免疫力は高ければ高い程いいの?マスクや手洗いとの関係は?「免疫」の基本を学ぼう!
私たちの美や健康を脅かす、ウイルスや細菌、カビ、アレルギー物質…。その攻撃にやられっ放しにならないためには、自ら体を守る「免疫力」を高めておくことが大切です。それにはどうすれば?――いろんな情報が飛び交う中、“本当に知っておいてほしい真実”だけをお届け!
【基礎知識編】まずは免疫の基本をしっかり学ぼう!
新型コロナウイルスとの闘いが続く中、私たちにできることのひとつとして「免疫力UP」という言葉や情報を目にする機会が増えました。ただし、特定の食品や健康法で免疫の力がぐんぐん上がることはありません。しかも、免疫機能の働きは年齢や生活習慣などによって大きく異なります。まずは免疫の基本をきちんと知って、地道にケアしていくことが大切です。
免疫は大きく分けると、この2種類!
自然免疫
白血球内の免疫が、体内に侵入した異物を発見&攻撃
獲得免疫
免疫細胞が自然免疫からの情報を元に、ウイルス等に対してチームで攻撃
免疫力サポートガイド1問1答
Q1.そもそも免疫って何?
A.ウイルスや細菌など体内に侵入した異物を排除する生体防御システム
「免疫とは、文字通り『疫(病気)から免れる』こと。ウイルスや細菌など体に侵入してくる敵(抗原)に対し、攻撃・排除したり、敵に合わせた武器(抗体)を作って体を守る仕組みです。大きく分けると、敵の侵入後、直ちに発動して攻撃する『自然免疫』と、抗体を作って対抗する『獲得免疫』の2種類があります。自然免疫の役割を担うのは、白血球の一種、『マクロファージ』や『好中球』など。自分以外の異物はとりあえず攻撃する性質をもっています。一方、『ヘルパーT細胞』や『キラーT細胞『B細胞』など獲得免疫といわれるチームは、自然免疫から送られた敵の情報を元に適切な抗体を作って退治。排除した後も、その敵の性質を記憶し、再び侵入してきたときに素早く対応できる体制を整えておきます。つまり免疫は、(1)ウイルスや細菌を発見し、侵入阻止、(2)感染してから自然免疫の情報を元にさらに攻撃・排除、(3)再感染を防ぐといった3つのプロセスで敵と闘っていくわけです」(斎藤糧三 先生)
Q2.マスクや手洗いと免疫は関係ある?
A.本来は他人にうつさないためのエチケット。免疫が稼働する以前に体を守る役割
「マスクは感染症にかかった人の咳やくしゃみの飛沫を拡散させないために有効な手段。感染源に接触した手をうっかり口にもっていくことも防げます。丁寧な手洗いも接触感染の予防に必須。自己免疫を守ることにつながります」(梶本修身先生)
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Q3.免疫が高い、低いって何によって変わるの?
A.免疫機能をコントロールする自律神経のバランスが決め手に !
「免疫の働きを担う白血球のうち大半を占めているのが、好中球とリンパ球。体の中は本来、このふたつのバランスが取れている状態が良しとされ、免疫機能も活性化。その調整を行っているのが自律神経です。ストレスや緊張で高まる交感神経は好中球を増やし、逆にリラックス時に高まる副交感神経はリンパ球を増やします。何かとストレスの多い現代人は交感神経が昂ってリンパ球が少なくなりがち。バランスが偏ると免疫も低下してしまいます」(斎藤先生)
Q4.免疫は高ければ高い程いいの?
A.新型コロナに対しては「適度」が◎。 過剰な免疫反応で重篤化する場合も
「細菌やウイルスと闘って侵入を防ぐという点では、免疫力は高いほうが良いでしょう。ただし新型コロナウイルス感染症では、免疫力が高いことがかえってマイナスに働く場合も。本来、侵入したウイルスと闘うために放出されるサイトカインストームという炎症性免疫物質が過剰に分泌して暴走することで、自らの肺などを傷つけて重篤化す るケースがあります」(梶本先生)
お話を伺ったのは…
東京疲労・睡眠クリニック 院長 梶本修身先生
かじもとおさみ/医学博士。大阪 大学大学院医学研究科修了。疲労と睡眠研究の第一人者としてメディア出演や著書も多数。
日本機能性医学 研究所 所長 斎藤糧三先生
さいとうりょうぞう/「機能性医学」を日本に初めて臨床導入。’19年、アンチエイジング再生クリニック「RECLINIC」開設。
『美的』7月号掲載
イラスト/本田佳世 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。