ストレス、睡眠不足、オーバーワーク…難聴の予防には、まず生活習慣の見直しを!
なんだか耳が聞こえづらい、耳鳴りがする…など、30代女性にも増えている難聴。あなたも要注意です! 詳しいお話を石戸谷耳鼻咽喉科 院長の石戸谷淳一先生に伺いました。
難聴の予防には、まず生活習慣の見直しを!
難聴は今や現代病のひとつ。疲労をためない生活を!
「難聴といえば、ひと昔前までは、お年寄りや、騒音の多い場所で働く人たち特有のトラブルというイメージでした。ところが今や、若い世代にも多い現代病のひとつ。明らかな原因はわかっていませんが、忙しい日常での身体的、精神的ストレスが誘引材料となっているケースはたくさん報告されています。オーバーワーク、睡眠不足、人間関係のもつれなどは、耳にとってもマイナス要因です。また、毎日のように巨大音を聴くなど、耳に過度な負担を与える習慣も見直しが必要です」(石戸谷先生)
□ 耳掃除をしすぎていない?
耳掃除は月1回程度、優しく!奥までゴリゴリは絶対NG!
「耳アカは外耳道の皮膚が新陳代謝で剥がれたもの。大人はほとんどたまらないので、月1回程度の掃除で充分です。その際は、痛く感じる所のちょっと手前までを耳かきを使って優しくかき取りましょう。毎日お風呂上がりに綿棒で耳掃除という人は、かえって耳アカを奥に押し込むことになるので要注意!」(石戸谷先生)
□ ストレスをためていない?
自分なりにストレスを発散できる手段を見つけよう
「ストレスは難聴の直接的な原因ではないけれど、発症した人に聞き込みをすると、ストレスや悩みを抱えた人が多いようです。趣味を見つける、リラックスする時間を増やすなど、上手に発散していきましょう」(石戸谷先生)
□ 睡眠不足になっていない?
夜更かしせず、睡眠の質を上げて
「睡眠は、疲れた脳や体を休息させる大切な時間。不足すると自律神経のバランスが乱れて難聴の遠因に」(石戸谷先生)
就寝・起床時間をなるべく一定にして、質の良い睡眠をとりましょう。
□ オーバーワークになっていない?
忙しすぎる日常はリセットして、もっと自分に優しく!
「突発性難聴や急性低音型障害感音難聴を訴えてくる患者さんに話を聞くと、過労や、無理をしすぎな日常を送っている人が多いようです。耳鳴りやめまいは、それを知らせる体の叫びかも」(石戸谷先生)
発症する前に、働き方の改善を!
□ ヘッドホンのボリューム、いつも大きすぎていない?
周りの音が聞こえない程の大音量はNG。BGMは控えめに
「ヘッドホンやイヤホンで、大音量の音楽を長時間聴き続けると、難聴の要因に。音漏れしない程度にボリュームを抑えましょう」(石戸谷先生)
耳・鼻トラブルについて教えてくれたのは…
石戸谷耳鼻咽喉科 院長 石戸谷 淳一先生
いしとやじゅんいち/医学博士。横浜市立大学医学部客員教授。国立国際医療センター耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授などを経て現職。内視鏡下鼻副鼻腔手術のエキスパート。https://www.ishitoya.jp/
『美的』11月号掲載
イラスト/やましたともこ 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。