子どもの保湿ケア、1日何回、何歳まで必要? 保湿剤はどんなものを選んだらいい?【女医に訊く#160】
ベビーやキッズの保湿ケア、どうしていますか? そもそも赤ちゃんに保湿は必要なのでしょうか? 小児の肌に詳しい皮膚科専門医の村田奈緒子先生にお話をうかがいました。
そもそも赤ちゃんに保湿は必要?
赤ちゃんの肌はふわふわでスベスベ。1日中、家にいて寝ているだけなのに、保湿する必要なんてあるのでしょうか?
「赤ちゃんの肌の厚さは大人の半分くらい。とても薄くてバリア機能も未熟なため、乾燥しやすく、外からの刺激にも弱いんです。お腹の中では羊膜などに守られていましたが、生後は沐浴するだけでも乾燥しますから、保湿は必要だと思います」と語るのは、皮膚科専門医の村田奈緒子先生。
「特に、生後4か月を過ぎたお子さんの肌は、非常に乾燥しやすくなっていますから、お母さんやお父さんには頑張って保湿ケアしていただきたいですね」(村田先生)
保湿はどんなものを選んだらいい?
軟膏タイプ、クリームタイプ、スプレータイプ、ローションタイプ…ベビー用品売り場には多種多様な保湿剤が並んでいます。いったい我が子の保湿剤は、どのように選んだらいいのでしょうか?
「年齢や肌質などにもよりますが、赤ちゃんにはクリームやワセリンなど、保湿能力や外部刺激から肌を守る役割があるものを中心に使っていただきたいですね。キッズになると動き回るようになりますから、1回で全身をパパッと塗れるようなローションタイプなどを処方させていただくことが多いです」(村田先生)
保湿剤は市販のものでも大丈夫ですが、防腐剤や香料などは無添加の低刺激タイプを選んで。赤ちゃんには、口に入ってもいいものを選びましょう。
保湿はお風呂あがりだけで大丈夫?
お子さんの保湿ケア、毎日どのようなタイミングで行っていますか? 保湿はお風呂あがりだけで充分なのでしょうか?
「乾燥しにくい赤ちゃんや夏生まれの赤ちゃんでしたら、1日1回、ローションによる保湿で大丈夫なケースが多いのですが、冬場や乾燥しやすい赤ちゃんの場合、入浴後と朝起きたとき、おでかけ前など、1日2〜3回、全身に塗ってもらった方がいいですね」と村田先生。
入浴後は肌から水分が逃げてしまうのを防ぐため、5分以内に保湿をして。寝る前に翌日の服やオムツと一緒に保湿剤を置いておくと、朝の着替えのタイミングで忘れずにケアできます。
何歳まで保湿してあげた方がいい?
幼児になると、汗をかいたり逃げ回ったり。お子さんの保湿ケアを断念してしまうお母さんも多いのではないでしょうか?
「何歳までは保湿をしたほうがいいという期限はないのですが、小学生くらいまでは、特に保湿ケアをしっかりしてあげる必要があります」と村田先生。
大きくなってきたら、自分で塗ってもらうのも手。動き回って1か所にはいられない子や嫌がる子には、保湿剤入りの入浴剤や泡で出てくるスプレータイプの保湿剤を使うと、楽しく保湿ケアできるそう。
「保湿剤選びや保湿の方法で迷ったときは、皮膚科医に相談してみてください。どこの部位に塗りたいとか、ベタつくのが嫌とか、受診のときに言っていただければ、その子にあったローションやフォーム剤をお出しすることもできます」(村田先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
池上コスモス皮膚科院長。皮膚科専門医。日本アレルギー学会、日本美容皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本レーザー医学会所属。奈良県立医科大学医学部を卒業後、横浜市立大学附属病院、相模原病院などを経て、2020年、池上コスモス皮膚科を開院。自身の育児経験を生かし、親子の気持ちに寄り添った診療で地域医療を支えている。