【生理痛】腹痛や腰痛だけじゃない!? 生理時の痛みや不快感をセルフチェック
生理時の痛みや不快感、周辺痛を知ってこじらせない体へ。専門家の泉 玄太郎先生が解説!
【生理痛】炎症・痛み物質 「プロスタグランジン」の過剰分泌 で子宮周辺が痛む
子宮が過剰に収縮すると強い生理痛に!
「生理痛は、子宮内膜から分泌される 炎症・痛み物質『プロスタグランジン』 の仕業。プロスタグランジンには、子宮をギューッと収縮させて経血を体外に押し出す働きがあり、その分泌量が多いと、 子宮の収縮も過剰になって強い痛み を引き起こします。痛みや炎症は、下腹部だけに留まらず、子宮に近い腰や腟にも波及。プロスタグランジンには、胃を収縮させる作用もあるため、過剰に分泌されると 胃の痛み や不快感にもつながります。また、骨盤内に滞るプロスタグランジンが血管を収縮させると、血流低下や冷えを招き、それがまた痛みを増発。痛みのスパイラルに陥ってしまいます」(泉先生)
\生理時の
痛みや不快感
をCHECK!/
□ 下痢
おなかが緩んで、便もゆるゆる。ひどいときは下痢になる。
□ 腟痛
腟周辺にじんじんとした、筋肉痛のような痛みがある。
□ 腰痛
腰全体がズシンと重く、常に痛みがある。冷えも感じる。
□ 腹痛
下腹部を中心に、キリキリと激しく痛む。ズシンと来る鈍い痛みも。
□ 頻尿
尿意が起こりやすく、トイレに頻繁に行く。残尿感も。
□ 頭痛
頭がズキンズキンと痛む。通常の片頭痛より痛みが強く、長く続く。
□ 胃痛
胃に不快感があり、シクシク痛む。吐き気を伴うことも。
プロスタグランジンの働きで子宮が収縮、経血が体外へ!
子宮内膜が剥がれると、プロスタグランジンが分泌され、子宮が収縮し、経血が体外に押し出される。そのぜん動運動の刺激で生理痛が発生。
プロスタグランジンが増えすぎるとさまざまな臓器に強い痛みが!
子宮内膜の厚みが増すと、プロスタグランジンの分泌も増加。過剰に分泌されることで、収縮作用が激しくなり、生理の関連痛が強くなる。
『美的』2021年6月号掲載
イラスト/田中麻里子 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
いずみげんたろう/医学博士。東京大学医学部卒。産婦人科医として経験を積み、米国立環境衛生科学研究所に留学。帰国後、現職に。