健康・ヘルスケア
2021.9.22

デリケートゾーンも保湿が必要なのはなぜ? どんな保湿剤を使えばいいの?【女医に訊く#166】

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デリケートゾーンをきれいにしたあと、保湿ケアをしていますか? デリケートゾーンの保湿は婦人科疾患の予防やQOL向上につながるといわれています。産婦人科専門医の吉形玲美先生に、デリケートゾーンの保湿ケアの目的と保湿剤の選び方についてうかがいました。

デリケートゾーンも保湿が必?

入浴後、顔や体だけでなくデリケートゾーンも保湿していますか? 顔や手足と違って外気に触れないデリケートゾーンは、乾燥というよりは常に蒸れている印象も……。果たして保湿する必要があるのでしょうか?

「デリケートゾーンも保湿が必要です」と話すのは、産婦人科専門医の吉形玲美先生。吉形先生によると、保湿の目的は乾燥予防だけではないそう。

「もちろん、デリケートゾーンの乾燥や痛み、匂いなどを防いで心地よく過ごすことも目的のひとつですが、ほかにも医学的に大切な目的があるのです」(吉形先生)

保湿ケアで腟内フローラを保とう

「腟口や尿道口は内臓につながっているため、そこからバイ菌が入ると、膀胱炎や細菌性腟炎、性病になりやすくなります」と吉形先生。

腟内や子宮内にはラクトバチルス属と呼ばれる乳酸菌が豊富に存在しており、腟内を酸性に保つことで、細菌性腟炎や性感染症、尿路感染症の原因となる細菌の繁殖を防いでいます。しかし、免疫の低下やストレス、睡眠不足、閉経などが原因で乳酸菌が産生されなくなると、自浄作用が低下し、悪玉菌が増えやすくなってしまうのです。

「腟内の乳酸菌が減ると、子宮頸がんの原因となるHPV感染や性感染症のリスクが高くなるだけでなく、着床障害により不妊症のリスクも高くなるという最近の研究があります。ラクトバチルス乳酸菌が入った保湿剤を腟の入り口にぬっておくことで、雑菌が腟に入ってくるのをブロックし、腟内フローラを保つのが保湿の目的です」(吉形先生)

デリケートゾーン専用保湿剤の選び方を教えて!

理想的な腟内は乳酸菌が豊富。乳酸菌含有のデリケートゾーン専用保湿剤でのケアは、腟内フローラの改善が期待され、婦人科疾患の予防やQOL向上につながるのでは考えられています。

「なかにはカンジダ腟炎を防ぐような抗菌剤が入った保湿剤もあるのですが、カンジダ腟炎ではない状態で使い続けると、善玉菌まで殺してかえって自浄作用が下がってしまう可能性があるかもしれませんので注意してください」(吉形先生)

おすすめは、香料は控えめで弱酸性=腟内の善玉菌である乳酸菌が含まれているデリケートゾーン専用の保湿剤。入浴後だけでなくアンダーヘアの処理後にもしっかりぬりましょう。

保湿は前から後ろへ、外陰部は大陰唇まで

デリケートゾーンを保湿するときは、前から後ろへやさしくなじませるのがポイント。外陰部の保湿は大陰唇までが基本です。

「下着の締めつけで血流が滞りやすい鼠径部の下から上にリンパを流すイメージでマッサージするのもおすすめです。腸骨まわりや恥丘など、下着で擦れやすい部分も乾燥しがちですから、保湿することを習慣化しましょう」(吉形先生)

産婦人科専門医

吉形 玲美先生

浜松町ハマサイトクリニック婦人科医。医学博士、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本女性医学学会専門医ほか。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局、准講師を経て、現在非常勤講師に。2010年7月より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科診療のほか、多施設で女性予防医療研究に従事している。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。
文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(本誌)

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