ダイエット効果や免疫力アップも♪ スキマ時間に実践できる「肺トレ」呼吸法を伝授!
感染症を重症化させないためだけでなく、免疫力をアップしたり、疲れにくい体になるために、 呼吸器専門医の奥仲哲弥先生がおすすめする「肺トレ」。気づいたときに実践できる呼吸法を教えていただきました。
いつでもどこでも姿勢を正して「鼻呼吸」を実践。しっかり吐き切るクセをつけよう!
「スマホやPC作業の時間が長い人は、姿勢が前かがみになりがち。それだと胸郭が縮まって、呼吸が浅くなります。気づいたときにすぐ姿勢を正し、深く鼻呼吸する習慣をつけましょう。免疫力UPやダイエット効果も期待できます」(奥仲先生)
前かがみの姿勢が続いたら、肩を回してリセット!
“巻き肩”姿勢は呼吸を浅くする
スマホに夢中になっていると、自然と前傾姿勢に。横隔膜をはじめ呼吸筋がほとんど動かず、呼吸が浅くなる。
腕を下ろして肩を上げる
巻き肩に気づいたときは、まず両肩を上げ、後ろに向けてぐるりと回し、ストンと落とす。
前から後ろにぐるりと回す
胸を開いて姿勢を正し、鼻からゆっくりと息を吐き、ゆっくりと吸う。
胸を広げて姿勢をまっすぐ
信号待ち、エレベーター待ち、レジ待ち…そのタイミングで鼻呼吸!
「意図的に深い鼻呼吸をする(随意呼吸)機会を増やすだけでも有効な肺トレに。信号待ち、レジ待ちなど、私たちの日常には、足を止める瞬間が何度もあります。そのタイミングに深い鼻呼吸をする習慣をつけましょう。文字どおり「呼(吐く)」が先で、「吸(吸う)」が後。腹筋を使ってしっかりと吐き切ると、オキシトシンやエンドロフィンなど幸せホルモンが分泌されて、心も落ち着きます」
スローテンポの鼻ハミングで“鼻呼吸力”を強化
「口を使わず、鼻だけで呼吸するトレーニングに、『鼻ハミング』がおすすめです。無意識に出てしまう軽い鼻歌ではなく、意識的に大きい音を奏かなでること。最初は、童謡の『うみ』や『チューリップ』、『ぞうさん』など、短い曲から試しましょう。10秒は息継ぎを我慢して、なるべくゆっくりしたテンポでチャレンジ。思った以上に呼吸筋を使うため、1曲終えるとかなり達成感があります」
マスクをしているときも鼻呼吸を意識!
コロナ感染対策で続くマスク生活。息苦しさからつい口呼吸や浅い呼吸になりがちです。
「まずマスクでウイルスの侵入を完全に防ぐことはできません。その上口呼吸だと、ウイルスがダイレクトに肺に届きやすくなります。そのため、マスク装着時も鼻呼吸を意識するのが◎。息苦しくならない素材のマスクを選ぶ工夫も必要です」
肺トレの効果をティッシュボールで確認
ティッシュ2枚をぎゅーっと丸めてテープで固定。
\4m以上吹き飛ばせればOK!/
身近な道具を使って、現在の肺活力の目安や肺トレ効果を確認する方法をご紹介。
「ティッシュを丸めたボールを、使い切ったラップの芯内(30cmサイズ)の端(吹き口)に入れ、フーッとひと息で飛ばします。30代女性の場合、4m以上飛べば年相応の肺活力。3m以下なら、もっとしっかりとトレーニングを続けましょう!」
『美的』2020年10月号掲載
撮影/鈴木希代江 ヘア&メイク/木村三喜 スタイリスト/日置 彩 モデル/夏海 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
おくなかてつや/呼吸器外科医。医学博士。東京医科大学病院勤務を経て現職。専門は肺がん治療。メディア出演も多く、わかりやすい解説に定評がある。著書に『医者が教える肺年齢が若返る呼吸術』(学研プラス)など。