ボディケア
2021.4.23

まさに現代病「スマホ首・ストレートネック」の原因と予防・簡単にできるストレッチ

まさに現代病「スマホ首・ストレートネック」、その影響は様々な体の不調を引き起こします。今回は原因と予防、治療法と日ごろから簡単にできるストレッチ方法をご紹介します。その携帯の見方、直した方がいいかもしれないですよ!

「スマホ首・ストレートネック」とは

整形外科専門医

小橋大恵先生

スマホ首とは、うつむき加減で長時間スマホを見て、固まっている状態が続くことにより首に痛みが出てしまうこと。その原因も症状も肩こりとよく似ています。

例えば肩まわりの筋肉は、動作によって働くべき筋肉が収縮し、働かなくてよい筋肉が弛緩することで問題なく動いています。しかし、スマホやパソコンを悪い姿勢のまま使い続けると、弛緩すべき筋肉が収縮し続けることに。緊張状態でガチガチになり、血管が徐々に圧迫されてしまうのです。

「筋肉は酸素や栄養が来ないと働けない組織。血行不良になると酸素も栄養も不足するため、筋肉は疲労してしまいます。すると、乳酸などの疲労物質が溜まって痛みの原因になったり、筋肉がガチガチのままリラックスできないで炎症を起こしてしまったりするんです」(小橋先生)

一方、ストレートネックとは、本来ゆるやかに前弯しているはずの頚椎が、弯曲を失い真っすぐに近くなっている状態のこと。首のレントゲンを撮ることでわかります。

「スマホ首だなという人のレントゲンを撮ると、この弯曲が消失していることが多いんです。ストレートネックの原因は、首の後ろの筋肉の緊張状態がずっと続いているためか、下を向きすぎていて頸椎の配列が本来よりずれてしまっているためではないかといわれています」(小橋先生)

つまり、スマホ首のなかにはストレートネックになっている人もいるということなのです。

 

体に及ぼす影響とセルフチェック方法

美容矯正師・美容矯正サロン「LELEPONO」(レレポノ)オーナー

渡部 剛志さん

「スマホ首・ストレートネック」で起こる7つの体の不調

  • 首や肩の痛み、こり、張
  • 首の可動域の減少
  • 頭痛
  • 眼精疲労や目のかすみ
  • めまい、吐き気
  • 手足のしびれ
  • 倦怠感

セルフチェック法

  1. 壁に背を向けて立つ
  2. かかとを壁にくっつける
  3. おしりを壁にくっつける
  4. 肩甲骨を壁にくっつける
  5. 後頭部を頭にくっつける

「壁に背を向けて、気を付けのイメージで正立します。1~5の順で行い、壁にかかと、おしり、肩甲骨、後頭部の4か所が自然につけば問題ありません。しかし、後頭部が意識しないと壁につかないという場合は、ストレートネックの可能性大」(渡部さん)

 

「スマホ首・ストレートネック」の予防と治療法

【1】うつむかないように気を付ける

スマホ首は、うつむき加減で長時間スマホを見ていることが原因で痛みが起こります。これを防ぐには頭を下げすぎないようにすることが重要です。

「真っ直ぐ前を向いてから軽くアゴを引き、目線を30度くらい下げるのがコツ。パソコンもモニターは真正面より上に置かず、目線が30度ほど下がる位置に置くほうがよいといわれています」(小橋先生)

スマホを持つ腕が辛いようなら、膝の上にバッグやクッションを置いて支えるのも手。工夫を凝らして、うつむかないようにしましょう。

【2】合間にストレッチをする

肩こりや首こりを防ぐには、筋肉を動かして緩めたり収縮させたりすることも必要です。まずは、両腕の力を抜き20〜30回、両肩を上下させて。できる人は両腕を上げて行なってもOK!後ろで手を組んで行うと、肩甲骨が寄って動くのでさらに効果的です。

「痛くない程度にユラユラとでもいいので、とにかく肩甲骨を動かすことが重要です。移動中にトートバッグやショルダーバッグの肩ひもに添えた腕をさり気なく回すのもいいでしょう」(小橋先生)

回す方向は前でも後ろでも構いませんが、できるだけ力が入りづらい方で回すと、いつも使わない筋肉が動くのでおすすめ。首こりが気になる人は、頭を支えている首の筋肉の緊張も緩めましょう。

「いちばんいいのは寝ることですが、オフィスなどで寝れないときは、椅子の背もたれに頭を委ねて、左右にゆっくりゴロンゴロンと転がすのもいいですね。痛くなる直前で止めるようにしましょう」(小橋先生)

 

【3】スマホの位置を腕の高さまで上げる

「スマホやPC操作時は、無意識に頭が肩よりも前に出ていることが多いため、意識して首を後ろに戻しましょう。また、頭が下を向かないように、スマホの位置を腕の高さまで上げることも効果的です」(渡部さん・以下「」内同)

【4】寝るときの枕の高さ

「意外な落とし穴なのが“枕の高さ”。高すぎる枕での睡眠は、首に負荷をかけてしまうことになります。仰向けに寝たときに、天井の真上が見えるのは高すぎる証拠。真上から10~15℃下がった、斜め前辺りが見えるのがベストな高さですよ」

主な治療法

「まず、凝り固まってしまった頸椎周辺をほぐすようにストレッチしていきます。次に、開いてしまった骨盤を矯正していきます。意外かもしれませんが、骨盤が開いてしまうと、内臓が下垂して前に引っ張られ、巻き肩や背中の歪みを引き起こし、首が前に出てしまうのです。首周りと全身の矯正をして、歪みを戻して正しい位置にリセットしていきます」

 

簡単にできるストレッチ「3つ」

【1】お風呂上りにできる首のストレッチ

Point

髪を乾かす前に60秒×1セット

(1)フェースタオルの両端を持ち、首の後ろ~耳の下に通す。タオルに頭の重心を預けるイメージで、タオルを斜め上に引っ 張りながら持ち上げて30秒間キープ。

(2)タオルを目線と同じ高さまで下ろし、顔は下に向けて30秒間前に引っ張る。固まりがちな 首周りをほぐし、自律神経を整えることで、肩こりを和らげる効果が。

 

【2】空き時間に3STEPストレッチ

せたがや内科・神経内科クリニック 院長

久手堅 司先生

「長時間のデスクワークの人はトイレに行ったときに必ず肩を回す、スマホを使っているときも15分に1度は画面から目を外して首のストレッチをするなどと、自分で決めておき、こまめに行うと効果が高まります」(久手堅先生・以下「」内同)

【STEP 1】首

(1)頭をまっすぐ前に出して10秒キープ!
背筋を伸ばして立つ。体は動かさずに、頭をまっすぐ前に出し10秒キープ。背中が丸まらないように注意。

(2)あごを押して後ろにスライド
あごに手を当て、後ろに強く押し、あごを水平にスライドさせて10秒キープ。
「1日に何度も行いましょう。首と頭のつなぎ目の関節がストレッチされます」(久手堅先生)

【STEP 2】肩

肩を回してストンと落とし理想の位置に
立った状態で、肩をすくめて肩胛骨を上にもち上げる。そのまま肩を後ろに動かし、すっと力を抜いて、肩を下ろす。
「それが理想的な肩の位置です」(久手堅先生)

【STEP 3】肩胛骨

両手を後ろで組んで胸と肩胛骨を意識
両手を後ろで組んで、少し上に上げる。胸を開き、肩胛骨を寄せた姿勢で10秒間キープする。
「胸の緊張がほぐれ、猫背の予防にも。姿勢が良くなると呼吸もしやすくなります」(久手堅先生)

 

【3】リンパの流れを改善するストレッチ

美容研究家・『HIGUCHI HILLS』代表

樋口賢介さん


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「スマホを見るときは首が前のめり&うつむき気味になりがち。そのため、スマホを長時間見ているとリンパや血流が滞り、首のシワ・むくみが目立つ“スマホ首”になってしまいます。頭皮をほぐした上で、首のストレッチ&マッサージで地道にケアしてあげましょう!」(樋口さん)

(1)「アイウエオ」を繰り返す
右手を鎖骨の下に当て、大胸筋を下に引っ張りながらあごを少し上げる。口を大きく動かして「アーイーウーエーオー」と10回繰り返す。

(2)シワを外→内にクリッピング
親指の腹と人差し指の第二関節で首のシワを垂直につまみ、外側から内側に向かってチクチクつまむように、小刻みにクリッピング。2~3セットずつ行って。

(3)リンパを流す
右手5指で左の頸部リンパ節を上から下に流した後、左手の5指を頸部リンパ節に当てながら右手5指で鎖骨リンパ節を刺激。これを左右交互に5回。

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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