“あるあるストレス”への対処法を伝授!【落ち込み方タイプ別】

寒暖差のある気候や生活環境など、何かと変化の多い春は、どうしてもストレスフル。疲労が積み重なって不調が起こりやすいココロを上手にケアするために、自分の落ち込み方をタイプ別にチェックして傾向と対策を練るべし!SNSで話題のメンタル系イラストレーター・なおにゃんさんの応援メッセージも♡
自分にはどんな認知のゆがみがあるのかを探る作業が肝心
「春になるとメンタルが不調になるのは、単に季節の変化や新しい環境に慣れないストレスから来るものだけでなく、年末年始から蓄積された疲労がちょうど出やすいタイミングであることも要因のひとつ。まずは、体を疲れさせないようにすることが、心の健康も保つことと意識してください。その心掛けだけで、毎日の食事や睡眠との向き合い方も少し変わってくると思います。基本的に人間は疲れると不安感が増幅してしまうもので、ネガティブ思考や白黒思考といった“認知のゆがみ”が生まれてしまいます」と早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介先生。
ストレスフルな環境で心が疲弊し、認知のゆがみが生じていると感じたときは、いかに“ご自愛”できるかが大切。それには、ストレスを受けたときに自分はどんな落ち込み方をしやすいかを知ることから始めてみましょう。
下の表ではそれらを4タイプに分けてみました。ただ、これは生まれながらの性質ではなくて、現在置かれている環境によって変動するものです。バランスを保つには「どっぷり沼」タイプなら「ゆらゆら」タイプ、「とげとげ」タイプなら「もんもん」タイプといった具合に、対極にあるタイプを目指してください。自分がどのタイプでも常に中庸を心掛ければ、認知のゆがみも回避できます。
また、何か問題があってストレスを抱えたとしても、「心の問題=脳機能の不具合」として捉えると感情に支配されにくくなり、自己の理解にもつながるはずです。自分の心に向き合いながら、ご自愛プランの最適解を探っていきましょう。
ストレスを受けたとき、どんな落ち込み方をする?
まずは、人間関係や仕事などでストレスを受けたとき、どんな風に落ち込みやすいかを確認。チェック項目がいちばん多かったところが自分のタイプです。
何かに依存してしまいがち…どっぷり沼タイプ
ダメージを受けると、アルコールやギャンブル、買い物やスマホなどに依存してしまう傾向にある。運動をして体を鍛えたり、読書で知識を得るなど自分の身になる趣味をもつことが好き。
- 休日は家にいるより外出する方がリフレッシュできる
- いつも同じ仲間と一緒にいたい
- 短調な仕事は飽きやすい
- 悩み事は寝れば忘れられる
周囲の人へ被害を与えがち…とげとげタイプ
ストレスを感じることがあると、他者に攻撃的になってしまったり、怒りを周囲に向かって発散させる傾向にある。得意なことは、仕事のチームや仲間同士でリーダーシップを発揮したり協力し合うこと。
- 人とおしゃべりすることが好き
- 新しいことにも積極的に取り組む
- 直感で動くことが多い
- 悩み事は人に相談して解決法を探る
自分の殻に閉じ込もりがち…もんもんタイプ
完璧を求めすぎてうまく行かなかったときに自分を責めたり、柔軟な対応ができなくなって、ひとりで悩み続ける傾向にある。得意なことは、自分自身や物事に真摯に向き合い内省を深めること。
- まず計画を立ててから行動する
- 友人は少ないけれど深い関係を築く
- ひとりの時間がないとしんどい
- 悩みは自分で解決することが多い
周囲の意見に左右されがち…ゆらゆらタイプ
他人と比べて自己肯定感を下げたり、調和を意識しすぎて雰囲気に流され後悔に押しつぶされる傾向にある。得意なことは、常に他者を思いやり感謝の気持ちをもつなどコミュ力が高いこと。
- 社交的で世渡り上手
- 良くも悪くも刺激を受けやすい
- 空気を読みすぎて疲れることが多い
- 悩みがあってもフタをしがち
落ち込み方のタイプ別に対策を練ろう! あるあるストレス劇場&メンタルご自愛プラン
どっぷり沼タイプ
健康を意識して運動をしたり、知識を増やすために読書をしたりインプットをする力に長けている一方、内省が足りず他責思考になってしまう一面も…。
【あるあるストレス】ぜ〜んぶ、あのイヤなヤツのせいだ!
当たり前を見つめ直すことで視野が広がってイライラも軽減
他責思考が強いと自分の問題に気づきにくくなるため、根本的な解決に至らずストレスがたまり、買い物など即効性のある快感に逃避する場合も。他人の行動に感謝する視点をもつと許容範囲が広がって、イライラの軽減につながります。いつも支えてくれる家族に感謝するなど、身近なところから始めてみて。
とげとげタイプ
人が集まる場面では協力し合って進めることができるため、リーダーシップを発揮して頼られる存在。一方で、期待に反することに出合うと攻撃的になりがち…。
【あるあるストレス】期待に応えてくれない後輩にイラ〜ッ
早い段階でイライラを察知し自分の感情を振り返る習慣を
自己プロデュース能力は高いけれど、自分ではコントロールができない分野への対処がやや苦手。ご自愛をするには、コントロールできないものがあることを受け入れて完璧主義な部分を緩めること。もし「イラッ」とした場面に遭遇したら、自分は何にイラだっていて、不満なのかを自問自答する習慣を身につけると◎。
もんもんタイプ
自己理解が深いため冷静な判断ができると同時に、他者への共感力も高いので相手の立場や感情に寄り添うことが得意。でも、内省が深まりすぎると…。
【あるあるストレス】どうして…どうして返信がないの!?
内省の深めすぎに注意して何か没頭できる時間をもとう!
考えすぎてしまう傾向があり、必要以上に物事を深く掘り下げて頭の中が忙しくなり、心身ともに疲弊することも。仕事や趣味に没頭することで「今」に集中できれば、もんもんとした時間を回避できるように。また、内面ばかりでなく外に向けたエネルギーが増えるとストレスも軽減されます。
ゆらゆらタイプ
他人の意見を尊重できるのでコミュニケーションが円滑になる一方、雰囲気に流されやすい傾向も。こうした状況が重なると後悔が積み重なりストレスフルに…。
【あるあるストレス】いっつも雰囲気に流されてしまう自分にうんざり…。
自分の意見を大切にしたいと思える学びや趣味を見つけてみよう
他人の目や評価を気にしすぎて、自分の意見や感情を抑えてしまうと納得できずストレスはたまり、自己肯定感を下げることにもつながります。原因のひとつはインプットが足りていないこと。学びになる趣味を見つけることで視野が広がり、「自分の意見や感性を大事にしたい」というご自愛精神も生まれやすい。
『美的』2025年5月号掲載
イラスト/なおにゃん 構成/宮田典子、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
防衛医大卒業後、防衛医大病院、自衛隊中央病院などを経て、早稲田メンタルクリニックを開院。メンタル系YouTuberとしても活躍中。@masudatherapy