かみ合わせが悪いと歯周病になりやすいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「歯」と「デンタルケア」について。かみ合わせが悪いと歯周病になりやすいってホント? 歯科医師で、口もと美容スペシャリストでもある石井さとこ先生にお答えいただきます。
Q:かみ合わせが悪いと歯周病になりやすいってホント?
「30代の3人にふたりは歯周病にかかっている」と言われている現代。かみ合わせの良し悪しが歯周病にも関係しているとか。それは本当なのでしょうか? さっそく、この疑問を石井さとこ先生に聞いてみました!
A:ホント
「かみ合わせが悪かったり、歯並びが悪いとブラッシングが行き届かず、歯垢が溜まりやすいのです。そのため、歯周病に移行しやすくなってしまいます。歯周病というのは歯と歯肉の境目である歯肉溝に歯垢が溜まることで、細菌感染して起こる炎症性疾患です。菌が出す毒素が痛みを麻痺させるので、自覚がないうちにじわじわと進行してしまうのも特徴です」(石井さとこ先生・以下「」内同)
Point
歯周病は自覚がないうちにじわじわと進行してしまう。かみ合わせの悪さが引き起こす不調
「ただかみ合わせが悪いくらいだったら問題ないと思うかもしれません。しかし、かみ合わせが悪いと首を支えている頚椎の部分に影響を及ぼして、脳への血流が不足したり、神経を刺激することで頭痛やめまい、目の疲れや手足のしびれが出ることもあります。そのほかにも肩こりや腰痛、高血圧、不眠症の原因になることもあるんです。もちろん、歯周病のリスクも高まりますしね。先述したような悩みがある人で、かみ合わせに問題があるという自覚がある場合は、歯科医の受診をおすすめします」
\歯周病以外のかみ合わせの悪さによる不調/
- 頭痛やめまい
- 目の疲れ
- 手足のしびれ
- 肩こり
- 腰痛
- 高血圧
- 不眠症
歯周病が蔓延するメカニズム
「歯周病菌は普段はおとなしくしていても、体調が悪くなると口内で暴れだして増殖します。歯周病は顎関節だけの問題ではなく、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病や肥満、誤嚥性肺炎などの疾患とも関係していると言われていて、全身に大きな問題を引き起こす可能性があります。
無意識のうちにやっている食いしばりや歯ぎしりなんかも、歯茎に必要以上に負担をかけてしまって歯周病を進行させる要因になります。食いしばりをしている人は舌に傷が修復された痕が残っていたり、頬が腫れたり、膨らんでいたりするという特徴があります。食いしばる力というのはものすごく強くて、それが歯肉の炎症を起こし、歯周病にも移行する。全身へも影響を及ぼすので、正しい歯磨きや歯科医院でのクリーニングなどを定期的に受けることで予防することをおすすめします」
マスク習慣が引き起こす歯への悪影響とは?
「マスクで顔を覆われていることでストレスがかかり、それによって食いしばってしまう時間が増えてしまうようです。上の歯と下の歯が当たっている時間が長くなってしまうんですね。上下の歯と歯の間は少し離れて、噛み合わさっていないくらい、舌が上顎についているのが食いしばっていない通常の状態です。
マスクで口にフタをされていることでかみ締めてしまうという人もいるし、口呼吸になってしまう人もいます。本来は鼻呼吸をすることで鼻のフィルターが外部からの侵入物をブロックしてくれるのですが、口呼吸になってしまうと無防備になってしまいます。
マスクをしていること自体は感染予防に絶大な効果もあり、自分の防護壁として信頼がおけるものではあるのですが、口呼吸で起こる弊害もあります。無防備な呼吸は口内を乾燥させ、唾液も少なくなり、口臭だけでなく、虫歯や歯周病などのリスクを上げる原因にもなってしまいます。口内が乾いたなと感じたら、水分補給をしたり、口ゆすぎをして乾燥対策をするようにしてください。また、正しい歯と舌の位置、鼻呼吸を意識して過ごせると良いかもしれませんね」
文/土屋美緒
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ホワイトホワイト デンタルクリニック院長。日本歯科審美学会会員。日本歯科大学卒業。多くの女優やモデル、ミス・ユニバース日本代表を顧客に持つカリスマ歯科医師。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者で、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクについてのアドバイスなどにも定評がある。オーラルケアブランド「ナチュラルドロップス」の監修も手掛け、著書は『美しい口もと』(ワニブックス)、『マスクしたまま30秒!!マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。
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