「おしっこトラブル」を軽減! どこでもできる“骨盤底筋トレーニング”
頻尿、尿漏れ、排泄痛、残尿感、膀胱の痛み、違和感…尿トラブルのさまざまな症状を軽減するセルフメソッドをご紹介。今回は、2~3ヶ月続ければ排尿コントロールが可能になる「骨盤底筋トレーニング」を女性医療クリニック LUNAグループ理事長 関口由紀先生に教えてもらいました! 今日からさっそくトライしてみて!
骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋を意識して動かすことが第1歩!
「体の筋力は、何もしないと30歳前後をピークに徐々に低下していきます。反対に、正しい方法で鍛えれば確実に強くなる。骨盤底筋も同様です。まずは、自分の骨盤底筋の位置を確認。自転車にまたがってサドルが当たる位置にあります。また、しっかり腹式呼吸をすると骨盤底筋が上下に動くので、それによっても位置を把握できます。骨盤底筋トレーニングは、呼吸と連動させて行うことで効果がアップ。鼻からたっぷり息を吸い、口からゆっくり吐き出しながら、骨盤底筋を引き上げるのがコツです」(関口先生・以下同)
<基本となる骨盤底筋の動き>
(1)肛門を締める(おならを止める感じ)
(2)膣・尿道を締める(尿を途中で止める感じ)
(3)骨盤底筋を中に引き込む
上の3つの動作を連続的に行って骨盤底筋を強化。(3)を行うときは、鼻から肺がいっぱいになるまで息を吸い、口からゆっくりと吐きながら、下腹→おへそ→胃の順に凹ませていく。そうすることで横隔膜が引き上げられて腹圧が下がり、骨盤底筋も引き上がる。
基本の動きをマスターしたら、早速チャレンジ!
立って行う
いつでもどこでもできる基本の動き
(1)両足を肩幅に開いて背中をまっすぐに伸ばして立つ。
(2)肛門と腟を瞬間的にキュッと締めて、スッと力を抜く。
(3)肛門と腟をギューとゆっくり締めて3秒キープし、ゆっくりと緩める。(2)→(3)を2~3回繰り返す。
(4)骨盤と肛門を締めながら骨盤底筋全体を体の中に引き込むようにグーッともち上げて5~7秒キープし、ゆっくりと緩める動きを2~3回繰り返す。
あお向けで行う
朝起きてすぐや夜寝る前に寝転んだままトレーニング
(1)あお向けに寝てひざを立て、肛門をゆっくりと締めて緩める動きを4~5回繰り返す。
(2)肛門を体の中に引き込みながら、最後にキュッと締める動きを4~5回繰り返す。
(3)尿道と腟をゆっくり締めたり、緩めたりを4~5回繰り返す。
(4)尿道と腟を体の中に引き込むような動きを4~5回繰り返す。
(5)(4)の引き込んだ状態から2~3秒キープ。秒数を延ばしながら4~5回繰り返す。
(6)キープする際にもっと強く締めるようにして、さらに4~5回繰り返す。
座って行う
仕事中や電車通勤中など、座った状態でもできる
(1)イスに姿勢良く座り、肛門と腟を軽く締める。
(2)肛門と腟をゆっくりと締め、3秒間キープした後ゆっくりと緩める。
(3)(1)(2)を2~3回繰り返した後、肛門と腟を締めながら骨盤底筋全体を体の中に引き込むようにグーッともち上げ、5~7秒キープしてゆっくりと緩める。これを2~3回繰り返す。
※これはダメ!!
背中を曲げると、おなかが圧迫されて深い呼吸ができません。そうすると、骨盤底筋を引き込む力も弱まります。また、肛門や腟に力を入れる際、ひざが動いてしまうのもNG。両足はしっかりと固定させて行いましょう。
教えてくれたのは…
女性医療クリニック LUNAグループ理事長 関口由紀先生
せきぐちゆき/横浜市立大学医学部泌尿器科で女性泌尿器外来を担当後、2005年に「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。現在は大阪・心斎橋にも展開するグループの総帥を務める。
www.luna-clinic.jp
『美的』8月号掲載
イラスト/小迎裕美子、きくちりえ(Soffydesign) 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。