イライラしたらこの2つを繰り返して! 我慢よりコントロールで心穏やかな生活に
イライラした時の対処法を、専門家がレクチャー! この2ステップを繰り返すことで、イライラに振り回されることなく問題を対処できるように♪
【STEP1】 イライラしたことをその場で記録する
自分のイライラの傾向や「べき」がわかれば、対策を立てられる!
…怒りの温度の点数化
「まずは今日から、イラッとしたり頭に来ることがあったときは、その場で内容をメモする習慣をつけましょう。 “アンガーログ” と呼ばれるこのテクニックで、 イライラや怒りの感情を“見える化” できるため、毎日記録していくうちに、自分は普段どんなことにイラつくのか、どんなことにこだわっているのかがわかってきます。その際、自分の怒りの温度を 10点満点でつける のも効果的。0点が心の落ち着いている状態で、10点が人生最大の怒りだとしたら、自分の今の感情は何点か。そうやって 怒りを客観視 できれば、対処の仕方を冷静に考えられるようになります。また“アンガーログ”をつけるときは、いっさい 分析しない ことも大切。あくまでも自分のイライラの傾向を知ることに役立ててください」(日本アンガー マネジメント協会 コンサルタント 松井晴香さん/以下同)
【STEP2】 イラッとしたら「衝動」「思考」「行動」の順にコントロール
1.衝動のコントロール
ムカッときたら6秒カウント。その間は深呼吸を!
「イライラを感じても、6秒程経つと理性が働き始めます。6秒をうまくやり過ごすことで、衝動的な言動を抑えられるのです。6秒をカウントするとき、同時に深呼吸をするのがおすすめ。怒っているときはアドレナリンが出て心拍数が上がり、呼吸が浅くなっているため、深くゆっくり呼吸をすることで心が落ち着きます。または、怒りの温度の点数化をこの6秒で行っても!」
2.思考のコントロール
イラついたことについてどこまで許せるか3段階で考えてみる
(1)許せる
(2)まあ許せる
(3)許せない
「思考のコントロールは、怒る必要のあることは上手に怒り、必要のないことは怒らなくてすむように線引きする作業。イラッとした出来事に対する許容範囲を3重丸で考えます。例えば、待ち合わせへの遅刻は何分までなら許せるか。右の(1)〜(3)に許容時間を当てはめたとき、(2)と(3)の間が、怒る必要のあることとないことの境界線。(2)の幅を広げていけば、イライラの着火を抑えられます」
3.行動のコントロール
自分で変えられるなら行動。変えられないなら放置もアリ
「上記の2.思考のコントロールで(3)の『許せない』に当てはまったものについては、我慢するのではなく、上手に行動していくことが必要。まずその問題は自分で『変えられる』か『変えられない』か、さらにそれが『重要』か『重要でない』かを整理してから行動します。例えば、電車の遅延や混雑は自分では変えられないので、そこは切り離して、音楽を聴くなど、怒りを増幅させない行動を選びましょう」
『美的』2021年8月号掲載
イラスト/小迎裕美子 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
まついはるか/神戸大学発達科学部卒。企業研修や教育機関での指導や講演のほか、デジタルネイティブ世代を中心に自分の怒りと向き合うためのコンサルティングを実施。