健康・ヘルスケア
2019.12.27

コーヒーや赤ワインを避ければ歯の黄ばみは防げるってホント?真相を医師に直撃【美容の常識ウソ?ホント?】

A:ウソ

「歯が黄ばんでしまう原因はいくつかあり、代表的なのは飲食や喫煙の習慣によるもの。あまり知られていないのですが、実は非常に着色汚れがつきやすいのは、日常的に口にしている紅茶や緑茶といったお茶類! 急須に茶渋が残るのと同じように、茶葉から抽出された飲み物に含まれるタンニンが歯に頑固な着色汚れとして定着&落としにくくなるのです。また、コーヒーのように豆から抽出された飲み物は、豆の粒子が歯だけでなく舌にも汚れがたまり、“コーヒーブレス“というキツイ口臭にもなりやすくなります。

最も歯に着色汚れがつきやすい飲み物は赤ワインで、歯に色がつくだけでなく、アルコールが含まれることにより表面のエナメル質まで溶けやすくなるので、飲み過ぎには注意が必要です。

しかし、着色汚れしやすいものを避けて過ごすのはなかなか難しいですよね。もしお店などでお茶やコーヒーを飲んだ場合は、その後にお水を飲んで汚れを洗い流すことを意識してみてください。また、その日の着色汚れはため込まないで、歯磨きケアをしっかりすることも大切です」(石井先生・以下「」内同)

黄ばみの原因

「歯が黄ばむ原因はほかにも加齢によるもの、治療や薬剤摂取によるもの、過度なダイエットによるものなどがあります。加齢によるものは、歯の表面にあるエナメル質が加齢と共に薄くなり、内側の象牙質層がうっすら透けることで黄ばんで見えます。また、エナメル質自体の透明度も低下して歯全体がくすんでしまったり、歯の神経の治療後に放置することによって、歯の変色の原因になる事があります。

そして意外と若い女性にも多い原因が、過度なダイエットによるもの。その理由は、ファスティングや飲み物に置き換えるダイエットで食事をしなくなることで口を動かさなくなり、唾液が分泌されなくなるからです。唾液にはカルシウムやミネラルが含まれていて、口の中をキレイに浄化してくれる作用があるので、唾液が分泌されなければ歯はどんどん汚れていってしまいます。

過去には、年齢に対して歯がとても茶色く汚れている思春期の女性が、ご両親には内緒で食事をせずにダイエット茶を大量に飲むという、過激なダイエットをしていた例がありました。唾液の分泌量が少なく、色の濃いお茶ばかり飲んでいたので歯の着色汚れがかなり定着してしまったのですね。口元は健康状態や生活習慣が表れるパーツなので、思春期などに差し掛かるお子様がいらっしゃる方はぜひ、定期的にお子様の口元をチェックして健康管理に努めていただきたいなと思います」

 

『ホワイトホワイト』恵比寿本店 院長
石井さとこ(いしいさとこ)

『ホワイトホワイト』恵比寿本店の院長であり、口もと美容スペシャリストとしても活躍。女性歯科医師ならではの、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクについてのアドバイスに定評が。著書『美しい口もと(ワニブックス出版)』では簡単にできる口もとエクササイズやオーラルケアを紹介している。

取材・文/井上ハナエ

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