健康・ヘルスケア
2020.7.29

今年はマスク着用でより注意が必要な熱中症の症状と応急処置について教えて!【女医に訊く#118】

%e5%a5%b3%e5%8c%bb118気温も湿度も上昇し、本格的な夏がやってきました。十分な室内換気やマスクの着用が求められる今年の夏は、高齢者だけでなく美的世代も熱中症に十分注意する必要があります。内科医の石原新菜先生に、熱中症の症状と応急処置についてうかがいました。

マスクの着用や運動不足で熱中症のリスクが高まる!?

マスク着用による汗や蒸れに悩んでいる方も多いのではないでしょうか? マスクを着けると皮膚からの熱が逃げにくくなったり、気づかないうちに脱水になったりするため、夏は注意が必要です。

「日本救急医学会が発表した『新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き』によると、マスクを着用し1時間運動をすると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度などが上昇するうえ、マスク内の顔面温度は1.76℃上昇するとのことですから、長時間のマスク着用は熱中症のリスクを高めると言えるでしょう」と語るのは、内科医の石原新菜先生。

暑い日が続くと、体が次第に暑さに慣れて(暑熱順化)暑さに強くなります。熱中症のリスクを減らしてくれるのが、この暑熱順化。暑熱順化は、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を継続することでも獲得できるといわれています。

「今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、運動はもちろん外出もままならず、多くの人が暑さに備えた体づくりができていないと思われます。熱中症には十分気をつけましょう」(石原先生)

熱中症にかかると、どんな症状が出るの?

「体の中に熱がこもってくると、体は全身の血管を開いたり、汗をたくさんかいたりして、熱を放散させようとします。すると血圧が低下し、体内の水分量が不足し、めまいや立ちくらみ、吐き気などの熱中症の症状が出てくるのです」と石原先生。

熱中症にかかると、以下のような症状が表れます。少しでもおかしいと感じたら、無理せず涼しい場所で休みましょう。

・めまいや顔のほてり
・筋肉痛や筋肉のけいれん
・体のだるさや吐き気
・異常に汗をかく、あるいはまったく汗をかかない
・体温や皮膚温が上がる、皮膚が赤く乾く
・呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
・自分で水分補給ができない

熱中症かなと思ったらどんな処置をすればいい?

熱中症は軽度の段階であれば、適切な応急処置を施すことによって回復します。ただし、手当てが遅れると重症化し、命に関わるケースもあるので要注意。厚生労働省人口動態統計では、2018年の熱中症の死亡数は1,581人であり、統計として把握できる1906年以降過去最高となった2010年の1,731人に次いで多くなっています。

「熱中症かなと思うサインがあったときは、すぐに涼しい所に座らせるか寝かせて、ベルトやシャツのボタン、ブラジャーのホックを外し、ストッキングを脱がせましょう。血圧が低下している場合は、枕などで足を高くして寝かせて。経口補水液やスポーツドリンクで水分を補給し、濡れたタオルなどで首やわきの下、足の付け根を冷やします」(石原先生)

意識がない場合や水分を自力で摂取できない場合、応急処置をしても回復しない場合は、救急車を呼ぶなどして医療機関へ連れて行きましょう。

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内科医
石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。2006年帝京大学医学部卒業後、同大学病院の研修医を経て、父・石原結城實のクリニックへ。漢方医学を中心にさまざまな病気の治療に当たる。『やせる、不調が消える 読む冷えとり』(主婦の友社)など、冷え、ショウガに関する著書多数。■イシハラクリニック

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

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