健康・ヘルスケア
2021.3.5

痩せた歯茎を修復できる技術ができたってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「歯」について。痩せた歯茎を修復できる技術ができたってホント? 歯科医師で、口もと美容スペシャリストでもある石井さとこ先生にお答えいただきます。

Q:痩せた歯茎を修復できる技術ができたってホント?

加齢などにより歯茎が痩せたり歯肉が下がって長く見えるようになったという悩みの声を聞きます。そして、いちど痩せた歯茎はもとには戻らないというのが定説。しかし、それを修復できる技術ができたというウワサが。本当なのでしょうか? さっそく、この疑問をさとこ先生に聞いてみました!

A:ホント

「アメリカで開発された技術になりますが、失われた歯肉を回復させる方法があります。しかし、残念ながら日本ではあまり普及していないというか、あまり盛り上がっていないというのが現状です」(石井さとこ先生・以下「」内同)

歯茎治療はプロでも悩む難問

「痩せた歯茎を修復するという治療については、私はあまりタッチしていないのですが、日本でもやっている先生はいらっしゃると思います。しかし、日本ではあまり普及していないというのが実情。治療結果の問題で一進一退の状態が続いているのか、かなり難しい治療だというのが原因になっているのではないかと思います。

歯茎というのはやはり1番難しいところで、増えたり減ったりしますし、炎症するとすぐに腫れる。さらに歯と同じで、動くというのも厄介なところです。さらに粘膜のため、代謝のサイクルも早いんです。ほかの治療でも、歯肉の収まりが悪いから、なかなか治療が進まないというドクターたちの悩みの声も聞きます。

あとはやはり、歯茎の修復治療は術後の痛みが結構出るというところで、患者さんへの負担も大きいようです。鎮静法などもあるので、術中は痛みを感じなくても、後から痛みがでやすいというところや、回復に時間がかかると思うので、なかなか普及しないのではないかと思います。痛いのは嫌ですからね〜! 私だったらやらないかな。やっぱり怖いから。

一時期、歯肉をピーリングするというのが流行りましたが、それも程なくしてブームが去ってしまいました。ピーリングは酸をつけて、一時的にやけどのような状態にして黒ずんだ部分を除去するものなのですが、結構痛いというリスクがあるわりに、数か月でもとに戻ってしまうようなものでした。歯茎の修復治療が普及するには、まだ時間がかかるのではないかと思います」

Point

修復技術はあるけれど、日本ではベーシックではない。当分は「歯茎を大切にする」ことが最善策。

歯磨きが原因で歯肉が下がることも!

「日本人はもともと歯肉が薄い人が多いので、下がりやすかったりもするんですね。そして歯肉というのは1度下がると戻りません。私自身も加齢によるもので、何本か歯肉が下がっているところがあるのですが、戻せません。

そして、歯肉が下がる原因というのは加齢や歯周病などの病気だけではなく、強い力で歯磨きをしてしまうことでも起こります。しっかり磨こうと、強い力で歯磨きをしていると自分の歯茎を壊してしまう、痛めてしまうことがあります。それが歯茎を下がらせてしまう大きな原因になっているパターンもあるんです。1日、2日で変わるものではないので、何年、何十年とやっていると、そういう結果になってきます。毎日の自分の歯磨きを見直して、気をつけることがすごく大事になってきます」

下がった歯茎も逃げた男も戻らない! 心づかいの歯磨きを

「毎日の歯磨きで下がってしまった歯茎というのは戻りませんから、正しい歯磨き習慣を身につけることが大事です。私が歯磨きトレーニングでよく言っているのは、歯ブラシを歯に当てるときはゴシゴシしてもOK! ただ、歯茎に当てるときは45度で優しくということ。重要なのは歯茎に当てるときの力加減ですね。参考にしていただきたいのは、自分の爪の甘皮のところ。そこに歯ブラシを45度で当てて、こすったときに痛くない程度の力が丁度いい強さになります。歯に当てる力と歯茎に当てるときの力を同じにしちゃうのはNGです。

あとは、ながら磨きもダメ。ながら磨きをすると歯茎への心づかいがなくなってしまいます。そうすると、磨き残しがあったり、強く磨き過ぎたり、歯茎を痛めてしまうということにもつながります。1度下がった歯茎は戻らないんです、逃げてしまいます。逃げた男と同じです! 下がった歯茎は戻らない、逃げた男も戻らない。ということで、歯茎も恋愛も心づかいを大事にしましょうね」

歯科医師、口もと美容スペシャリスト

石井さとこ先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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