腹ぽっこり解消ダイエット」(宝島社)など。
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