健康・ヘルスケア
2021.4.10

【頭痛】生理前後や薬の過剰摂取…その頭痛、偏頭痛かも!? 原因や対処法を女医が解説

痛み止めを毎日のように飲むほど頭痛が頻繁に起こって辛い方…その頭痛、「偏頭痛」かもしれません!まずは症状をチェックして、解消法を見つけましょう。

片頭痛の症状check!

□ ズキンズキンと脈を打つように痛む

□ 頭の片側(あるいは両側)が痛む

□ 動くと痛みがひどくなる

□ 光や音、ニオイが気になる

□ 頭痛に伴い、吐き気や嘔吐もある

□ 月に1~2回、多いときは週2回くらい強い頭痛が起こる

半数以上当てはまる場合は片頭痛の疑い。

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Q.頭痛が頻繁に起こってつらいです。特に生理前や生理中はひどい…

A.30代女性に多い片頭痛の半数は「月経関連片頭痛」。女性ホルモンの急激な変動によるものです。

「頭痛にはその症状によって、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛といったタイプがありますが、 30代女性に圧倒的に多いのは片頭痛。5人にひとり の割合です。さらに、女性片頭痛患者の 半数は生理前や生理中に起こる と訴えています。原因は月経周期に伴う女性ホルモンの変動。生理開始に向けて エストロゲンの血中濃度が急激に下がる ことが、片頭痛の強力な誘発因子になっていると考えられます。この月経周辺に起こる片頭痛発作は、ほかの時期に起こる発作よりも 重症度が高く、鎮痛薬が効きにくい 傾向が。生理痛やPMSのひとつだと放置せず、頭痛外来の受診をおすすめします。また、片頭痛の誘発因子は月経以外にも、 睡眠過多・不足、ストレス、人混み、肩こり、空腹、アルコール などたくさんあります。普段の生活の中でこれらを取り除いていくことも大切です」(頭痛専門医・五十嵐久佳先生)

エストロゲンの減少が片頭痛発作の引き金に!
エストロゲンの血中濃度は排卵期をピークに下降していき、生理中が最も低い数値。この時期に片頭痛が起こる人が多いことから、エストロゲンの急激な減少が片頭痛を起こす大きな要因のひとつと考えられている。

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※五十嵐久佳:診療と治療 90(6):877.2002.峯岸敬:日産雑誌 59(4):N-41.2007より作図

 

Q.毎日のように市販の薬を飲んで痛みを抑えています。ほかに解消法はあるのでしょうか?

A.薬の過剰摂取がかえって頭痛をひどくしている可能性も。その薬は中止して、予防タイプの薬にチェンジを!

「強い片頭痛を繰り返す人は、薬は早めに飲まないと効かないという経験も繰り返しているため、 少しでも頭痛信号があったら飲む という習慣になることが多いです。それが月に数回なら問題ないのですが、 10日以上だと、脳や神経が痛みに敏感に なって、かえって頭痛の回数が増えてしまうのです。頭痛が複雑化して、以前より 薬が効きにくくなる ことも多く、それがまた痛みへの不安を大きくする悪循環に。 薬物乱用頭痛 と呼ばれる状態です。
 
これを断ち切るには、まず原因となっている 薬を中止 すること。薬をやめた不安や痛みの乗り切り方は頭痛外来などで相談しましょう。病院では、予防薬や鎮痛薬とは違うタイプの 治療薬 を処方してくれます」(五十嵐先生)

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【頭痛薬の種類】
予防薬 毎日服用することで頭痛発作を起こりにくくする薬。効果が現れるまで時間がかかるので2〜3か月続ける。

消炎鎮痛薬 頭痛の原因となる炎症を抑えることで痛みを軽減。痛みはじめに飲むと効果的。

トリプタン 神経伝達物質の放出、血管周囲の炎症を抑え、血管の広がりを元に戻す。痛み始めたら早めに飲む。

 

片頭痛の予防に特化した新薬が今年1月承認され、選択肢のひとつに!
’21年1月、CGRPを標的にした片頭痛予防の新薬が日本で承認され、4月より医療機関での使用が始まる予定。CGRPとは、片頭痛の原因となる血管拡張・炎症を促す神経伝達物質。その作用を阻害する新アプローチに期待が集まっている。

Point

30代女性に多い片頭痛と緊張型頭痛は、それぞれ原因や治療法は違っても、睡眠、食事、入浴といった日々の生活の見直しが共通したセルフケアの第一歩!

 

頭痛専門医

五十嵐久佳先生

『美的』2021年5月号掲載
イラスト/チブカマミ 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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