健康・ヘルスケア
2019.11.1

「副鼻腔炎」もしかして鼻の調子が悪いなら…長引くとやっかいな症状について医師が詳しく解説! チェックテスト付き

風邪をきっかけに発症しがちで、アレルギー性鼻炎などがあると長引いてやっかいな「副鼻腔炎」。その正体を徹底解剖します。詳しいお話を石戸谷耳鼻咽喉科 院長の石戸谷淳一先生に伺いました。

「副鼻腔炎」とは? その正体を徹底解明

副鼻腔の入り口は小さく詰まりやすい構造。炎症を起こすと膿がたまって、痛みも!

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副鼻腔とは、鼻の穴(鼻腔)につながる4対(計8個)の空洞、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞。副鼻腔の粘膜は繊毛に覆われていて、外からの異物を鼻水と共に排出する役割を担う。副鼻腔に炎症が起こると、粘性の高い鼻水が繊毛に絡まってその働きが低下。腫れたり、膿がたまったりして顔面や歯が痛むことも。

 

鼻詰まりも副鼻腔炎も人間の宿命!?

「鼻の最も重要な機能は、外から入ってきた異物をフィルターにかけて加温・加湿し、キレイな空気を肺に送り込むエアコン作用。鼻腔や副鼻腔炎の粘膜の壁は、そのために繊毛に覆われ、表面積がとても広く、折り重なるように鼻周辺に収められています。構造が複雑なので、空気の通路は狭く、ちょっとしたことでも鼻が詰まりやすいのです。しかも、鼻の中心にあって左右の鼻の境となる鼻中隔は、誰でも成長と共に曲がってきます。その弯曲が強い人は、それも鼻詰まりの要因に。副鼻腔炎もその延長上で、複雑な鼻の構造をもつ人間ならではのトラブルです。副鼻腔炎は、風邪がきっかけでなることが多いとされますが、風邪をひいたときは、軽い副鼻腔炎を起こしていることも多く、そこに細菌感染が加わることで、症状が悪化して、急性副鼻腔炎になります。慢性副鼻腔炎は3週間以上、鼻症状が続く状態。そしてアレルギー鼻炎や気管支ぜんそくなどと合併してひどくなることが多く、慢性副鼻腔炎の病態は多様です。治療についても一筋縄ではいかなくなります」(石戸谷先生)

副鼻腔炎には急性と慢性があります

急性副鼻腔炎

副鼻腔内に風邪のウイルスや細菌が入り込んで感染し、粘膜に炎症が起こり、膿がたまる。
主な症状は、ドロドロの鼻水、鼻詰まり、頬や鼻根、上の歯の痛みや重み、嗅覚の低下など。通常、1か月以内に症状は治まる。

ウイルス性
風邪などのウイルスに感染して鼻水や鼻詰まりなどの症状が続く。一週間程度で自然に治ることもある。

細菌性
副鼻腔に細菌感染が起こって発症。黄緑色の鼻水などに加え、頭痛や歯痛、顔面痛も現れる。
抗生物質による治療が必要。

慢性副鼻腔炎

鼻の症状が3か月以上続き、レントゲンなどで副鼻腔に陰影があると、慢性副鼻腔炎と診断される。炎症の長期化により、繊毛が働かなくなったり、鼻腔につながる口が塞がって膿が蓄積。鼻水にニオイが出てくる。

Check!もしかして副鼻腔炎?

次のような症状があったらサインかも!?
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□ (1)鼻水、鼻詰まりがなかなか治らない
□ (2)ドロドロの濁った鼻水(青ばな)が出る
□ (3)痰や咳が続く
□ (4)鼻水がのどに流れる
□ (5)鼻水に嫌なニオイがする
□ (6)ニオイがわからなくなってきた
□ (7)頬や鼻根部に痛みや重みを感じる
□ (8)虫歯ではないのに、上の歯が痛む
□ (9)頭や額周辺が痛い
□ (10)目の奥が痛い

(1)~(5)は、風邪の症状と区別がつきづらいけれど、1週間以上続くと、副鼻腔炎の可能性は大。(5)・(6)は、副鼻腔に膿がたまっていることが原因かも。(7)~(10)のように、顔面に痛みや重みを感じるのは、その付近にある副鼻腔に炎症が生じているサインと考えられます。

 

副鼻腔炎を放っておくと…

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「篩骨洞など目に近い副鼻腔に炎症が起こり、放置したことでダメージが目に及ぶと、視覚異常を起こす場合があります。また、慢性副鼻腔炎を放っておくと、鼻茸という良性のポリープができることも。鼻茸は副鼻腔の内部の粘膜が腫れてきのこ状になったもので、大きくなると鼻腔を塞ぐため、鼻呼吸がしづらく、物のニオイがわからなくなります」(石戸谷先生)

 

近年増えている「好酸球性副鼻腔炎」とは?
「副鼻腔炎の中で、30代から増加傾向にあるのが、再発を繰り返しがちな『好酸球性副鼻腔炎』です。好酸球とは白血球の一種で、アレルギーを起こしたときに増える細胞。鼻の粘膜に好酸球が集まることで発症します。症状としては粘着性の鼻水や鼻詰まり、嗅覚障害など。ぜんそくとの関連性も認められていて、治療はステロイドの内服と手術です」(石戸谷先生)

 

2週間たっても症状が治らなければ耳鼻科へGO!

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鼻のつらい症状や痛みが続いたら迷わず受診を!
「鼻の症状が10日たっても治らなければ、耳鼻科を受診することをおすすめします。アレルギー性鼻炎のこともありますが、細菌性の急性副鼻腔炎の場合は、抗菌薬の内服治療から。顔や歯が痛ければ、鎮痛薬を処方します。通常2週間程服用すれば完治しますが、それ以上たっても症状が続く場合は、慢性副鼻腔炎として、個々の病態の原因を見極めた治療へ。鼻茸の除去や鼻中隔の弯曲修正など、鼻詰まりの原因から取り除く手術も行っています」(石戸谷先生)

 

耳・鼻トラブルについて教えてくれたのは…
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石戸谷耳鼻咽喉科 院長 石戸谷 淳一先生
いしとやじゅんいち/医学博士。横浜市立大学医学部客員教授。国立国際医療センター耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授などを経て現職。内視鏡下鼻副鼻腔手術のエキスパート。https://www.ishitoya.jp/

 

『美的』11月号掲載
イラスト/やましたともこ 構成/つつみゆかり

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