ニキビを1日で治すのは可能?皮膚科医に聞いた赤・白ニキビを早く治す方法とNG行為
いくつになっても肌トラブルの悩みは尽きない…特に目立ってしまいがちな「大人ニキビ」は1日でも早く治したいもの。そこで、正しいケア方法や、スキンケアのコツを、専門家の方からアドバイスをいただきました。早速実践して、ニキビレスな肌を手に入れましょう!
大人ニキビ発生の原因とは?
【顔のパーツ別】大人ニキビができる理由
「ニキビができる部位として代表的な額、鼻、口周りと、フェイスラインや顎などのいわゆるUゾーン、頭、背中にできるニキビの原因と、それぞれの原因に合わせたケア方法をお伝えします」(山屋先生・以下「」内同)
【額】
「皮脂が多い10代〜20代前半はTゾーンや頬にニキビができやすいですが、20代後半になっても額にニキビが出る場合は、乾燥とスキンケアの油分過剰や、こすり過ぎなどの間違ったスキンケアが原因の可能性があります。
シャンプーやトリートメントなどのヘアケア剤、洗顔料のすすぎ残しがないようにするということも基本の予防策です。そして、刺激や汚れの原因となる髪の毛が肌に当たらないようにするなどの工夫も有効です。スキンケア時にできるだけ摩擦がないように気をつけることや、オイルやクリームなどの油分が多すぎるアイテムはニキビができやすい部位には使用しないといった、スキンケア習慣の見直しも必要です」
- ヘアケア剤や洗顔料のすすぎ残しがないようにする
- 髪の毛は肌に当たらないように工夫する
- スキンケア時の摩擦に気をつける
- 油分が多いスキンケアアイテムはニキビができやすい部位には使用しない
【鼻】
「皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい部位です。また、角栓が気になってゴシゴシとこすり洗いをしてしまったり、角栓を取ろうと爪で引っ掻いたりしていると、刺激になるとともに、細菌が入ることからもニキビができやすくなります。
また、今はマスクをしている時間も増え、マスクですれやすい場所のため、刺激が原因となり、ニキビができやすくなっています。
まずは長時間洗う、こすり過ぎ、皮脂を取り過ぎるなどの“落とすケア”をしていないか確認して、思い当たる部分があれば控えるようにしましょう。そして、ニキビや角栓のNGケアとなる、角栓を無理に取ることは控えましょう。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう」
- 落とし過ぎのケアをやめる
- 角栓を無理に取ることをやめる
- 触り癖をなくす
【口周り】
「食べ過ぎや偏食などで胃腸が弱ったりすると、口周りにニキビが増えると言われています。また、フェイスライン同様に口周りもヒゲが生える場所ですから、男性ホルモンの影響が強いとされていて、ストレスにより悪化する傾向にあります。体質的なものとしては、産毛が濃い人は毛穴が詰まりやすいため、それが原因となって、ニキビが発生することもあります。
胃腸が原因だと思う場合は、食事のバランスに気を使うようにしましょう。男性ホルモンの影響が考えられる場合は、ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにすることも大事になってきます。産毛が濃い場合は、脱毛をするというのも手です」
- 食事のバランスに気をつける
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 産毛が濃い場合は脱毛も有効
【フェイスライン、顎、顎裏】
「フェイスラインなど、いわゆるUゾーンにできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、そのほか、過度のストレスや睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど、複数の原因が重なって発症されると言われています。
ストレスなどでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌が硬くなることからニキビができやすくなります。
また、ついついやってしまいがちな、頬杖をついたり、触ったりするという癖もフェイスラインのニキビのきっかけになります。触り癖がある場合は、触らないようにする努力も必要です。
また、マスク生活の今は、マスクですれやすい場所にもなるため、その刺激からもニキビが出来やすくなっています。できるだけ顔の形に合ったマスクを選び、摩擦を最小限にするようにしましょう。
偏った食事なども影響すると言われているので、食事のバランスに気をつけるなどの気遣いも大切です」
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 触り癖をなくす
- 顔の形に合ったマスクをする
- 食事のバランスに気をつける
ニキビの「進行レベル」は色で見分ける
「ニキビができるまでの過程は、まず角質肥厚が起こることからはじまります。そのあと、毛穴が塞がり、毛穴に皮脂が溜まることで白ニキビができます。
白ニキビが酸化したものが黒ニキビ。白ニキビからアクネ菌が増殖して炎症を起こしたものが赤ニキビ。赤ニキビが進行して、膿が溜まったものが黄ニキビになります」
- 角質肥厚が起こる
- 毛穴が塞がる
- 毛穴に皮脂が溜まる(白ニキビ)
- アクネ菌が増殖して炎症が起こる(赤ニキビ)
- 膿が溜まる(黄ニキビ)
「ニキビの初期段階。肌のターンオーバーがうまく行かず、角質が肥厚し、毛穴が詰まることで中に皮脂が溜まったまま、膨らんだ状態のもの。赤く腫れるような炎症はなく、毛穴が閉じたままで、皮膚が盛り上がっているのが特徴で、痛みはありません」
■白ニキビが進行:黒ニキビ
「白ニキビが進行し、毛穴の入口が開くことで毛穴に詰まったコメド(角栓)が空気にさらされ、酸化して黒く変色したもの。白ニキビ同様、炎症や痛みはありません」
■炎症をおこしている:赤ニキビ
「毛穴に溜まった皮脂を栄養として、アクネ菌が増殖し、炎症を起こして硬く盛り上がっている状態。触れると少し、痛みを感じる場合もあります」
■赤ニキビが進行して痛み発症:黄ニキビ
「赤ニキビがさらに進行した状態。中心に白または黄色っぽい膿が見えます。皮膚が薄く、破れやすくなっています。ニキビがかなり悪化した状態なので、触ると痛みやかゆみを感じることもあります」
大人ニキビができやすい生活習慣とは
■ストレス
- ストレスがたまると自律神経が乱れ肌の血流が悪くなり、ターンオーバーが乱れて免疫力が低下しニキビに。
- ストレスホルモンが過剰分泌されると皮脂分泌が促されニキビが悪化することも。
■乾燥
- 水分を保持できる肌状態ではないため角質がたまりやすく、それが毛穴に詰まってニキビの原因に。
- 乾燥しているため、肌が不必要に皮脂分泌を促してしまいニキビができる場合も。
■寝不足
- 寝ているときに上昇するホルモンが上昇せず、体に不調をきたしストレスとなり悪循環に。
- 長時間メイクをしたままだと肌への負担や、メイクが毛穴に詰まってニキビになることも。
■食生活の乱れ
- 高糖質、高脂質食の過剰摂取や、ビタミンB・C、たんぱく質の不足はニキビの原因に。
- 食物繊維や発酵食品の不足などにより腸内環境が悪化すると、ニキビの発生につながる。
■生理前
- 皮脂分泌が増え、ニキビの原因に。
- 生理前や生理中は自律神経が乱れやすく、肌に影響することも。
■摩擦
- 洗顔やメイクブラシなどで過度に摩擦を与えると、守るべき角質層にダメージを与え悪影響を及ぼすことも。
- 摩擦により角質層が固くなり皮脂が詰まってニキビに。
ニキビを1日でも早く治す「4つのケア法」
【1】「抗炎症コスメ」で保湿&鎮静
【How to】
- ニキビ部分を摩擦しないように、手のひらで包み込むようにコスメをなじませましょう。
- コスメは、抗炎症成分入りで、ニキビを誘発させない「ノンコメドジェニックテスト済み」の保湿アイテムを選ぶと安心です。
【おすすめアイテム】
■ドクター津田コスメラボ|TSUDAコスメティクス スキンバリアクリーム
価格 | 容量 |
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¥6,050 | 35g |
■常盤薬品工業 ノブ|ACアクティブ フェイスローション モイスト[医薬部外品]
価格 | 容量 |
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¥3,300 | 135ml |
■エリクシール ルフレ|バランシング みずクリーム
価格 | 容量 |
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¥1,980(編集部調べ) | 60g |
【2】ニキビ用の薬の「スポッツづけ」
【How to】
- 綿棒の先にニキビ薬を含ませて、そっとおくように。
- トラブル部分に刺激を与えず的確に薬を塗れます。
【おすすめアイテム】
■第一三共ヘルスケア マキロン|アクネージュ メディカルクリーム[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,320(編集部調べ) | 18g |
- 殺菌成分入り。
【3】抗炎症&殺菌成分の「市販薬」で素早くケア
薬剤師・美容家
花田真理さん
薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
「まずは炎症を鎮める“イブプロフェンピコノール”とアクネ菌を殺菌する“イソプロピルメチルフェノール”の両方が配合された治療薬を。膿をすぐ治したい場合は『テラ・コートリル(R)軟膏』がおすすめ。炎症を抑えるステロイドと、菌を殺す抗生剤を配合。処方薬にも使われる成分ですが、使い続けると菌に耐性ができる、免疫力低下などの副作用が。使用は数日と短期間に留め、綿棒などで患部だけに塗って」(花田さん)
【おすすめアイテム】
■資生堂薬品 イハダ|アクネキュアクリーム[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥880 | 16g |
- 炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。
- 素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。
- ベタつかないジェルクリームタイプ。
■ライオン|ペアアクネクリームW[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,045 | 14g |
- 有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。
- 抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。
- クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。
価格 | 容量 |
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¥1,100(編集部調べ) | 6g |
- 膿んでいるひどいニキビに◎。
- 抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。
- 長期使用で赤みが出ることも。
【4】「ビタミンAやC」配合コスメをチョイス
皮膚科医
小林智子先生
医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
薬剤師・美容家
花田真理さん
薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
「ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、毛穴ケアにも不可欠」(小林先生)
「“レチノール(ビタミンA誘導体)”はニキビ治療薬の成分“アダパレン”に近い働きをし、肌の新陳代謝を促します。『エンビロン』のコスメはビタミンAの配合量が多くておすすめですが、肌が弱いと赤くなることも。注意しながら使い、痛みや皮膚の赤みがひどい場合は使用を中止してください」(花田さん)
【おすすめアイテム】
■プロティア・ジャパン|エンビロンモイスチャークリーム1※
価格 | 容量 |
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¥4,180 | 25ml |
- ビタミンA が濃厚で肌を修復。
- 新陳代謝を促すビタミンAの濃度を4段階で選べるシリーズ。
- ビタミンC、Eなどの美容成分も配合。
ニキビを予防する「3つのスキンケアのコツ」
【1】クレンジングは小動物をなでるタッチで、優しくクルクル
【STEP 1】力を抜いて、大きく素早く円を描くように広げる
頬や額など、顔の広い範囲からスタート。指の腹が直接肌に触れないように意識しながら、大きく円を描くように指をゆっくり優しく動かしていく。
【STEP 2】細かい部分は薬指や小指でより優しくクルクル
あご周りや小鼻は薬指でクルクル。皮膚が薄い目元は薬指と小指を使い、上まぶたの目頭側から目元をゆっくり1周させてメイクオフ。クレンジング剤を長時間肌にのせることも、乾燥の原因。STEP 1を含め、約1分以内に終わらせよう。
【STEP 3】すすぎも“滑らせ禁止”! 事前の乳化もお忘れなく
\OK/
\NG/
約30℃のぬるま湯(流水)を両手のひらですくい、肌へ垂直に当てるだけ。正面10回、顔を横に向けて頬を左右5回ずつ、額5回、あご5回を目安にすすいだら、鏡ですすぎ残しがないか確認を。
【2】洗顔は「泡で優しく」が基本
【1】しっかり弾力のある泡を作る
手と顔を濡らし、洗顔料を適量とって、ぬるま湯を加えながら泡立てる(泡立てネットを使ってもOK)。両手に軽く1杯程度の泡を作って。
【2】顔全体に泡をのせ優しく洗う
作った泡をとりあえず顔全体にのせ、額→鼻→あご→頬と、皮脂が多い所から順番に、泡を肌の上で転がすようにして優しく洗う。
【3】脂っぽい部分は指の腹で丁寧に
小鼻の周りや眉の中など、脂っぽかったり毛穴詰まりが気になる部分は指の腹で優しく洗う。ぬるま湯で顔全体を何度も丁寧にすすいで。
【4】洗顔後、肌の状態をチェック
肌が赤くなっていたり、小鼻の周りにベタつきが残っている場合は洗い方を見直して。多少突っぱるのは、洗顔後すぐに保湿すれば問題なし。
【3】「乳液ピーリング」で不要な角質や皮脂をケア
美容家
小林ひろ美さん
『美・ファイン研究所』主宰。驚異の美白肌と、取り入れやすい美容論にファン多数。雑誌やTVのほか、美容セミナー、商品開発まで幅広く活躍。近著は『小林ひろ美の10秒美肌マジック』(青春文庫)
(1)乳液を肌に惜しみなくたっぷりのせる
洗顔後タオルで拭いたら、顔全体に、乳液でパックをするように、厚めにのせる。
「これだけで水分と油分が同時に肌の奥へと浸透し、柔らかくほぐれていきます」(小林さん)
(2)ホットタオルで蒸してから、優しく拭き取る
ホットタオルを作り、30秒程度肌の上にのせて蒸す。その後に、乳液を優しく拭き取って。
「本当に不要な角質や皮脂だけが取れて、明るくふくふくな肌に!」(小林さん)
編集部が取材!市販のニキビ対応アイテム【3選】
ロート製薬 メンソレータム|アクネス25メディカルクリームC[第2類医薬品](左)
価格 | 容量 |
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¥1,320 | 16g |
- 赤ニキビの炎症を鎮静
- アクネ菌を殺菌し赤ニキビの炎症を鎮める
エーザイ チョコラBB(R)プラス[第3類医薬品]
- 肌荒れやニキビなどの肌悩みを内側からケアしてくれるのが、サプリメント「チョコラBB(R)プラス」。
- 体の中で直接働く主成分“活性型ビタミンB2”が肌のターンオーバーの正常化を助け、トラブルに負けない肌を目指す。
- 肌ケアと疲れケアに効果的なB群(B6やB1など)を配合し、栄養不足をコントロール。
- 1日2回飲むだけなので、「忙しくてスキンケアに時間をかけられない」という人も続けられそう!
価格 | 容量 |
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¥1,280/¥2,380/¥3,380/¥4,480 | 60錠/120錠/180錠/250錠 |
ライオン ペアA錠[第3類医薬品]
- “新陳代謝”に着目したのが「ペアA錠」。
- “グルクロノラクトン”“L-システイン”“生薬ヨクイニン”“ビタミンB2&ビタミンB6”の5つの有効成分が新陳代謝を促し、体の内側から肌状態にアプローチ。
- 「いつも同じところにニキビができる!」「食生活が乱れたり、疲れたりすると、すぐニキビができる!」という人におすすめ。
価格 | 容量 |
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¥1,440/¥2,700 | 60錠(30日分)/120錠(60日分) |
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック