健康・ヘルスケア
2021.3.17

ワクチンっていくらかかるの?受けた方がよいのはどのワクチン?【女医に訊く#150】

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予防接種には「個人を守る」だけでなく「社会を守る」役割があります。では、誰もが受けるべき予防接種には、どんなものがあり、費用は誰が負担するのでしょうか? 日本感染症学会感染症専門医の源河いくみ先生にお話しいただきました。

ワクチンっていくらかかるの?

「予防接種には自分が病気にかかるのを予防するだけでなく、集団免疫といって一定の割合の人がワクチンを打つことで抗体をつくり、社会全体を守る役割もあります」と日本感染症学会感染症専門医の源河いくみ先生。

日本には感染症の発生やまん延を防止するため、「予防接種法」という法律により、公的に実施される予防接種の種類や実施の方法、接種により健康被害が生じた場合の救済制度等が定められています。

予防接種には、この法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。接種にかかる費用は、定期接種は公費ですが(一部で自己負担あり)、任意接種は自己負担となります。

定期予防接種にはどんなものがあるの?

定期予防接種の対象となっている感染症には、集団予防と重篤な疾患の予防を目的とする【A類疾病】と、個人予防を目的とする【B類疾病】があります。

「【A類疾病】は、乳児・小児期に誰もが受けるべき予防接種で公費で接種が受けられます。【B類疾病】は高齢者などが対象で費用の一部に公費負担がある場合あります」(源河先生)

予防接種法に基づく定期接種は、病気ごとに定められた接種期間があります。適切な期間内に、忘れないように接種しましょう。

【A類疾病】
・ジフテリア
・百日せき
・破傷風
・急性灰白髄炎(ポリオ)
・麻しん
・風しん
・日本脳炎
・結核(BCG)
・Hib(ヒブ)感染症
・小児の肺炎球菌感染症
・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
・水痘
・B型肝炎
・ロタウイルス感染症

【B類疾病】
・高齢者のインフルエンザ
・高齢者の肺炎球菌感染症

任意予防接種にはどんなものがあるの?

定期接種以外にも、さまざまな状況に応じてワクチンを接種することができます。これらは任意接種とよばれており、費用は原則、個人が負担します。

「海外渡航の際に接種することが望ましい予防接種や定期接種を受けられなかった方が対象年齢以外で受ける予防接種なども任意接種に含まれます」(源河先生)

【任意接種のワクチン】
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチン
・帯状疱疹ワクチン
・高齢者以外のインフルエンザワクチン
・A型肝炎ワクチン
・髄膜炎菌感染症ワクチン
・黄熱病ワクチン
・狂犬病ワクチン
・定期接種対象疾患で対象年齢の枠外で行うもの(例、受傷時の破傷風トキソイドなど)
など。

新型コロナワクチンはいつから打てる? 費用は?

いよいよ新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。現時点での接種対象は、接種する日に16歳以上の人。接種は国からの接種順位に基づき、医療従事者等、高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、それ以外の方の順で進められる予定です。

「新型コロナウイルスのワクチンは全額公費で接種を行うため、無料で接種できます」と源河先生。

「新型コロナワクチンについては、政府や厚生労働省からの情報提供をチェックしてください。予防の効果や副反応など、ワクチンについて正しくご理解いただき、広く接種が普及することを願っています」(源河先生)

日本感染症学会感染症専門医

源河いくみ先生

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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