お悩み別ケア
2021.2.20

皮膚科医に聞く!大人ニキビの治療薬、おすすめは?【処方/市販】

突然現れる大人ニキビ…自己流で対処しようとしていませんか?自己流のケアでひどくなる前にクリニックでの治療も検討してみて。皮膚科医がニキビを治すために処方する「塗り薬」と「飲み薬」について解説。皮膚科医に行く時間がない…という人には!市販で買えるニキビによく効く「飲み薬」「塗り薬」をご紹介します。

大人ニキビができるメカニズム

ニキビの第一段階は「毛穴つまり」

アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医

太田 理会医師

毛穴の出口が狭くなる→コメド→赤ニキビ→黄ニキビ→硬結

「ニキビの第一段階では、古い角質や皮脂の分泌量が増えることで毛穴の出口が狭くなります。次に、毛穴に皮脂が溜まり、面皰と呼ばれるコメドができます。

コメド内部では、アクネ菌が増え始め、皮膚の内側で炎症が起こり始めます。そして毛穴まわりが赤く腫れあがり、赤ニキビとなります。そこに膿がたまると黄ニキビとなり、さらに進行すると、硬結という、硬く盛り上がった状態になります」(太田医師・以下「」内同)

 

ニキビができる「3つの原因」

「肌にニキビができる原因は3つあって、ひとつが角質が詰まってしまうこと、ふたつめが皮脂の分泌が多くなってしまうこと、そして3つめが皮脂に住んでいる常在菌や細菌が増えてしまうことです。
大人ニキビは年齢とともに肌のターンオーバーが乱れるために、角質が詰まりやすくなり、それがニキビを招く要因になります」

【1】角質が詰まってしまう

【2】皮脂の分泌が多くなる

【3】皮脂に住んでいる常在菌や最近が増えてしまう

「皮膚の生まれ変わり=ターンオーバーが遅くなることで、角化がうまくいかなくなり、毛穴が詰まってしまうことが原因とされています。

女性の場合、月経周期に伴い特に黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で月経前にニキビが悪化するひとも多いです。
また、食事やストレス、睡眠不足、環境の変化などから起こるホルモンバランスの乱れも影響してきます。

さらに多いのが、化粧品を変えたことなどの外的因子によるもの。この場合は、まずは原因となるものを取り除くことが最優先です」

 

ニキビができたら、こじらせる前に皮膚科へ

皮膚科医

小林智子先生

ニキビができてしまったら、自己流のケアでひどくなる前にクリニックでの治療も検討してみて。

「ニキビは自己流のケアをする人が多いのですが、時間がたって痕になっていなければ保険診療でも完治でき、初診料を入れても数千円程度の費用。以前は抗生剤の処方が中心で、長期服用で耐性ができて効かなくなる問題が指摘されていました。

今、代表的な薬は“ベピオ”。皮脂を抑えて毛穴の詰まりを解消する作用と抗菌作用があります。“ディフェリン”はレチノイド(ビタミンA誘導体)と似た構造をもち、角質を柔らかくして毛穴の詰まりを防ぎます。白&赤ニキビにはこの2種の薬が主流で、炎症がひどければ抗生剤をプラスします」(小林先生)

 

大人ニキビの皮膚科治療とは?

「まずは今できているニキビを治すため、塗り薬と、ニキビの状態によっては内服の抗菌薬が処方されます。

繰り返すニキビには、ピーリング効果のある塗り薬やで予防をしたり、ホルモンバランスの乱れを整えたり、皮膚の免疫力を高めてくれる漢方を追加することもあります。大人ニキビの場合は特に生活習慣の見直しも大切で、治りが悪いときは自費治療も選択肢のひとつです」(太田先生)

 

基本は塗り薬。炎症が強い場合は抗菌薬を処方。

「できてしまった赤ニキビには、ダラシンTゲルやダラシンTローション、アクアチムクリームやアクアチムローションなどの抗菌薬の塗り薬を使用します。さらに最近は、新しい抗菌薬“ゼビアックスローション”が登場し、従来の塗り薬があまり効かなかったという人に多く処方されるようになってきました。

炎症が強い人や赤ニキビが長く続いている人は、塗り薬にプラスして内服の抗菌薬が加わります。ルリッド、ミノマイシン、ヒブラマイシンなどがよく処方されますね」(太田先生・以下「」内同)

ビタミン剤も服用したほうがよい?

「クリニックでもビタミンB群やビタミンCを処方されることも多いと思います。ビタミンBの中でも、とくにビタミンB2やB6は角質や皮脂をコントロールし、皮膚をしっかりつくってくれるはたらきがあります。また、ビタミンCは、抗酸化作用や炎症を抑えてくれるはたらきがあります。

肌トラブルがあるはもちろん、日ごろから適量をしっかりとれるように心がけてくださいね」

 

「皮膚科」で処方される「塗り薬」7種類

『青山ヒフ科クリニック』院長、皮膚科専門医、医学博士

亀山孝一郎 先生

【1】ダラシン

アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。ゲルタイプとローションタイプがあり。

【2】アクアチムクリーム

アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。

【3】リンデロン

「ニキビ治療で処方するドクターもいるようですが、そもそもニキビの保険適用のお薬ではありません。

ステロイドのお薬なので、炎症は抑えるはたらきはありますが、皮脂分泌を促進、TLRを増強します。TLRはニキビの炎症のスイッチを押してしまう働きがあります。つまりニキビを作り、悪化させてしまうという、ニキビの悪循環が始まってしまうのです。

一時的なニキビの炎症は抑えても根本的な解決にはならないため、『青山ヒフ科クリニック』では、ニキビ治療には処方していません。アトピーや接触性皮膚炎の治療には用いることもあります」(亀山先生・以下「」内同)

【4】ゲンタシン

「抗生物質のお薬です。つまり擦り傷や切り傷、細菌性皮膚炎やおできの治療の際に用いることがあります。そのためリンデロン同様に『青山ヒフ科クリニック』ではニキビ治療には処方していません。

このゲンタシンでは、本質的なニキビ治療にはならず、あくまでも補助療法といえます」

 

【5】べピオ

過酸化ベンゾイルを成分とする薬。

【6】ディフェリン

アダパレンを成分とする薬。

【7】テラマイシン

テトラサイクリン系の薬(抗生剤)。

 

ニキビ用の塗り薬を塗るタイミング

化粧水と塗り薬、どっちが先?
「病院で出される薬には、ローションタイプのものもあれば、クリームのようなものもあるでしょう。その薬のタイプによって塗る順番は変えてください。

一般的に、スキンケアは油分の少ないもの→多いものという順番で重ねますが、塗り薬もその順番が正解です。
油分が多い塗り薬なら、化粧水の後に。水分が多いローションタイプのものなら、乳液やクリームを塗る前につけてください」(亀山先生・以下「」内同)

塗り忘れた!どうしたらいい?
「青山ヒフ科クリニックで出す薬はだいたい、1日2~3回塗ることを推奨していますが、塗り忘れることで症状が極端に悪化することはありません。ですので、塗り忘れに気が付いたときに塗ればそれでOK。

朝塗るのを忘れたのに昼ごろ気づいたら、気づいたときに塗ってもう一度夜に塗るもよし、夜まで塗り忘れに気がつかなかったら、その日は夜だけのケアでもOKです」

塗り薬の上から絆創膏を貼る早くよくなるって本当?

「本当ですが、注意が必要です。

ニキビができている肌はバリア機能が落ちていることがあります。バリア機能が低下していると、少しの刺激でも過敏に反応してしまうことがありますので、刺激を感じたら絆創膏を剥がして、そっとしておきましょう。

刺激を感じないようでしたら、絆創膏で保護することで薬が患部にしっかり密着して成分の浸透を後押しします」

 

「皮膚科」で処方される「飲み薬」3種類

【1】抗生物質

種類…レボフロキサシン、ロキシスロマイシン、ミノマイシン
効果…アクネ菌の殺菌効果
飲む期間…約2週間

「抗生物質はすごく効く人と全然効かない人がいます。薬を2週間飲んでも効かないと思ったら、抗生物質を飲むのをやめて、ピーリングなど他の手段を考えるべきでしょう」

2週間は様子を見て
「これはビタミン剤や漢方薬にも言えることですが、2~3日ですぐに薬の効果が出ることはありません。2週間は試してみないと、その薬が自分に合っているかどうかは分からないんです」自己判断で途中でやめたりせず、医師の指示をしっかり守りましょう。

【2】ビタミン剤

種類…ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、ハイチオール
効果…代謝促進、活性酸素消去、過剰反応を抑える
飲む期間…約2週間

【3】漢方薬

種類…桂枝茯苓丸加?苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)、清上防風湯エキス顆粒(セイジョウボウフウトウ)
効果…炎症を抑える、ホルモンバランスを整える、アクネ菌の殺菌効果
飲む期間…約2週間

「漢方薬の場合、“長く飲み続けないと効果が分からない”と思っている人が多いですが、これも2週間がひとつの目安。

2週間経っても、ニキビが改善しないようなら、いま飲んでいる薬が自分には合っていないということ。そのまま何ヶ月も飲み続けるなんて最善策ではないので、違う薬に変えるよう医師に相談してみてください」

飲み薬に副作用はある?

「ビタミンには副作用はありません。抗生物質や漢方薬には、場合によっては吐き気やめまいなどの副作用が出ることがあります」

 

「市販」の「飲み薬」2種類

【1】チョコラBB(R)プラス[第3類医薬品]

価格容量
¥1,280/¥2,380/¥3,380/¥4,480 60錠/120錠/180錠/250錠
  • 肌荒れやニキビなどの肌悩みを内側からケアしてくれるのが、サプリメント「チョコラBB(R)プラス」。
  • 体の中で直接働く主成分“活性型ビタミンB2”が肌のターンオーバーの正常化を助け、トラブルに負けない肌を目指す。
  • 肌ケアと疲れケアに効果的なB群(B6やB1など)を配合し、栄養不足をコントロール。
  • 1日2回飲むだけなので、「忙しくてスキンケアに時間をかけられない」という人も続けられそう!

【2】ライオン ペアA錠[第3類医薬品]

価格容量
¥1,440/¥2,700 60錠(30日分)/120錠(60日分)
  • “新陳代謝”に着目したのが「ペアA錠」。
  • “グルクロノラクトン”“L-システイン”“生薬ヨクイニン”“ビタミンB2&ビタミンB6”の5つの有効成分が新陳代謝を促し、体の内側から肌状態にアプローチ。
  • 「いつも同じところにニキビができる!」「食生活が乱れたり、疲れたりすると、すぐニキビができる!」という人におすすめ。

 

「市販」の「塗り薬」3種類

【1】資生堂薬品 イハダ アクネキュアクリーム[第2類医薬品]

価格容量
¥800 16g
  • 炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。
  • 素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。
  • ベタつかないジェルクリームタイプ。

【2】ライオン ペアアクネクリームW[第2類医薬品]

価格容量
¥950 14g
  • 有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。
  • 抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。
  • クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。

【3】ジョンソン・エンド・ジョンソン テラ・コートリル(R)軟膏a[第2類医薬品]

価格容量
¥1,000 6g
  • 膿んでいるひどいニキビに◎。
  • 抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。
  • 長期使用で赤みが出ることも。

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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