頭皮ケアを始めるならいつ? シャンプーの選び方は? 産後の抜け毛は戻る? ヘアメーカーの開発者に聞く大人頭皮のあれこれQ&A集【1】
プロ専用のヘアプロダクツを数多く手がける日華化学株式会社 デミ コスメティクスの研究員・藤井義宣さんと、その製品を知り尽くすPR・菅野麻衣さんに、大人の髪悩み、頭皮悩みの対策を2回にわけてうかがいます。第1回は、頭皮ケアの素朴な疑問やシャンプーの選び方など、今さら聞くには恥ずかしい!? ヘア&頭皮ケアの基本について。
正確なことを意外と知らない…!? 頭皮のギモンにプロが答えます
美髪の土台作りとして大切な頭皮ケア。でも、意外と自己流で行っている人も多いのでは? せっかくやるなら効率よく、効果アップを狙いたい。そこで髪と頭皮を知り尽くすデミ コスメティクスのおふたりに気になる疑問をぶつけてみました。Q&Aの形式でお届けします!
今回は、頭皮と皮脂の関係や、頭皮ケアの基本など、8つの質問にお答えいただきました。
Q1:顔より頭皮のほうが皮脂量が多いのはなぜ?
A1:頭にある皮脂腺のほうが皮脂をたくさん作るから
「顔全体の毛穴の数は約20万個、頭皮の毛穴は約4万個ですが、頭皮の場合、ひとつの毛穴から2〜3本の毛が生えており、ひとつひとつの毛穴が顔の毛穴より大きいという特徴があります。また、皮脂は皮脂腺という器官で作られますが、頭皮には顔の2~3倍の皮脂腺があるといわれており、体の中で最も皮脂の分泌が多い場所です。
気になるその理由ですが、髪と毛穴の間に皮脂があることで摩擦が減って髪が生えやすくなるため、顔より頭皮の皮脂腺のほうが皮脂を出しやすいのでは、との説があります」(藤井さん)
Q2:頭皮ケアは何歳からやるのがいいですか?
A2:早いほうがいい!
「年齢が若いほど細胞も若いので、結果が出るのも早いです。頭皮ケアは、“出てきた悩みを解消するケア”とのイメージかもしれませんが、美しい髪を育むために頭皮のスキンケアは絶対に必要。髪の手入れも大切ですが、頭皮ケアは“土台底上げのベーシックケア”と意識してみてください」(菅野さん)
Q3:冬でも頭皮クレンジングは必要ですか?
A3:頭皮を健やかに保つために、クレンジングは年中必要!
「乾燥する冬は保湿対策を重視して、頭皮にたっぷりと“与える”ことは多いけれど、“落とす”ことへの感度は下がっています。
スキンケアでは、クレンジングと洗顔が大切といわれますが、それは頭皮にもいえること。汚れがきちんと落ちていないと、どんなに育毛剤や頭皮エッセンスをプラスしても、効果を発揮できません。頭皮の健やかさをキープするためには頭皮きれいに保つことが大事。
しかも冬は、汗をかくことが少ないために毛穴に汚れが残り、溜まっていることも。乾燥しているからといって保湿だけをするのではなく、頭皮や毛穴の汚れを落とすシャンプーやクレンジングも意識してみてください」(菅野さん)
Q4:シャンプーは1日に何回したらいいですか? おすすめの時間帯は?
A4:1日1回、ゴールデンタイムはきれいにしておくのが基本
「洗髪の回数に正解はありませんが、メーカーは、1日1回の洗浄を前提に製品を作っています。年齢を重ねて皮脂量が少なくなってきたら、必ずしも毎日洗浄しなくてもいいと思います」(藤井さん)
「よくいわれる肌のゴールデンタイム(22時〜2時)に、頭皮の汚れも落として睡眠に入っていることが理想です。睡眠中、成長ホルモンが出るタイミングで頭皮をきれいにしておくほうが細胞が活性化しやすいと思います」(菅野さん)
Q5:シャンプーやトリートメントの選び方のコツを知りたい
A5:大人の場合は、「髪より頭皮」の状態に合うものがいいかも
「毎日使うシャンプーやトリートメントの影響はとても大きく、使うシャンプーによって頭皮や髪の質も変わります。迷ったときは、シャンプーは肌質に合わせて、トリートメントやコンディショナーは髪のダメージやなりたい質感に合わせて選ぶと良いです。髪のプロである美容師さんに聞くのもGOOD。
また、シャンプーの後は、髪にトリートメントを使うものですが、今は髪と頭皮に使える頭皮用トリートメントがあることもぜひ知っていただきたいですね。顔は、洗顔して化粧水つけて…と、みなさん念入りにスキンケアしますが、同じ皮1枚でつながっている頭皮に同じケアをしている人は少ないのでは? 頭皮用化粧水や頭皮用のトリートメントをつけて頭皮のコンディションを整えるのも美髪の秘訣です。
なお、多くのトリートメントやコンディショナーは髪専用なので、頭皮につかないように塗布します。いっぽう、『頭皮用』をうたうトリートメントは、頭皮から髪全体につけることができます。一度に頭皮と髪の両方のケアができるのがポイントです」(菅野さん)
Q6:自分の頭皮の皮脂が多いのか少ないのか…どうすればわかりますか?
A6:シャンプーをしてから2時間後の頭皮状態で判別を
「髪を洗ってから2時間後に、頭皮の毛穴から出た皮脂が全頭に行きわたるといわれています。そのタイミングで指の腹で頭皮をこすってみて、指がぬるついたりテカったり、脂っぽいニオイがしたら脂性。逆にカサカサしたフケっぽいのがついたり頭皮がザラッとするようなら乾燥傾向です」(藤井さん)
Q7:産後の抜け毛がひどい! このままだったら…と不安です
A7:女性ホルモンのバランスが戻れば髪も戻ります
「いわゆる産後脱毛症です。妊娠中は女性ホルモンが優位になり、出産を終えるとそれが一気に少なくなります。女性ホルモンはヘアサイクルの成長期を延ばす働きがあるといわれているため、女性ホルモンが減少すると髪の成長が終わって抜け毛が増えるのです。これは一時的な脱毛で、女性ホルモンの量が戻れば脱毛も収まります。
女性ホルモンと髪には関係性があると考えられていて、初経、妊娠・出産、閉経のタイミングで大きく髪質も変わるともいわれています」(藤井さん)
資料提供/イーラル株式会社
Q8:分け目が目立ってきたり、つむじ周りの髪が薄くなったり。頭頂部の髪が少なくなるのはなぜ?
A8:体の末端で血管が細く、もっとも重力を受けていて、紫外線の影響も大きいから
「頭頂部は、帽状腱膜という繊維状の筋膜に覆われていて、自力で動く筋肉はありません。そして、体の末端のため血管自体が細く、体の中でもっとも重力を受けている部分。よって、血行不良になって栄養が届きにくいのです。
そこで、外から手を使って帽状腱膜につながっている頭筋を動かし、血流をアップさせると良いといわれています。サロンでのヘッドスパやヘッドキュアなどを取り入れるといいでしょう。
また、頭頂部は体の中でいちばん紫外線が当たる部分でもあります。紫外線による日焼け→頭皮の乾燥→頭皮の環境悪化→健康な髪が育ちにくくなる、という影響もあります」(藤井さん)
「東洋医学では髪のことを“血余(けつよ)”といいます。体の他の部位に血や栄養を行きわたらせたあと、最後に余った血が巡ってくるのが髪だと考えられているためです。つまり、『髪が美しい』ということは、『全身に栄養が行き届いている』証でもあるのです。さらにいえば、いつでも髪が美しく見えるようにお手入れをしておくことで、自身の健康をアピールできるということ。ヘアケア、そして髪を育む頭皮ケアには、そんな考え方も秘められていると思いますね」(菅野さん)
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ヘアメーカーの開発者に聞く大人頭皮のあれこれQ&A集 第2回は コチラ !
日華化学株式会社 デミ コスメティクス PR
菅野麻衣さん
約6年間、都内で美容師として活動後、2007年に日華化学株式会社 デミ コスメティクスにインストラクターとして入社。約13年間にわたり、カラーやパーマなどのケミカル分野からヘッドスパ、頭皮・皮膚知識まで幅広い美容師向けの講師活動を国内外で行う。長年培った経験と知識を活かし、現在はPR・広報担当として活動中。
写真/Getty Images 構成・文/斉藤裕子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
福井県出身。金沢大学卒業後、2006年に日華化学株式会社入社。入社以来、17年間化粧品の研究開発一筋でヘアカラーやスタイリング剤、ヘアケアなどさまざまな商品を担当。豊富な知識と経験でヒット商品を続々と開発し、多くのスカルプケア商品の開発にも携わる。新商品であるDEMI DO(デミドゥ)では開発責任者として開発全般の指揮を執る。