「子供は作らない」と決めた30代女性、病気のリスクは出産経験と関係ある?|美的世代の妊活プラン
妊娠・出産は人生において非常に大きな決断。将来「子供は作らない」と決めている30代女性へ、希望通りの生き方をするために知ってもらいたいことを産婦人科医の宋 美玄先生と考えます!
「子供は作らない」と決めている30代女子の心の内は…
D子(39歳)のケース
「もうすぐ40代。相手いないし、年齢的にも…」
E子(34歳)のケース
「夫と愛犬との生活が楽しくて、子供をもつなんて考えられない!」
F子(37歳)のケース
「元々子供は欲しくない。でも、出産経験がないと病気になりやすいのかな?」
妊娠の準備をする子宮を休ませることで、婦人科系疾患の予防を!
「産まないと決めた人の理由は十人十色ですが、“出産しないと病気になるリスクが高まりそう”といった不安は共通してあるのでは?結論からいえば、現代において出産経験の有無と病気のなりやすさは関係ありません。生涯の生理回数が多い程、子宮や卵巣が炎症を起こしやすくはなりますが、出産が1〜2回の人と未経験者とでは大差がないのです。出産を経験していてもいなくても、年齢が上がれば子宮内膜症や子宮体がん、卵巣がんなど、婦人科系の病気になるリスクは上がります。婦人科検診を受ける、低用量ピルを服用するなど、子宮や卵巣をいたわるケアを心掛けていきましょう」
現代女性の生涯の生理回数は昔の人の約10倍!
100年程前までの女性は平均して4〜6人の子供を産んでいたため、生理回数が生涯で50回という人が珍しくなかった。現代女性の出産回数は0〜2回。生理回数は450〜500回とされ、10倍近くになる計算。それだけ子宮や卵巣を酷使していることになるため、低用量ピルの服用などで制御するなどの方法がある。
Dr.宋’s CHECK!
妊娠・出産の有無にかかわらず年齢が上がる程、婦人科系疾患のリスクは上がります。
【1】定期的に婦人科検診を!
「30代後半からは、病気を未然に防ぐためにも定期的に婦人科検診を受けましょう。また、出産経験がないと乳がんの発生リスクが上がるという報告もあるので、40代からは2年に1度の乳がん検査も行って!」
【2】低用量ピルの服用で、生理の回数を減らす
「子宮内膜症も子宮筋腫も、子宮内が血液にさらされる程発症リスクが上がる病気。低用量ピルなどで排卵と生理を止めておけば、予防になります。服用は閉経まで続けるのが◎」
『美的』2021年2月号掲載
イラスト/itabamoe 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
そん みひょん/大阪大学医学部卒。 川崎医科大学医学研究科博士課程修了。’17年「丸の内の森レディースクリニック」を開業。近著に『医者が教える女体大全』(ダイヤモンド社)。