発酵食品の「菌」効果は加熱調理でなくなるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は免疫力アップなどでも注目されている「菌活」について。発酵食品の菌効果は加熱調理でなくなるってホント? 「菌ケアドクター」の異名をもつ下川穣さんにお答えいただきます。
Q:発酵食品の菌効果は加熱調理でなくなるってホント?
菌は熱に弱く、発酵食品を加熱調理すると菌が死んでしまうから良くないというウワサが。本当なのでしょうか? さっそく、この疑問を下川さんに聞いてみました!
A:ウソ
「菌のよい作用は“菌体成分”によるものです。生きた菌が何かしらの活性を受けて菌体成分を出すパターンもありますが、その菌の中にもともと菌体成分あり、死んでいても効果がなくならないパターンもあるんです。そして、たとえ菌が死んだからと言って、その効果はなくならないという可能性のほうが高いですね。なので、“加熱調理ですべての菌が死んで効果がなくなる”とはいえません。
菌は熱に弱い、というのも一概にはいえません。たとえば、納豆菌はかなり熱に強く、耐熱性菌と呼ばれています。それくらい熱に対して強い菌も存在するんです」(下川穣さん・以下「」内同)
菌と温度の関係は?
「“生暖かいところは菌が繁殖しやすい”というイメージがあると思いますが、確かに温度によって菌の状態が変わるというのはあります。
しかし菌は“鍵”のように形をもっていて、生きている菌でも死んでいる菌でも“鍵”の形が同じであれば効果は変わらないというものがいます。“菌は生きているほうが良い”と思われがちですが、どちらでも良い場合もあるわけです。死菌でも効果があるものに対しては、生きた状態で菌を増やして、ベストな数まで増やしたら殺す、という方法で製品を作っている場合もあります。死菌のほうが細かな温度管理をする必要がないため、流通の点でも扱いやすいという利点がありますからね。
もちろん、菌によっては生きている菌の方が活性が高い場合もあります。“乳酸菌を生きたまま腸に届ける”などという謳い文句がついているような商品は、そういった意図があるのかもしれませんね」
菌はバランスが大事!
「菌というのはすごくおもしろくて、3匹のときは3の、10匹のときに10の力が出るわけではなくて。3匹でも5匹でも0.5の力、でも7匹だと100の力が出るというような感じで、数に比例して効果が上がるものではなく、一定の数に達すると、そのパワーが何倍にもなるということがあります。
ただ、それは良い菌にも悪い菌にも言えることです。いつもは悪さをしない菌も増えすぎると悪さをするということもあるので、菌が良いバランスでいることが大事になってきます」
文/土屋美緒
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1985年4月1日生まれ。福岡県出身。岡山大学歯学部卒業後、歯科医師を経て、都内医療法人の理事長に就任。クリニックで慢性疾患に悩んでいる患者さんたちの根本治療を目指していく中で、より多くの人の力になるため起業を決意し、2018年12月KINSを設立。“菌ケアすることが当たり前である世の中”にするため、様々な活動をしている菌ケアドクター。
■株式会社KINS
■Instagram @yourkins_official @yutaka411985