寝る前ならではのストレッチ・やり方のコツは?
「寝る前」に全身をほぐす「ストレッチ」をすることで、睡眠の質をアップ!入眠もスムーズで、疲れやコリを解消するのに効果があります。布団の中やベッドの上で寝たままできるストレッチや、話題のフォームローラーを使ったストレッチを紹介します。
寝る前のストレッチでえられる3つの「効果」
【1】夜の睡眠の質を上げる
「就寝前に行いたいのが全身をほぐすストレッチ。疲れた体をほぐすことで睡眠の質もアップします。」(西川さん)
【2】スムーズに入眠できる
Emma Sleep Japan カントリーマネージャー
小原 拓郎さん
2020年Emma Sleep Japan合同会社(エマ・スリープ)へ入社。日本進出プロジェクトを推進、2020年12月より自社D2Cサイトを立ち上げ。ドイツ発のスリープテック企業として本社の睡眠研究をもとに日本の睡眠改善に取り組んでいる。スリープテック・ブランドの専門家としてマットレスや睡眠の知見を発信。
「寝る30分くらい前に、軽いストレッチやヨガなどをして深部体温を上げると、眠る頃にちょうど深部体温が下がりはじめます。人の体は深部体温が下がるにつれ、眠くなるので、スムーズに入眠できることが期待できます。ただ、激しい運動をしてしまうと深部体温が下がるまでに時間がかかり、入眠の妨げになるので、避けるようにしましょう」(小原さん)
【3】疲れやコリを解消する
フィジカルトレーナー
中野ジェームズ 修一先生
米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手の個人トレーナーを務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)など著書多数。
「仕事の合間や寝る前にストレッチをし、疲れやコリを解消しましょう」(中野先生)
「寝たままできる」7つのストレッチ
【1】神経の圧迫を解除する「首伸ばし」
竹谷内医院院長
竹谷内 康修先生
整形外科医・カイロプラクター。首や肩に悩む人が全国から通う、頸椎症のプロフェッショナル。著書『頸椎症の名医が教える竹谷内式首トレ』(徳間書店)も大好評。
「横になって神経の圧迫を解除する首伸ばしは、寝る前に布団の中でできるのがポイント。1分でもいいですが、時間があるときは3分行うとより効果的です」(竹谷内先生)
横向きに寝て、足は曲げて前に出す。手は後頭部に当て両手を組み、腕の力で頭を胸に引き寄せる。首の後ろ側を伸ばすようにして1~3分キープする。
Point
・首が低くならないよう、枕などを頭の下に・ひざと股関節は90度ぐらいに曲げる
【2】全身をほぐす「ワニポーズ」
あお向けで両腕を伸ばし、片方のひざを立てるワニのポーズが基本形。立てたひざをイラストのように倒して、顔をひざと逆方向に向けて10秒キープする。
【3】快眠ヨガ「下半身ほぐし」
ヨガ講師
密山 礼巳さん
ヨガを通して、頑張る女性をサポートするためインストラクターに転身。体をほぐすことで、気になる見た目のハリだけではなく、肩こりや腰痛まで解消されたことから「究極のほぐしヨガ」を考案。多忙だった自身の社会人経験を生かして「短時間でできるほぐし」をレッスンやSNSで積極的に発信中。
\動画はこちら/
【下半身ほぐし】足先まで温める
【Step.1】あお向けでひざを立てる
あお向けで膝を立てて寝転びます。
【Step.2】それぞれの手でひざを抱え円を描くようにひざを回す
右手で右ひざ、左手で左ひざを抱え、円を描くようにひざを回していきましょう。股関節から大きく回すことを意識して。反対回しも行いましょう。
【Step.3】両ひざを同じ方向に回す
深い呼吸を続けながら、今度は両ひざを同じ方向に回します。反対回しも同様に行っていきます。
お尻が浮きすぎないように、お腹で腰を押しましょう
【Step.4】片足を上げかかとで円を描くようにクルクルと回す
手を床におろし、片足のかかとを上を向け、つま先を外に向けます。かかとで円を描くようにクルクルと回します。反対回しも。足の付け根とかかとのつながりを感じていきましょう。
【Step.5】反対の足を回す
反対の足も同様に行いましょう。つま先をしっかりと外側にすることがポイント。円の大きさは小さくてもOK! 足の付け根から回すように意識します。
【4】股関節周りを動かす「片足のガス抜き&ワニのポーズ」
【Step.1】ひざを胸に引き寄せ股関節を圧迫する
片足を伸ばしたら、両手でもう一つの足のひざを抱えます。一度息を吸い、吐く息でひざを胸に引きせ股関節を圧迫します。吐く息ごとに、ひざが胸に近づく感覚で。圧迫することで、次に解放したとき、血流がよくなっていきます。
【Step.2】外側の手をおろし吐く息でひざを横にひらく
外の手だけを下ろしたら、吐く息でひざを横に開いていきましょう。圧迫していた股関節を開放する動きです。脚の付け根が痛くなる程度の心地よいところでリラックスします。お腹も使って、たっぷりと呼吸を繰り返しましょう。足の付け根にまで呼吸を届けるようなイメージで。
【Step.3】手でひざを外から持ち、吐く息でひざを内側に倒す
ひざを真ん中に戻したら、手を入れ替え、反対の腕は横にのばします。手でひざを外から持ち、鼻から吸って、吐く息でひざを内側に倒しましょう。目線は伸ばした指先を見つめ、心地よければ目を閉じましょう。
背手でひざを下に押すほどに、ツイストが深まり、背骨を正しい位置にも戻しやすくしてくれます。
【Step.4】反対の足も同様にStep.1~3を行う
反対も同様に、Step.1~3を繰り返します。Step.3が終わったら、ひざと顔を真ん中に戻します。
【5】柔軟性UP「ハッピーベイビー」
【Step.1】両手で足の裏を外側からつかむ
両手で、足の裏を外側からつかみます。ひじも床に近づけるような気持ちで、股関節をさらにストレッチさせます。
※股関節が苦しい方は、足首もしくはもも裏に手を添えてもOK。
足の裏を持つ場合、ひざを脇のほうに引き込むようにしましょう。
【Step.2】ゆりかごのように、左右に揺れる
ゴロゴロと左右に揺れて、ゆりかごのような心地よさを味わいます。ひざを伸ばして開脚してもOK! 脚裏をしっかりと伸ばすことで、全身の血行促進へとつなげます。
【6】頭と心のリラックス「ガス抜きのポーズ」
【Step.1】ひざをゆっくりと曲げ、両手でひざを抱える
大きな呼吸をして、ひざをゆっくりと曲げ、両手でひざを抱え、ガス抜きのポーズ。
【Step.2】指を組んだらもう一度左右にゆれ、腰骨・背骨のマッサージ
指を組んだらもう一度左右にゆれながら、腰骨・背骨のマッサージをしていきます。
【Step.3】顔を起こしてひざと顔を近づける
吸う息で顔を起こして、吐く息でひざと顔をぐうっと近づけましょう。ももでお腹を圧迫して、その名の通り「ガスを抜く」ポーズ。落ち着いていく効果もあります。余裕がある方は、手を、さらに足首、すねのほうを持つと、もっともっと小さくなっていきます。
【Step.4】手足の指先を 握って・開く を繰り返す
ひざ・頭・腕すべてをおろしたら、足を前に伸ばしましょう。つま先は外向き、手のひらは上向きで、手足の指先を握って・開いて、グーパーを繰り返します。
【Step.5】頭を左右にゆらし首の力をぬく
頭を左右にゆらし、首の力をぬきます。大きく一呼吸ついて、このままゆっくりと眠っていきましょう。
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【7】体の歪みを正す「胸のばし」
「姿勢が悪いと胸が下がり、つぶれやねじれが起きます。内臓が圧迫されて下垂し、代謝も低下してしまうので、“胸ひらき”で横隔膜や肋骨が柔らかく動く状態に整えてあげましょう。ポイントは、ただ伸ばすだけではなくて、呼吸法を取り入れて体の内側まで効かせること。寝る前には胸のばしを行って。リセットすればきっと体調も良くなりますよ」(田舎中さん)
\上側の肋骨を膨らませるイメージでゆっくりと3呼吸/
\横向きに寝て両手を斜め下に/
\上の腕を斜め上にゆっくり上げる/
みぞおちを少しずつ天井へ向ける。下側の手のひらは天井に向ける。横向きに寝て両手を斜め下で合わせ、そのまま上の腕を斜め上へ。できるところまで伸ばしたら、上側の肋骨を膨らませたり萎ませたりするイメージで大きく3呼吸。3セット行ったら、反対側も同様に。やりづらい方は回数を増やしてみて。
「フォームローラーを使った」2つのストレッチ
【1】コリを解消する「脇ほぐし」
ストレッチはお風呂上がりの温まった体で行うと、ほぐしやすさがUP!
【Step.1】うつぶせに寝て、ローラーを脇の下にはさむ。ゆっくり体を上下に動かす。
\おへそを床に向ける/
\おへそを天井に向ける/
【Step.2】ローラーをはさんだ腕を床から浮かせ、ゆっくり体を上下に動かす。
\腕を浮かせる/
【Step.3】ローラーをはさんだ腕を浮かせ、腕をぐるぐる回しながら、ゆっくり体を上下に動かす。
\腕を回す/
【2】首まわりを緩める「首揺らし」
「人はうつむくだけで15kg以上の負荷が首、肩にかかります。そんな重たい頭を支える僧帽筋をほぐします。首周りが緩むと睡眠の質もUP」(村山さん)
【Step.1】あお向けに寝て、頭のつけ根にローラーを当てる。頭を左右にゆっくり動かす。
【Step.2】ローラーを首部分に当て、頭を左右にゆっくり動かす。
【Step.3】ローラーを首に当てたまま、うなずくように頭を前後にゆっくり動かす。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
睡眠のカギ“セロトニン”のトレーナー
昭和西川株式会社代表取締役副社長を務めながら、睡眠研究家としても活躍。