「腰」の凝り予防と改善におすすめの「ストレッチ」
腰の凝りの予防には、腰に負担をかけないことはもちろん、ストレッチで筋肉を柔らかくしておくことも大切です。朝と夜寝る前に、ストレッチで腰回りを柔らかくしておきましょう!そして腰が凝りやすい方はお尻が硬いことがほとんど!おすすめの腰ストレッチと、お尻のストレッチを紹介します。
腰の凝りにいいストレッチとは?
腰痛予防には、「冷やさない」「中腰に気をつける」ほかにも、腰に負担をかけない姿勢を維持することや、運動・ストレッチで筋肉を柔らかくしておくことも有効です。
寝る前と朝起きたときにストレッチを!
「寝起きはどうしても腰が固まってしまいます。朝と夜寝る前にストレッチをして腰まわりを柔らかくしておくと、ぎっくり腰や坐骨神経痛が起こりにくくなるのでおすすめです。腰と首は背骨でつながっていますから、スマホ首やストレートネックといわれている方にもおすすめですよ」(伊藤先生)
「基本的には毎日ゆっくり湯船に浸かって。また、寝る前と朝起きたときに、仰向けで片方ずつ膝を胸に近づけるストレッチと、両膝を抱えて背中を伸ばすストレッチを行って、血流をよくしておきましょう」(伊藤先生)
腰痛にお尻の硬さが関係する
ヨガ講師
密山 礼巳さん
“元IT企業のwebプロデューサー。ヨガを通して、頑張る女性をサポートするためインストラクターに転身。体をほぐすことで、気になる見た目のハリだけではなく、肩こりや腰痛まで解消されたことから「究極のほぐしヨガ」を考案。多忙だった自身の社会人経験を生かして「短時間でできるほぐし」をレッスンやSNSで積極的に発信中。
「腰痛持ちの方はお尻が硬いことがほとんどです。お尻をほぐして、周りから筋肉の緊張を取ります」(密山さん)
3つの「腰の凝り改善」ストレッチ
【1】腰の凝り改善ストレッチ【動画】
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【お尻】お尻をほぐして、周りから筋肉の緊張を取る
【Step.1】膝を立てて座り、片足の外くるぶしをももに乗せる
片足の外くるぶしを反対側のももの上に乗せます。お尻が痛い場合は、下の足を体から遠ざけましょう。逆に伸びを深めたい場合は、下の足を体に引き寄せます。手で床をしっかりと押し、胸を張りましょう。
【Step.2】胸を張り深呼吸
肩甲骨を寄せるように胸を張り、くるぶしとももの押し合いを意識しながら深呼吸をします。この押し合う力がお尻の外側に伝わり梨状筋(りじょうきん)がほぐれていきます。
【Step.3】お尻を軽く左右に揺らし、股関節をほぐす
ゆっくり息を吐いたら、お尻を軽く左右に揺らし股関節も一緒にほぐしましょう。その後、反対の足で同様のストレッチを行います。
【骨盤】前傾・後傾の練習でほぐす
【Step.1】四つん這いになる
手を肩幅、足は腰幅で握りこぶし一つ分くらいの間隔で広げます。肩の真下の手首、足の付け根の真下にひざをセットしましょう。
【Step.2】背骨を丸め「キャットのポーズ」を作る
鼻から息を吸って、背骨をまっすぐにします。吸った息を吐きながら背中の下から丸めていきます。お尻が下を向いたら背中を丸め、目線は下に向け「キャットのポーズ」を作ります。
【Step.3】背中をそらし「カウのポーズ」を作る
息を吸いながら、お腹を引き込んだままお尻を後ろに向けます。胸を前に出しながら目線を前に向け「カウのポーズ」を作ります。お腹の力を抜かないように、なめらかな動きを意識して。少しずつ腰回りをほぐしていく運動です。自分のペースで繰り返してください。
【体側ストレッチ】脇腹などの側面をのばす
【Step.1】ひざ立ちになる
ひざ立ちになり、つま先を立てた状態で両手を腰にあてましょう。
【Step.2】片足を横に出す
右足を横に出します。つま先は斜め外側に開きましょう。お尻の下にひざが来るように、骨盤をまっすぐにしましょう。
【Step.3】腕をたおし、体側を伸ばす
息を吸いながら左腕を横から持ち上げて、息を吐きながら体を右側にたおします。余裕がある方は、目線を上に向けることで胸がさらに開きます。お尻の3cm下のあたりの力を抜かないようにすると、左脇~脇腹がぐっと伸びます。
【Step.4】反対の足で同様のストレッチ
息を吸いながら体を起こし、吐いて手を腰に戻します。反対側も同様に行なってください。
【腰】最後は真珠貝のポーズ
【Step.1】ひざをひらいて足の裏をつける
ひざを立てて座った状態から、ひざを外側にひらき足の裏同士をつけます。かかとと身体の距離は30cm程度間隔をあけてください。
【Step.2】ふくらはぎの下に手をとおす
手のひらを上向きにして、鼻から息を吸います。息を吐きながらふくらはぎの下に手をとおしていきます。お腹で腰を押すようにして、腰回りの伸ばしましょう。苦しい場合は、お尻を後ろに引いてOK。余裕がある場合はひじを床につけて、背中を丸め首の力を抜きましょう。
【Step.3】目を閉じて深呼吸
日常の疲れを手放すように、ゆっくりと深呼吸をしましょう。
【アレンジ】手で足首を押しながら骨盤を後ろに引く
真珠貝のポーズのアレンジ版です。手で足首を押しながら骨盤を引くことで、さらに深いストレッチ効果になります。
【2】「ヨガ式」ストレッチ【動画】
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【Step.1】あぐらの状態で座り、両手を頭の上にもっていく
【Step.2】左手を右膝に置き、右手を反対側にクロスさせるように斜めに体を倒す
息を吸いながら腰を伸ばす。
右手を反対側にクロスさせるように斜めに体を倒し、息を吸いながら腰を伸ばす。
【Step.3】反対側の腰も同様に伸ばす
【3】起きがけの腰の凝りにも効果アリ「ヒップサークル」
小森 悠(こもり はるか)さん
自然体の自分でいられるヨガに魅力を感じ、販売業からヨガインストラクターに。バレエ、ダンス、陸上などの経験を活かし、その丁寧な指導は“体を変えるレッスン”と評され、柔軟性の向上や疲労回復ができると多くのファンを生む。妊娠、出産を経て2021年復職。各地でレッスンを開催する他、オンラインヨガサービス「UCHIYOGA+」を担当。4歳の女の子のママ。
【Step.1】よつんばいになり背筋を伸ばす(A)
【Step.2】息を吸って、吐きながらお尻を右から後ろに回し、かかとの方にぐっとひく(B→C)
【Step.3】息を吸ってお尻を左から前に回す(D→E)
【Step.4】最初の姿勢に戻る(F)
息を吐いて同様にお尻を回す。右回り(上から見た時に時計回り)を5回行ったら、左回りも同様に5回行う。
\ヒップサークル ポイント/
- 起きがけの腰回りを優しくほぐすヨガ。お尻を後ろに引くときには肩の力を抜き、上体が自然に床に近づくように意識すると、股関節をより効果的にほぐすことができる。
- お尻の動きと呼吸を合わせ、呼吸がだんだん深まっていくのを感じ取ろう。
腰の凝り改善にも!3つの「お尻」ストレッチ
【1】「ヨガ式」お尻ストレッチ【動画】
おしりは立っていても座っていても負担のかかるすごく大きな筋肉。ここをほぐすことで、全身の血行もよくなり、腰痛改善効果も!
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【Step.1】足を腰幅程度に開いて、両手を後ろにつく
足を腰幅程度に開いて、両手を後ろにつきます。
【Step.2】片足のくるぶしをももの上にかける
片足のくるぶしをももの上にかけましょう。手で床を押して、胸を引き上げます。下のかかとを身体に引き寄せると、さらに深くストレッチができる。
【Step.3】軽くひざを左右に揺らす
軽くひざを左右に揺らして。背骨を伸ばし、上のくるぶしとももで押し合うようにしましょう。
【Step.4】反対側も同じように行う
動きを止めたら、足を開放して入れ替え、反対側も同じように行います。
【スリーピングスワン】
「うつぶせになって、さらにおしりをストレッチするスリーピングスワンというポーズです。」(密山さん)
【Step.1】あぐらで座り、手を前についたら、片脚を後ろに引く
脚を前に、あぐらになっていきましょう。手を前についたら、片脚を後ろに引きます。後ろの足の甲はまっすぐになるように寝かせます。
【Step.2】前足のかかとは、マットのフチと平行になるところに置く
すねと前のマットのフチが平行になるところまで、前のかかとを持ってきます。ただし、この状態でおしりが苦しいなと思う場合は、かかとをいくらでも身体に引き寄せてください。その分お腹が正面を向くのが大切です。
【Step.3】手で床を押して、身体を前に倒し、リラックス
\おへそがひざの方に傾かないように、かかとや足首に乗せるイメージで/
手で床を押して、息を吸って、吐く息で身体を前に倒しましょう。手のひらを2枚重ねて、おでこを預けるようにすると、リラックスできます。おしりが外側にじわじわと開いていきます。深い呼吸を繰り返して、ただただリラックスしていくポーズです。
【Step.4】ゆっくりと身体を起こして、あぐらに戻る
ゆっくりと身体を起こします。手で床を押しながら状態を起こしたら、後ろの脚を前にしてあぐらになりましょう。
【Step.5】反対側も同じように、Step.1~4を繰り返す
Step.4まで終えたら、あぐらに戻り終了です。
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初出:テニスボールでできる、おしりほぐし【やり方5選】
【2】腰痛もラクになる!|お尻のストレッチ
【Step.1】片足を反対足の膝の上に乗せて、4の字の形を作る
【Step.2】背中を伸ばしたまま上体をゆっくり前に倒す。
15~30秒キープ。左右行なう。
Point
このストレッチでも骨盤を立てることを意識できていればOK!【3】寝たまま簡単「中殿筋」ストレッチ
【Step.1】ベッドなどの上にあお向けになる
【Step.2】片脚のひざを曲げ、反対側の太ももの外側につく。
曲げたひざの外側に脚とは反対側の手のひらを添える。
【Step.3】曲げた脚のひざ下をベッドから下ろす
お尻に脚の重みを感じながら30秒キープ。お尻の横を伸ばす。脚を替え、反対側も同様に。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
女性のための整形外科 かおるこHappyクリニック院長。日本整形外科学会専門医。日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。2002年、東京女子医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室へ入局。国立埼玉病院、永寿総合病院、国立栃木医療センター、大久保病院を経て、2011年から2年間、米・Cleveland Clinicに留学。帰国後、慶應義塾大学整形外科教育担当専任を経て、2021年7月、帝国ホテル東京内に女性のための整形外科かおるこHappyクリニックを開業。現在は、同クリニック院長として女性の骨や関節に関する悩みに向き合いながら、慶應義塾大学病院で非常勤講師として骨粗しょう症外来も担当している。