お悩み別ケア
2021.3.17

ニキビによる皮脂詰まり「コメド」って何?医師に聞いた出来る過程や治療法をご紹介

ニキビの出来る過程で出現する「コメド」と言う言葉聞いたことありますか?「コメド」について医師に対処法などを伺いました。保険対応や自費で出来るクリニックでの治療方法とおすすめのクリニックもご紹介します。

「コメド」が出来るまで

アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医

太田 理会医師

「コメド」が出来るまで

「ニキビの第一段階では、古い角質や皮脂の分泌量が増えることで毛穴の出口が狭くなります。次に、毛穴に皮脂が溜まり、面皰と呼ばれるコメドができます。

コメド内部では、アクネ菌が増え始め、皮膚の内側で炎症が起こり始めます。そして毛穴まわりが赤く腫れあがり、赤ニキビとなります。そこに膿がたまると黄ニキビとなり、さらに進行すると、硬結という、硬く盛り上がった状態になります」(太田医師・以下「」内同)

「コメド」の対策

【1】ピーリングや圧出

「コメドの場合、毛穴に角栓や角質が詰まっている状態。これを取り除くためには、ピーリングや圧出(専用の器具で中身を押し出す)が効果的です。ピーリングというと自費治療のイメージがありますが、実は自費以外にもピーリング剤の処方という治療法があります。具体的に言うと、ディフェリンゲル、ペピオゲル、デュアックゲル、エピデュオゲルという4つの塗り薬がピーリング剤の一種なのです。

使用法は、1日1回夜、スキンケアの最後に塗って、翌朝洗顔すればOK。12歳以上であれば処方が可能で、思春期の子たちが頻繁に皮膚科へ来なくても、自宅でコントロールできるように…というお薬です。

とはいえ、乾燥肌の人が使用すると真っ赤になってしまったり、かえってカサつくなどの注意点もあります。2日に1回などと回数を減らしたり、部分的に塗ることもありますが、どちらかというと毛穴が詰まりやすい人に向いているでしょう。医師に相談してみてくださいね」

 

「赤ニキビや黄ニキビに限らず、コメドも芯を押し出す圧出を行うことで治りが早くなることも。コメドは2パターンあって、毛穴が開きブツブツが目立つようなものをオープンコメド(開放面皰)と、毛穴が閉じて白く盛り上がったものをクローズコメド(閉鎖面皰)といいます。オープンコメドかクローズコメドかにより、若干治療法が変わってきます。

オープンコメドの場合は、毛穴が開いているのでコメドプッシャーという器具を使い、毛穴に詰まっている芯を押し出していきます。しかし、クローズコメドの場合は毛穴が塞がっているため、針などを使用して毛穴に穴をあけ、そこから圧出を行います。

繰り返しになりますが、ニキビ全般において、自分でむやみに触ったり、潰すのはNGです。菌が入ったり、ニキビ跡になって残ってしまうなど、炎症が広がってしまう恐れがあるからです。自分で針を火であぶったり、アルコール消毒すれば大丈夫じゃない?と思う人もいるようですが、絶対にダメ!おすすめできません。

コメドの段階で皮膚科を受診し、正しい治療を行うことで、ニキビが悪化する前に治すことが可能です。悩んでいる人はぜひ一度ご相談くださいね」

 

【2】ノンコメドジェニック処方のものを使用する

「ノンコメドジェニックとは、ニキビができにくい製品かをテストし、その結果ニキビができにくいと証明されたものです。ノンコメドジェニックと表記されている中でも、脂肌用、敏感肌用、乾燥肌用など種類が分かれているので、自分の肌に合ったものを選んで」

 

クリニックで出来る「コメド」治療5選

皮膚科医

小林智子先生

保険診療内で受けられる治療は、塗り薬の処方のほか、毛穴詰まりを解消する“面ぽう圧出器”などによる治療があります。
「ニキビは自己流のケアをする人が多いのですが、時間がたって痕になっていなければ保険診療でも完治でき、初診料を入れても数千円程度の費用。以前は抗生剤の処方が中心で、長期服用で耐性ができて効かなくなる問題が指摘されていました。今、代表的な薬は“ベピオ”。皮脂を抑えて毛穴の詰まりを解消する作用と抗菌作用があります。“ディフェリン”はレチノイド(ビタミンA誘導体)と似た構造をもち、角質を柔らかくして毛穴の詰まりを防ぎます。白&赤ニキビにはこの2種が主流で、炎症がひどければ抗生剤をプラスします」(小林先生・以下「」内同)

【1】保険診療内:面ぽう圧出器で白&赤ニキビを治療

細い針や、“面ぽう圧子”という中央に穴があいた器具を患部ひとつひとつに押し当て、毛穴に詰まった皮脂や角質を除去。ときに出血や痛みを伴うこともある。

【2】自費診療:マイクロニードル治療

「真皮層など皮膚の奥深くまで炎症を起こしているニキビ痕は、日本の承認薬で完治させるのは厳しく、自費診療での治療になり、何度も通院が必要になる場合も。レーザー照射のほか、マイクロニードルや光治療は真皮層まで刺激を与え、肌の新陳代謝を促すことで色素沈着や表面の凹凸をなめらかに。酸性の薬剤で皮膚の一部を剥がして肌の再生を促すピーリングもニキビ治療に有効ですが、日本の薬剤は低濃度なので、痕へ進行したものは完治が困難」

ニキビ痕に。細い針をローラーのように皮膚に刺して薬剤を注入。コラーゲンの生成を促し肌の凹凸を解消。

【3】自費診療:フラクショナルレーザー治療

膿のある赤ニキビやニキビ痕に。レーザーで患部に穴をあけ、深部にたまった膿を排出。また、照射した皮膚組織を壊して新しい肌に再生させることもできる。

【4】自費診療:ケミカルピーリング

サリチル酸によるピーリングで肌のターンオーバーを促す。

【5】自費診療:PTD光照射

脂性肌を解消する光照射のPTD。

3つのおすすめのクリニック

【1】スキンクリニック 山本皮フ科

ニキビに合わせてレーザーもセレクト
レーザーマシンが複数種あり、ニキビの状態に合わせて治療。フラクショナルレーザーは炭酸ガスを用いたCO2RE(コア)という機械を導入し、従来より色素沈着のリスクやダウンタイムを抑えられる。

【住所】愛知県豊橋市平川本町1-2-11
【TEL】0120-038-312

●フラクショナル炭酸レーザー 頬¥45,000、ヴェルベッドスキン(マイクロニードル)全顔¥35,000

【2】六本木 さとうクリニック

手軽な料金設定で予防から治療まで
レーザーはアジア人のために開発されたeCO2フラクショナルで治療。ほかにもサリチル酸によるピーリングで肌のターンオーバーを促したり、ビタミンCイオン導入でニキビの予防から治療まで対応。

【住所】東京都港区六本木7-14-11 メトロシティ六本木6F
【TEL】03-5771-4871

●フラクショナルレーザー 頬&鼻¥10,000 ケミカルピーリング¥5,000など

【3】渋谷スキンクリニック

ホームケアも含め多彩なメニューを提案
毛穴ケアに関する著書がある院長のもと、ニキビを多角的に捉えて治療を組み合わせ、早く改善。コメド圧出の治療を基本に、レーザー、脂性肌を解消する光照射のPTD(写真)、ピーリングなども行う。

【住所】東京都渋谷区神南1-3-4 神南ビル3F
【TEL】03-6455-1900

● 完全予約制
●PDT顔全体¥47,000(初回)、レーザーフェイシャル¥17,000~など

 

※クリニックの料金は取材当時の金額となります。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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