健康・ヘルスケア
2021.5.26

マスク口臭を防ぐにはどうしたらいい? 口臭専門クリニックってどんなところ?【女医に訊く#159】

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まだまだ続くマスク生活。マスクの中のニオイを抑えるにはどうしたらいいのでしょうか? マスク口臭の原因と対策、口臭専門クリニックでの治療について、日本口臭学会認定医の上田恵子先生にお話をうかがいました。

どうしてマスクの中が臭くなるの?

マスクをしていると気になってしまうお口のニオイ。女性のための口臭専門クリニック「東京ブレスクリニック」院長の上田恵子先生は、マスクの中のニオイと口臭には密接な関係があると言います。

「マスクをつけると口と鼻が覆れて呼吸がしにくくなるため、口呼吸になりやすい。口呼吸は口の中が乾きやすくなりますから、口臭が起こりやすくなるのです」(上田先生)

上田先生によると、コロナ禍におけるリモートワークの増加も、マスク口臭の要因のひとつだそう。

「特に、一人暮らしの方は、気が滅入りやすくなりますから、ストレスや会話の減少で舌の動きが悪くなり、唾液の分泌が減るため口が渇きやすくなって、マスクの中が臭くなってしまうのではないかと思います」(上田先生)

加えて、マスクの内側には、自分の唾液の飛沫や咳によって出てきた炎症系の物質が付着します。自分の唾液が臭いとマスクも比例して臭くなりますから、前回までにご紹介したような方法で唾液をキレイにしておきましょう。

マスク口臭を防ぐにはどうしたらいい?

「まずは、お口の中をいつもキレイにしておかないとダメ。“磨いている”のと“磨けている”のは違います。大人になっても磨けていないところは他人に磨いてもらわないといけませんから、クリニックで定期的にクリーニングしてもらいましょう」と上田先生。

口臭対策にマウスウォッシュを使用する方も多いとは思いますが、アルコール配合のマウスウォッシュは、口の中がより乾いてしまううえ、香料の強いマウスウォッシュは、口臭と混ざり合うと何ともいえないニオイに変化してしまうこともあるため、あまりおすすめできないそう。

「口呼吸ではなく鼻で呼吸するように意識することも重要です。前回お伝えした『ら・スマイル』を行う、ほうれい線の内側を舌で下から上に向かってなぞる、味がなくなったガムを舌の上に置いておく、水をこまめに飲むなどして、自分の力でキレイな息をつくりましょう。マスクの内側にガーゼを挟んでこまめに替える、マスク自体を交換するなど、飛沫対策も忘れずに!」(上田先生)

口臭専門クリニックってどんなところ?

口臭が気になって「臭い」という表現に敏感になったり、他人のしぐさが気になったり、口の中が不快になったりしたことはありませんか? 口臭のことを常に考え、不安になるたびに実際に口臭が起こるようになる状態を「口臭症」といいます。口臭症にかかると、不安が持続することにより、精神的な問題にまで発生することもあるため、早急に治療を受ける必要があります。

「口臭症は小学生や中高生でも発症します。なかには、お母さんの『ちゃんと歯を磨いたの?』というひと言で話せなくなって、そこから人に会うのが怖くなり、ひきこもってしまう子も……。でも、お母さんは言ったことも覚えてないし、『何でそんなことくらいで?』と思ってしまう。悩んでいる人と悩んでいない人の温度差がものすごく激しい、ナイーブな問題なのです」(上田先生)

口臭専門クリニックでは、口臭ガスの測定のほか、ストレス度合い、目に見える病気の有無、唾液や粘膜、口腔内の機能の状態などを徹底的に検査。さまざまなデータを基に、なぜそのような口臭が起こっているのかを詳しく説明し、治療法や効果的な口臭対策を指導してくれます。口臭に対する不安を抱いている方は、一度相談してみましょう。

日本口臭学会認定

上田恵子先生

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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