頭痛薬を常用すると効き目が薄まるってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“頭痛”について。頭痛薬を常用すると効き目が薄まるって…ウソ? ホント? 日本頭痛学会認定指導医・専門医の五十嵐久佳先生にお答えいただきます。
ズキンズキンと脈打つような痛み。仕事中や出先で痛みに襲われたら…と不安になり、常に頭痛薬を持ち歩いているという人も多いのではないでしょうか。ですが、頭痛薬を常用すると効き目が薄まってしまうという話も。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を五十嵐先生にぶつけてみました! 果たして答えは…? 「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)では、薬が効きにくくなるとことがあります。薬物乱用頭痛を抱えている人は、120万~240万人ともいわれています」(五十嵐先生・以下「」内同) 「月に15日以上は頭痛がして、月に10日以上市販の頭痛薬や医療機関で処方された急性期治療薬(頭痛が起きた時に服用する薬)を服用している状態が3か月以上続いていれば、薬物乱用頭痛と考えられます。 月に数回なら問題はありませんが、月に10日以上となると、脳や神経が痛みに敏感になり、少しの刺激でも頭痛が起こりやすくなってしまうのです。以前よりも薬が効きにくく、しかし頭痛が続くことから頭痛薬を服用するものの、薬が効かずに回数や量が増えていくという悪循環です」 「市販の頭痛薬は種類が山ほどありますが、大きく分けると単一成分とそれ以外のものがあります。単一成分には、アセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリン、ロキソプロフェンなどが挙げられます。それ以外では、カフェインや鎮静成分などが含まれているものが多く、これらの頭痛薬は依存性が出てしまうことも。 また、薬物乱用頭痛の判断基準では、単一成分の頭痛薬の場合は月に15日以上となっていますが、鎮痛成分以外が含まれたものになると、月に10日と変わるのです。つまり、薬物乱用頭痛をきたしやすいということです。市販の頭痛薬を服用する場合は、まずは単一成分のものを選ぶことをおすすめします」 「いつ、どんなときに、どのような痛みが起こるのかを見極めることが大切です。そこでおすすめしているのが、頭痛ダイアリー。行動や食生活、睡眠、生理、飲んだ薬、痛みの度合い、日常生活への影響度などを細やかに記入していきます。 続けることで、何が頭痛の引き金になったかが分かり、予防や改善できる場合も。病院を受診する際には、医師に見せることで治療にも役立ちます」 \頭痛ダイアリーに書くこと/ 「医師の指導の下、原因となっている薬の服用を中止します。そして、新たに予防薬や原因となった鎮痛剤とは別のタイプの治療薬を処方します。 薬の服用を中止する不安や、痛みのコントロールについては、ぜひ専門の頭痛外来で相談してください」
▼ 関連記事 頭痛には種類があるってホント?真相を医師に直撃!【 文/木土さや ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。Q:頭痛薬を常用すると効き目が薄まるってホント?
A:ホント
薬物乱用頭痛とは?
市販の頭痛薬を服用する場合の選び方は?
セルフケアは?
薬物乱用頭痛の治療とは?
富士通クリニックで頭痛外来を担当。富士通本社産業医、北里大学医学部脳神経内科学客員教授も務める。国際頭痛学会、米国頭痛学会、日本神経学会(専門医、指導医)、日本頭痛学会(理事、専門医、指導医)など、所属学会多数。
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