健康・ヘルスケア
2021.8.18

蒸れた足からは納豆臭がするってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“体臭”について。蒸れた足からは納豆臭がするって…ウソ? ホント? 小杉町クリニックの稲澤美奈子先生にお答えいただきます。

Q:蒸れた足からは納豆臭がするってホント?

パンプスを履いて1日を過ごすと、自分の足の臭いが気になってしまう。湿度の高い日は、人前で靴を脱げない…など、密かに足の臭いに悩んでいる人は多いですよね。実はこの蒸れた足の臭いは、なんと納豆臭と同じなのだとか…! 本当なのでしょうか。

さっそく、この疑問を稲澤先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:ホント

「足の発汗量は1日に200ml(コップ一杯分)と、体の中でもとても多いのです。自宅で素足でいる場合は別ですが、仕事やレジャーなど、1日中靴を履いている場合には、汗が蒸発せずに靴の中で蒸れてしまうため、常在細菌が増えてしまいます。すると、この常在細菌によって汗が分解され、納豆の香気成分と同じ、イソ吉草酸というニオイ物質が発生します」(稲澤先生・以下「」内同)

  • 足の発汗量は1日に200ml(コップ一杯分)!
  • 1日中靴を履いている場合は、汗が蒸発せずに靴の中で蒸れて常在細菌が増えてしまう
  • 常在細菌によって汗が分解され、納豆の香気成分と同じ“イソ吉草酸”というニオイ物質が発生

足が臭う人、臭わない人の違いとは?

「しかし、足に汗をかいてもまったく臭いがしない、という人はいます。その違いは何なのでしょうか。汗をかきやすい人は、当然足もほかの人よりも汗をかきやすいため、臭いやすくなります。

また、足の臭いのきつい人から汗を採取して調べてみたところ、足の臭わない人と比べて、圧倒的に常在細菌の量が多かったというデータもあります。足が臭わない人は、臭う人と比べて、汗の発汗量と常在細菌が少ない傾向にあるといえるでしょう」

治療法は?

「足の裏の臭いは、ただ臭いをなくそうとするだけではなく、臭いの原因となる、汗と細菌を抑えることが大切です。

足の裏の常在細菌を取り除くためには、洗浄力や殺菌力の強いボディソープを使用して洗うこと。洗うときは、しっかり指の間まで洗うことがポイントです。また、足の裏の角質が厚く溜っていると、細菌のエサになりやすくなります。定期的に、角質ケアを行い、古い角質オフするようにしましょう。

また、女性の場合はそこまで臭いがキツイという人はいないのですが、男性の場合は臭いがキツイ人が多いのも事実。その場合は、細菌感染症に保険適応となる抗菌作用のある塗り薬を処方し、朝晩12回塗ってもらうこともあります。

足の裏の発汗量や臭いを抑えるには、保険適応外になってしまいますが、制汗剤などにも使用されている有効成分・クロルヒドロキシアルミニウムや、ミョウバンなど汗や臭いを抑える働きをしてくれる有効成分が配合された製品があります。

そのほかには、塩化アルミニウム製剤という汗の出口にふたをして発汗量を減らす塗り薬や、両足に電気を流し発汗量を低下させるイオントフォレーシスがあります。これらの多汗症の治療が無効な場合には、ボトックス注射があります。ボトックスというと顔の表情ジワを抑えるというイメージが強いかもしれませんが、神経のはたらきを弱めて汗を抑える作用もあります。足裏はもちろん、手のひら、額などの顔、頭など汗が気になる箇所に打つことができますよ。ボトックスは一度注入すれば、約半年間は持続効果が続くので、汗の量が多くて日常生活に支障が出ている…という人は、試してみるのもよいでしょう」

Point

・臭いの原因となる、汗と細菌を抑えることが大切!

・洗浄力や殺菌力の強いボディソープを使用して洗うこと。定期的な角質ケアも効果的。

・足の裏の発汗量や臭いを抑えるには、保険適応外になってしまうが、汗や臭いを抑える働きをしてくれる有効成分が配合された塗り薬もある。

・重症の場合は、神経のはたらきを弱めて汗を抑える作用のあるボトックス注射もオススメ。

小杉町クリニック副院長。皮膚科専門医。

稲澤 美奈子先生

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事