「サステナブルコスメは”パケ買い”もアリ！」by早坂香須子さん｜美容賢者のサステナ美容vol.4

多くの企業や団体、人々が意識するようになった【サステナブルな活動】。しかしながら、“自分が力になれるかしら”とか、“どうやって活動すればいいのかわからない”…と、難しいように感じている方もいるかもしれません。それなら、『美的』読者のみなさんが大好きな“美容”を通して考えてみませんか？　

実際に“サステナ美容”を取り入れている美容賢者の方々に、生活の中で【サステナブルな活動】を取り入れるコツについてお話を伺いました。今回お話を伺ったのは、メイクアップアーティストで、森のプロジェクトを行っている早坂香須子さんです。

がんばるのではなく、まずは自分の近くから。するとキレイは循環してくる

メイクアップアーティストとしての活躍しながらも森のプロジェクトを行うなど、サステナブルライフを通して、多くの女性の肌・心・体の美しさを引き出している早坂香須子さん。自身が植物の力に魅了されたきっかけは、20代のころに住んでいた家の隣にあったオーガニックスーパーだったそう。「 疲れているときや不調なときにオーガニックの野菜を食べると、エネルギーをもらえました。心が前向きになれ、肌の調子も良くなっていった のです。そのスーパーには食材だけでなく、オーガニックコスメも売っていたから、オーガニックのスキンケアやアロマオイルが手に取りやすい環境。使ってみると、香りに癒されたり、元気になれたり、きちんと呼吸ができると感じられました」と早坂さん。30代のときは、4年ほど神奈川・逗子に住み、環境への意識も変わったと話します。「逗子は海と山が近くにある気持ちのいい場所。毎日見ている美しい海を汚したくないという理由から、食器洗剤をなるべく使わないという人が多くいました。その行動がとても自然で感銘を受けました。 まずは自分の近くから、半径1mくらいから見直していくと、キレイが循環していくのだと気づかされました 」（早坂さん）

生命力溢れる植物の恩恵で肌も心も体も元気に

40代でオーガニックコスメのディレクターに就任した早坂さん。「消費者から作り手になったとき、植物へのリスペクトは計り知れないものでした。生命力溢れる植物は、人の脳や神経、血液にダイレクトに作用して、体に恩恵をもたらしてくれます。そんな植物の魅力を詰め込んだプロダクトを作っていました。その後出会ったのが、長野にある4・50年も手付かずだった3,000坪の森でした。この森は、クロモジやキハダといった漢方でも使われている植物の宝庫。今はこの豊かな森を生かしていきたいと動いています。それには まず、自分が元気でなくてはなりません。食生活でも美容でも、まずは、自分の“心地いい”を見つけて、取り入れていく。そういう“消費者”が増えると、企業も動かざるを得なくなるので、世の中がいい方向へ向かっていくと思っています 」（早坂さん）

サステナブルなコスメ選びはパッケージからでもOK！

「“成分とかよくわからない…”と思ったら、“パケ買い”もアリです。私は海外で言葉がわからないときは、パケ買いをしていました。パッケージには環境へのフィロソフィーやセンスが表れているので、自分の“好き”とフィットすると思います」とのこと。そんな早坂さんの転機となったものや、いま愛用しているもの、そして『美的』世代におすすめのサステナブルコスメを紹介してもらいました。

肌が不安定なときも頼りになるパワーのあるベーシックスキンケア

左／ワフィト　レジュナ セラム 30ml ￥8,800

「ワフィトは、私の植物療法の師匠でもある森田敦子さんのブランド。ブランド名は、“和のフィトテラピー”から付けられています。森田さんのご出身地である愛知県東三河の植物を使っているのが特徴です。この美容液は、『美的』世代の方にもおすすめしたい1本。30代からホルモンバランスが崩れ始めると、肌のキメに変化を感じてくると思います。植物のエレルギーを感じる美容液を肌にのせると、きゅっと引き締まって、肌のバイタリティが上がるのを感じられます」（早坂さん）

中／Dr.ハウシュカ　DRH クレンジングバーム 75ml ￥3,850

「Dr.ハウシュカは、オーガニックの先進国であるドイツの老舗ブランド。創立者のDr.ハウシュカは、薬学者・化学者であり、優しい＋αを感じられるコスメが揃っています。健やかな肌を育むには、まず不要なものを落としてリセットしないと、与えるケアをがんばってもいいものが入ってこないので、クレンジングは重要です。このクレンジングは、不要なものをきちんと落とすこっくりとしたテクスチャーですが、洗い上がりはさっぱり。毛穴までリセットできます。朝の洗顔にもおすすめですよ」（早坂さん）

右／ネロリラ ボタニカ　ブライトニングモイスチャーローション 100ml ￥8,140、同　コットンパフ 60枚 ￥990

「“ネロリラ ボタニカ”は、私が8年間ディレクターを務めたブランドです。分子量が小さくて肌にすっと入っていくハマナス生体水をベースにしています。ハマナスはビタミンCがたっぷりなので、コットンパックすると肌が明るく元気になりますよ。容器はリサイクル率の高いガラスを使用しているのもこだわりのひとつです。コットンは、10×６cmと大判なサイズなので、コットンパックにおすすめ。無農薬栽培のタンザニア産オーガニックコットンを無漂白のまま仕上げています。このコットンを購入すると、タンザニアの女性の就労支援や子どもの教育支援などにも繋がります」（早坂さん）

ヘア、ボディ、インナー…全方位からキレイを育む！

左／Tamitu 618 250g ￥4,320

「古代から“復活の木”として親しまれているマヌカのハチミツをベースに、エルダーフラワーやレモングラスなどのハーブが入ったハチミツです。ドレッシングに使うとサラダのおいしさがUPします。蜂は環境のバロメーターと言われていて、蜂が少なくなると環境破壊が起こっているとされます。なので、ハチミツはサステナブルな意味でも積極的にとっていきたいと思っています」（早坂さん）

中／NALUQ　ヘアワックス 30g ￥2,750

「天然樹脂や植物のエキスで作られたヘアワックスは、髪が動かしやすくてお気に入り。トドマツやライムといった清涼感のある天然精油の香りでオンモードになれます。“ナクール”が生まれた北海道・上川郡下川町は、適切な森林管理の認証する国際的制度のFSC認証を取得している町で、町の中で循環した物作りを行なっています」（早坂さん）

左／CLAYD　WEEK BOOK 30g×7袋 ￥4,180

「クレイドの入浴剤は、1回分のクレイが個包装になっていて便利。クレイは汚れに吸着する力に優れていると有名ですが、肌を豊富なミネラルで包み込んで肌を潤いで守ってくれる役割もあります。オーガニックコスメで精油の次に私がハマった素材でもあります。体の中のプラスとマイナスのイオンを整えて、森林浴みたいにストレスまで流してくれます」（早坂さん）

UVケアは、潤いケアしながら紫外線をカバー

左／MOON PEACH　ヒガサバーム 5ml ￥3,520

「なめらかなバームで肌を落ち着かせる高保湿なサンケアバームです。配合されている月桃は、肌が弱い人にも使える成分のひとつ。肌にSPF7と紫外線防御率は強力ではないですが、こまめに保湿ケアしたいときに役立ちます。エナジーチャージしてくれるような温かみと爽やかさのある柑橘系の香りに癒されます」（早坂さん）

右／Itoguchi　みどりまゆ BODY&HAIR モイストUVスプレー SPF50+・PA++++ 60g ￥2,420

「みどりまゆを使ったUVスプレーは、白繭ではUV-Bのみ防げたところ、UV-Aもきちんと防いでくれます。また、ボリフェノールが豊富で、抗酸化作用のフラボノイドも入っているというすばらしい成分。白浮きせず、髪にも使いやすいです。シルクならではのするんっとした肌に仕上がります」（早坂さん）

サステナブルという言葉の由来は…

「サステナブルという言葉の由来は、ドイツ語の“NACHHALTING（ナハルティグ）”。この言葉がアメリカに渡って、サステナブルという言葉が誕生したそうです。ドイツはオーガニックの先進国ですが、実は100年ほど前は炭鉱のために木を伐採しすぎてしまい、森が国のたった1%になってしまったそう。今は国土の30%まで森を増やし、自給率の高い国となっています。上の写真のNACHHALTING“と書かれたメジャーは、木を伐採するときに太さを測るためのもの。購入したのは何年も前ですが、森に携わるようになった私と縁があったのだと感じでいます」（早坂さん）

メジャーのお話は、”サステナブルは循環”と話す早坂さんらしい巡り合わせだと感じますね。”パケ買い”も、きっといい巡り合わせとなるでしょう。難しく捉えず、心地良さの中からサステナブルにつながるライフスタイルができるといいですね。

お話を伺ったのは…
メイクアップアーティスト早坂香須子さん

Profile
はやさか・かずこ／多くの俳優やモデルから支持されているメイクアップアーティスト。オーガニックにも精通し、オーガニックコスメブランドのディレクターを8年間務めた経歴を持つ。現在、長野県の森を購入し、循環するサステナブルな生活もスタートさせている。
https://www.instagram.com/kazukovalentine/

撮影／島村 緑　取材・文／越後有希子

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